収録されているのは次の5篇。
- 『混沌ホテル』
- 『女王様でも』
- 『インサイダー疑惑』
- 『魂は自らの社会を選ぶ』
- 『まれびとこぞりて』
一番好みだったのは『魂は自らの社会を選ぶ』。ただ万人受けはしないだろう。23ページという短さにも関わらず、原註に訳註さらに註への註まで飛び交って、シーケンシャルに読めない。でも、註あってこその面白さだから飛ばしてはいけない。むしろ、註を中心に読んでいい[2]。
対称的に、シンプルに楽しめたのは『まれびとこぞりて』。短篇なのに展開がダイナミックで読後の満足度も高い。いかにもコニー・ウィリス作品らしくドタバタした展開で、映画にしたらさぞ映えるだろう、と思う。ネタバレしてしまいそうなので、詳しい理由を書くのは控える。
残りの3作品については手短に。『混沌ホテル』は正直ついていけなかった。『女王様でも』と『インサイダー疑惑』はそれぞれ『最後のウィネベーゴ』と『マーブル・アーチの風』で既読だったけれど面白かった。やはり『インサイダー疑惑』は良い。
さあ、次は後半の『空襲警報』だ。