『戦場のコックたち』を読んだ。長篇だけれど、各章でオチがつくから短篇連作とよく似た読み心地。それでいてエピローグまで読ませてくれる。
舞台は第二次世界大戦さなかのヨーロッパ。主人公は米軍のコック・ティム。戦場が舞台だからもちろん戦う (衛生兵と同じ特技兵だけれど、コックは護身以外での武器の使用が、国際法で禁じられていないとのこと) けれど、彼の戦いは主軸ではない。丁寧に描かれているのは、彼一人ではどうしようもない戦争の奔流と、彼のコック仲間達。
料理にもあまりフォーカスが当たっていないのには、肩すかしを食らった感じを受けたけれど、これはこれでよかったように思い直している。料理でどんな問題でも解決されたりすると、興醒めしてしまいそう。戦時下の状況の丁寧な描写が作っている雰囲気が、ぶち壊しになる。
「ここがスゴイ!!」という分かりやすい特徴はないのだけれど、全体のバランスが絶妙。安心して楽しめた。特に、エピローグには染みるものが。
舞台は第二次世界大戦さなかのヨーロッパ。主人公は米軍のコック・ティム。戦場が舞台だからもちろん戦う (衛生兵と同じ特技兵だけれど、コックは護身以外での武器の使用が、国際法で禁じられていないとのこと) けれど、彼の戦いは主軸ではない。丁寧に描かれているのは、彼一人ではどうしようもない戦争の奔流と、彼のコック仲間達。
料理にもあまりフォーカスが当たっていないのには、肩すかしを食らった感じを受けたけれど、これはこれでよかったように思い直している。料理でどんな問題でも解決されたりすると、興醒めしてしまいそう。戦時下の状況の丁寧な描写が作っている雰囲気が、ぶち壊しになる。
「ここがスゴイ!!」という分かりやすい特徴はないのだけれど、全体のバランスが絶妙。安心して楽しめた。特に、エピローグには染みるものが。