「タイタス・クロウ・サーガ『幻夢の時計』を読んだよ」
「うん。短篇集『タイタス・クロウの事件簿』(感想)も含めれば4作目だね」
「本作はどうでした?」
「マリニーが迂闊すぎる。タイタスも危機に陥っていた理由にビックリ。それ効果あるんだ。状態異常無効かと思っていたよ。そして、最後は大決戦だった」
「一気にまくし立てないで下さいよ」
「それから、あとがきに『這いよれ! ニャル子さん』からの引用があってビックリ。展開の軽快さに通じる者があるというような話だったよ」
「確かに、本シリーズも本家であるラヴクラフトの目指したコズミック・ホラーとはかけ離れているみたいですね」
「そういうことを言い出すと、切りがないからこの辺で切り上げよう。クトゥルー神話を広めた立役者ダーレスにも批判があったりするくらいだしね。前向きに捉えようぜ、レパートリィが豊富でよりどりみどり!」
「全体としてはそうかもしれませんが、個人としては期待と違っていると愉快ではないですよ」
「麦茶だと思って勢いよく飲んだら、そうめんつゆだったときとか、悲惨だよね」