『スプライトシュピーゲル III いかづちの日と自由の朝』を読んだ。 I, II巻ではあまり前に出なかった面々の、違った一面が見られた。事件にバロウズ神父の補佐だった冬真(とうま)が自分から関わったり、後方支援が役割の接続官(コーラス)である水無月(みなづき)が巻き込まれたり、それから殻に閉じこもりっきりの雛(ひびな)がヘッドフォンを外したり。中でも冬真が動き出したのが嬉しい。特甲児童でこそないけれど、守られてばかりになっていなくて好ましい。 〈シュピーゲルシリーズ〉としてみると、『オイレンシュピーゲル』の視点ではあまりにあっさりしていたトラクルおじさんの逮捕の裏側が分かってスッキリした。 各巻単体でも面白いし、シリーズ通しても発見がある。次も楽しみだなぁ。