『マルドゥック・アノニマス2』を読んだ。
濃いのに物足りないという矛盾した感想を抱く。
濃いのは 〈クインテット〉の成長。どんどん勢力を拡大していく。それどころか、ゲームを変えようとさえしている。
物足りないのは、委任事件担当捜査官の活躍。ウフコックがひたすら 息を潜めて潜入捜査を続ける様が続く。息を呑む。息が詰まる。
そこにあのラストはズルい。『マルドゥック・スクランブル』で築かれた、彼と彼女の立場の違いと 絆と有用性が渾然一体となっている。
1, 2では彼は彼女を大事に思うが故に距離を置き、彼女は彼との立場の違い故に踏み込めず、それでも互いの絆は分かちがたく、もどかしさばかりが募っていく。
2のこのラストで、次巻でようやく彼と彼女が一緒だからこその有用性が発揮されるのではないかと期待してしまう。
それは、きっとエンターテインメントとしては正しいのだろう。けれど、無邪気にそれを楽しむには、スクランブルで彼女にヴェロシティに彼に感情移入させられ過ぎている。
特に彼――ウフコックには悲劇的な末路ばかりが示唆されているのが、読んでいて辛いのに見届けずにはいられない。
ああもう!!
濃いのに物足りないという矛盾した感想を抱く。
濃いのは 〈クインテット〉の成長。どんどん勢力を拡大していく。それどころか、ゲームを変えようとさえしている。
物足りないのは、委任事件担当捜査官の活躍。ウフコックがひたすら 息を潜めて潜入捜査を続ける様が続く。息を呑む。息が詰まる。
そこにあのラストはズルい。『マルドゥック・スクランブル』で築かれた、彼と彼女の立場の違いと 絆と有用性が渾然一体となっている。
1, 2では彼は彼女を大事に思うが故に距離を置き、彼女は彼との立場の違い故に踏み込めず、それでも互いの絆は分かちがたく、もどかしさばかりが募っていく。
2のこのラストで、次巻でようやく彼と彼女が一緒だからこその有用性が発揮されるのではないかと期待してしまう。
それは、きっとエンターテインメントとしては正しいのだろう。けれど、無邪気にそれを楽しむには、スクランブルで彼女にヴェロシティに彼に感情移入させられ過ぎている。
特に彼――ウフコックには悲劇的な末路ばかりが示唆されているのが、読んでいて辛いのに見届けずにはいられない。
ああもう!!