「『ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法~世界を変えた20の野菜の歴史(下)』まで読み終わったよ」
「「飽きた」だなんて呟いていたのに読み切ったんですね」
「うん。詰まらないってわけじゃなかったし」
「下巻ではどんな野菜が紹介されていたんですか?」
「メロン、タマネギ、エンドウマメ、ペッパー、ジャガイモ、パンプキン、ラディッシュ、ホウレンソウ、トマト、カブの十種類だよ」
「先頭が果物なんですが」
「だよね。でも、この本で紹介されているわけもそれなりにあってそれが面白い。植物学的な分類と食文化としての慣習は必ずしも一致しないし、政治的な思惑もあったりして」
「政治まで絡むんですか?」
「ほら、農業政策とか商業的な話もあるからね。商業的というか商業主義的というか、あの品種が儲かるからってその種ばっかりになっちゃうと、根こそぎやられちゃって大打撃になったりするから多様性が大事って話もあったっなぁ」
「『地球最後の日のための種子』が多様性を守るために活動している人の話でしたね」
「うん。実際、1840年代後半にヨーロッパであるジャガイモが病気でやられたときに、その品種のジャガイモに依存していたアイルランドでは特に飢饉が酷くて、100万人以上がアメリカに移住したらしい」
「Wikipdiaにジャガイモ飢饉って項目が立つくらい」
「ちなみにペルーの国際ポテトセンターには5500の品種が保存されているらしい」
「ジャガイモだけでそんなにあるんですね」
「そう言えば、『インターステラー』にもわずかながら、植物の品種の話出てきたなぁ。あ、SFと植物と言えば『火星の人』が読みたくなってきた。火星で農業する話らしい」