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固有名詞の使命

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
「『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~』を読んだよ」

「ツイートでタイトルを大幅に間違えていましたね」
『ビブリオ堂古書店 3』を読み終えた。これは続きが気になる。
posted at 12:48:00
「ごめんなさい」

「栞子さんを見習ってください 」

「無理だろう」
他のものならともかく、一度読んだ本の作者や題名を忘れることって、あまりないんですけど
「って、どれだけ記憶力良いんだよ」

「良いというか、特化しているんじゃないですか。『他のものならともかく』と言っていますから」

「しかし、固有名詞を覚えるのが苦手なのは自覚していたけれど、シリーズ3冊目まで読んでいて、いまだにちゃんと覚えていなかったとは。ツイートでは端折って書いてなかったけれど、『事件手帳』じゃなくて『事件簿』だと思っていたし」

「巻数くらいしか合ってない……」

「似て非なる語彙があったからじゃないかなぁ。馴染みのある言葉に置き換えちゃっていいる。「ビブリア」は "Bibliography"の「ビブリオ」に、「古書堂」は「古書店」に、「事件手帳」は「事件簿」に」

「だとすれば知らない言葉の方が正しく覚えられるくらいですかね」

「そうだね、『ジョジョリオン』なんてインパクト大だよね。ともあれ、2巻より面白かった。と言うより、2巻と3巻は、全体を通してみたら上下巻のようになっている。1巻は起承転結があったけれど、2巻以降は複数巻でまとめようとしているのかな?」

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