ホラー映画 『ドント・ブリーズ (原題 "Don't Breathe")』 を観てきた。 退役軍人の家に大金が保管されていると聴き、3人の若者が泥棒に入ったら見つかってしまい、退役軍人に追い回される話。 退役軍人は、戦争で盲目になったけれど、代わりに音や匂いに敏感という設定。それが特異なシチュエーションを生み出していて、効果的に恐怖感を煽ってくる。たとえば、相手を目の前にして一歩も動けず、それどころか仲間が殺されても声もあげられない。またあるいは、逃げているつもりが、知らず知らずのうちに近づいていってしまう暗闇の中での逃亡劇。 退役軍事が連れていた犬も効果的だった。退役軍人の死角を補うように、違う角度から襲いかかってくる。退役軍人から逃げても息つく暇がない。 ホラー映画のご多分に漏れず、さっさと逃げればきっともっとずっと楽に助かったのだろう。けれど、逃げられなくなる=退役軍人が彼らを逃がすまいとするまでの展開もよかった。ネタバレになるから書かないけれど、最終的に退役軍人が彼らを逃がすまいとし、そのうち一人を監禁してあんなことをしようとしたのには、また別種の凄みがあった。 霊や呪いなどのオカルト要素も猟奇的な連続殺人事件もないけれど、紛う事なきホラーだった。