『さようなら、いままで魚をありがとう』を読んだ。〈銀河ヒッチハイク・ガイド〉シリーズ4作目。
もともと前作までの三作で完結のつもりだったけれど、エージェントや出版社のプレッシャーに押されて書き始めたらしい。『シャーロック・ホームズの帰還』を思い出す。
後付けされたからか、これまでよりSF色が薄くて、これまでなかったアーサーとフェンチャーチとの恋愛要素が投入されている。
その分、フォードやマーヴィンの出番が少なくなっているのが残念。もっとアーサーとフォードの噛み合っていない遣り取りやマーヴィンの嫌みと区別がつかない高度な愚痴を読みたかった。
でも、随所随所に挟まれるエピソードのシニカルな笑いは健在。今回も笑わせて貰った。お気に入りは次の一節。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の〈シリウス・サイバネティクス〉社の製品についての記述。
何か作ろうとしていたはずなのにね。
もともと前作までの三作で完結のつもりだったけれど、エージェントや出版社のプレッシャーに押されて書き始めたらしい。『シャーロック・ホームズの帰還』を思い出す。
後付けされたからか、これまでよりSF色が薄くて、これまでなかったアーサーとフェンチャーチとの恋愛要素が投入されている。
その分、フォードやマーヴィンの出番が少なくなっているのが残念。もっとアーサーとフォードの噛み合っていない遣り取りやマーヴィンの嫌みと区別がつかない高度な愚痴を読みたかった。
でも、随所随所に挟まれるエピソードのシニカルな笑いは健在。今回も笑わせて貰った。お気に入りは次の一節。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の〈シリウス・サイバネティクス〉社の製品についての記述。
「それが本質的に役に立たないという事実になかなか気がつかないのは、ともかく動かすことができたというだけで達成感が得られてしまうからだ。開発環境を整えているときとか、こんな感じ。コンパイラやらIDEやらそのプラグインやら色々とインストールして、Hello Worldが実行できたあたりで満足してしまう。
言い換えれば(同社が銀河系全域にわたって成功を収めてきたのは、ひとえにこの磐石の方針のおかげなのだが)、数限りない表面的な欠陥のために、根本的な欠陥が覆い隠されているのである」
何か作ろうとしていたはずなのにね。