『ドローンランド』を読んだ。
この本は近未来のヨーロッパが舞台のSFミステリィ小説。ドローン技術が今よりずっと進歩していて、輸送や犯罪捜査それから監視に広く使われている。ドローン輸送は既に実証実験が始まっているので、近いうちに実現しそう。
それからこの世界ではVR技術も進歩している。監視ドローンが収集した情報を再構成して、そのときその場で起こったことを再生できる。『ナイチンゲールの沈黙』のDMA (Degital Movie Analysis) ほどではないけれど、ミステリィとして考えたら一見かなりの反則技。事件当時の現場を再生できてしまう。
この技術があるにも関わらず――あるからこそ、普通のミステリィにはない疑念が生まれてくるのがスリリング。そう言えば、SFとファンタジーとジャンルは違えど、先日読んだ『折れた竜骨』も、ミステリィを興醒めにしかねない設定がかえって謎解きをおもしろくしていた。魔術が出てくるミステリィつながりで『トリックスターズ』シリーズがMW文庫から再発売されているのを思い出して、調べてみたら大きく改稿されているうえに、電撃hpでの掲載のみだった短篇が収録されているということを知ってしまった。読みたい。
ミステリィとして読むと、動機が強く印象に残るのが珍しい。自分はもっぱらハウダニットばかりを気にするのだけれど、本作に限っては途中からホワイダニットの方が気になり始めた。ネタバレにならないよう、抽象的に表現するととてもドローンランドらしい動機だったように思う。
SFあり、ミステリィあり、それから触れなかったけれどアクション――Tool Assisted Super Action――あり、政治――作中で英国のEU脱退が危惧されていたけれどまさかのBREXIT発生――ありと、読み応えのある一冊だった。
この本は近未来のヨーロッパが舞台のSFミステリィ小説。ドローン技術が今よりずっと進歩していて、輸送や犯罪捜査それから監視に広く使われている。ドローン輸送は既に実証実験が始まっているので、近いうちに実現しそう。
それからこの世界ではVR技術も進歩している。監視ドローンが収集した情報を再構成して、そのときその場で起こったことを再生できる。『ナイチンゲールの沈黙』のDMA (Degital Movie Analysis) ほどではないけれど、ミステリィとして考えたら一見かなりの反則技。事件当時の現場を再生できてしまう。
この技術があるにも関わらず――あるからこそ、普通のミステリィにはない疑念が生まれてくるのがスリリング。そう言えば、SFとファンタジーとジャンルは違えど、先日読んだ『折れた竜骨』も、ミステリィを興醒めにしかねない設定がかえって謎解きをおもしろくしていた。魔術が出てくるミステリィつながりで『トリックスターズ』シリーズがMW文庫から再発売されているのを思い出して、調べてみたら大きく改稿されているうえに、電撃hpでの掲載のみだった短篇が収録されているということを知ってしまった。読みたい。
ミステリィとして読むと、動機が強く印象に残るのが珍しい。自分はもっぱらハウダニットばかりを気にするのだけれど、本作に限っては途中からホワイダニットの方が気になり始めた。ネタバレにならないよう、抽象的に表現するととてもドローンランドらしい動機だったように思う。
SFあり、ミステリィあり、それから触れなかったけれどアクション――Tool Assisted Super Action――あり、政治――作中で英国のEU脱退が危惧されていたけれどまさかのBREXIT発生――ありと、読み応えのある一冊だった。