「『宇宙人王さんとの遭遇』(原題: L'arrivo di Wang) を観たよ。予告から『宇宙人ポール』のようなコメディかと思ったら、そんなことは全然なかった」
「シリアスだったんですか?」
「うん。まず、そこでボタンを掛け違っていた。それに、そういう予断がなかったとしても、この映画は変化球なんだよね」
「まず設定からしてそうですよね。宇宙人が王(ワン)さんって。でも、双司君そういうの嫌いじゃないですよね?」
「そう、王道を大きく踏み外しているのは、問題じゃない。でも、いくらなんでも曲がり過ぎで投げっぱなしに過ぎやしないか? というの正直な感想。悪い意味で呆気にとられてしまった」
「匙加減なんですかね」
「この手の映画なら『第9地区』の方が面白かったなぁ。シリアス路線にいくなら、〈中国語の部屋〉を踏まえた哲学的な話にして欲しかったなぁ」
「誰が観るんですか、そんなの……」