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街灯は動かない - スポットライト 世紀のスクープ



『スポットライト 世紀のスクープ (原題 "Spotlight")』を観た。

地方紙『ボストン・グローブ』の1コーナー『スポットライト』の記者が、カトリック司祭による性的虐待が巨大なシステマチックな犯罪だと暴く過程を描いている。

これが実話に基づいているというのが、空恐ろしくもあり心強くもある。そして、少し想像を巡らすと暗澹たる気持ちになる。

空恐ろしいのは、この犯罪が巨大で強大なシステムによって表沙汰にならないようにコントロールされていたこと。

心強いのは、報道の可能性が垣間見えたこと。事実を明るみに出すことの威力が垣間見える。

それでも暗澹たる気持ちが拭いされないのは、本作に描かれている調査報道がどんどん下火になっているとしばしば耳にするから。

先日読んだ『1984』や『動物農場』の著者ジョージ・オーウェルの言葉か定かではない[1]けれど、
ジャーナリズムとは報じられたくないことを報じることだ。それ以外のものは広報に過ぎない。
そもそもの発表を疑うシステムがないと、大本営発表をいくら批評したって、現実の問題を解決するとは思えない。

明るみに出ている情報を吟味するだけでなく、公開されてはいるもののあの手この手で公開コストが吊り上げられている情報を取りに行くのも、重要なんだろうなぁ。

[1] ざっとググった程度だけれど引用元が見つからないし、拙い英語力を振り絞ってで検索したみたけれどWikiquoteでも結論が出ていないみたい (事実を追うのが調査報道なんだろうけれど、こうして調べて見るとコストの高いこと!!)。なお、英語では、
Journalism is printing what someone else does not want printed: everything else is public relations.

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