『その女アレックス』は途中からおいてけぼりを食わされた気分になってしまったけれど、こちらは最後までついていけた。そして読み終えた今、2つの意味でこちらを先に読みたかったと思っている。
まず『悲しみのイレーヌ』の結末が、『その女アレックス』で描かれてしまっている。ちゃんと順番に出版して欲しかったと思う。けれど、『その女アレックス』がの販売があったおかげで『悲しみのイレーヌ』が出版されたのかもしれない。そして、逆だったらここまで話題にならず読むこともなかったかもしれない。
それからもう一つ。こちらは印象に過ぎないのだけれど、『悲しみのイレーヌ』を読んでから『その女アレックス』をもっとおもしろく読めたんじゃないかという気がしている。本作を踏まえてこその『その女アレックス』だったんじゃなかろうか。