Netflixのオリジナル映画『ネイキッド』(原題 "Naked")を観た。
タイムループものと言えばそうなのだけれど、SF要素はない。タイムループする理由が明かされたりはしない。
SFよりシチュエーションコメディの色が濃い。タイムループを導入することで、同じシチュエーションでいろいろなことができている。自分の知っているループ物(『Steins;Gate』とか) はシリアス色が濃いので、この見せ方は新鮮だった。
そのシチュエーション=ループ起点の無茶振りがひどい。日時は結婚式前日。場所はホテルのエレベータ。持ち物はなし。全くなし。全裸。なんとか服を手に入れると、「服を着た全裸だ」とか思ってしまう。〈境界線上のホライゾン〉シリーズの読者なので……。
主人公ロブはなんとか結婚式を成功させようと試行錯誤するのだけれど、その失敗が(本人にはもうしわけないけれど)おもしろかったり。そのうち全裸慣れしちゃって、慣れって恐い。
終盤は若干ヒューマンドラマ色が出てくる。ループを繰り返すうちにロブが周囲のみんなの気持ちに知って、最後にはそれに応えてくれるので、非常に気持ちよく幸せな気分でエンディングを迎えられる。
ループされる理由こそ明かされないけれど、ひどいシチュエーションに陥った理由はちゃんと明かされるし、その落とし前もきっちり着くし。
というわけで、気軽に笑えて、すっきり終わってくれる。家でのんびり観るのにちょうどよかった(映画館だと声出して笑うのためらうし)。