『解錠師』を読んだ。
本書は金庫破りの少年の物語。構成が面白かった。刑務所に入れられた主人公の回想というだけなら、そんなに珍しくないけれど、本書の回想は2つの時系列に沿って交互に進んでいく。
1つは、金庫破りになるまでの物語。友人と出会ったり恋人が出来たりとまるで青春小説のよう。もう1つは金庫破りになってからの物語。犯罪に失敗して刑務所に入れられるまでが描かれている。終盤、2つの時系列が接近していくにつれて、ページをめくる手が止まらなくなる。
逮捕されるのは冒頭で明かされているのだけれど、やはりOne More Thingがある。犯罪者の話なのに、何だか爽やかな印象になっていて、どことなく釈然としないけれど、物語としてはとても綺麗でこれはこれでこうするのが最適だったように思う。とても素敵な幕引きだった。
一方で、やっぱりもう少し毒があってもよかったと思っているのは、毒されているからだろうか。
本書は金庫破りの少年の物語。構成が面白かった。刑務所に入れられた主人公の回想というだけなら、そんなに珍しくないけれど、本書の回想は2つの時系列に沿って交互に進んでいく。
1つは、金庫破りになるまでの物語。友人と出会ったり恋人が出来たりとまるで青春小説のよう。もう1つは金庫破りになってからの物語。犯罪に失敗して刑務所に入れられるまでが描かれている。終盤、2つの時系列が接近していくにつれて、ページをめくる手が止まらなくなる。
逮捕されるのは冒頭で明かされているのだけれど、やはりOne More Thingがある。犯罪者の話なのに、何だか爽やかな印象になっていて、どことなく釈然としないけれど、物語としてはとても綺麗でこれはこれでこうするのが最適だったように思う。とても素敵な幕引きだった。
一方で、やっぱりもう少し毒があってもよかったと思っているのは、毒されているからだろうか。