「『遙かな街へ (原題: Quartier Lointain)』を観たよ」
「フランス映画ですが、原作は日本のマンガ『遥かな町へ』なんですね」
「うん。原作は未読。『ミッドナイト・イン・パリ』と同じく過去のフランスに戻る話だった」
「過去に戻ると言えば、先日観に行ってきた『劇場版STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』も、ですよね」
「ねえ、仮に過去に戻ることができたとして、過去から見た未来というか主観的には現在というか、を変えられると思う?」
「結果が望み通りではなくても良ければ、些細なことで変わってしまうんじゃないでしょうか。いわゆるバタフライ効果で」
「それは嬉しくないな……」
「たとえ事前に考えていた意味では望み通りの結果になったとしても、副作用によって思いもしないことで『こんなはずじゃなかった』と後悔することもありそうですね」
「…………」
「繰り返し過去に戻って無限に挑戦できるとしても、終わりが見えないまま失敗を繰り返すことに、気持ちが耐えられるかという問題もありますよね」
「そう考えると、オカリンすごいよなぁ」
「って、違う映画の話になってしまいましたね」
「じゃあ、一回だけ何かの偶然で過去に戻ったとしたら、未来を変えようと思う?」
「過去に戻った時点で、未来はきっと変わってしまっていると思いますし、未来に戻れるとも限らないですし、過去のことをそんなに細かく覚えているわけじゃないので、現在を生きるのと同じように生きるんじゃないでしょうか、きっと」