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鋼の正義と鋼のスーツ - シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (原題: Captain America: Civil War)』を観てきた。

アイアンマンもアントマンもスパイダーマンも出てくるから目移りするけれど、主役はあくまでキャプテン・アメリカ。

『ザ・ファースト・アベンジャー』でアメリカ軍という組織の一員となり、『ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.D.という組織の崩壊を目の当たりにし、この『シビル・ウォー』でついにアベンジャーズという組織と決裂する。

アベンジャーズを率いるのはアイアンマンことトニー・スターク。印象的には彼の方が組織を軽んじそうではあるけれど、よくよく考えたら大企業の社長だった。良きにつけ悪しきにつけ大きな力を発揮する組織という存在を身をもって知っているはず。

あるいは、超人血清のおかげで我が身一つで戦えるスティーブと、スーツというバックアップあってこそのトニーという対比もあるかもしれない。

というシリアスな話なんだけれど、空港での両陣営の戦いには単純にテンションが上がった。アントマンとスパイダーマンがいい意味で軽かったおかげか。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に参加していないからこその役回りだろう。そのうえ、二人とも独特なアクションが楽しいし。

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