『天久鷹央の推理カルテ』を読んだ。
とても読みやすかった。キャラクタの関係がライトノベルでよく見る構図――童顔の天才女医・天久に振り回される小鳥遊――だし、ミステリィでよく見る配役――ホームズ役=天久でワトソン役=小鳥遊――だからだと思う。加えて、小鳥遊視線固定の短篇連作だから、すんなり入れて短時間でキリがつく手軽さ。
表面上はテンプレを利用しているから読みやすいけれど、内容は普遍的な問題――医療に関する倫理や社会問題が扱われていて、読後感は割り切りがたい。特にKarte.03には胸に迫るものがあった(ネタバレしたくないので詳細は書かない)。
内容に直接触れないために「何でないか」書いてみる。まず、総合病院が舞台なだけあって、人の死なない日常系ミステリィではない。反対に、何人も記号的に死んでいく本格ミステリィでもない(見立て殺人とか見立て殺人にミスリードするための死体損壊とか、交換殺人とか木を隠す森を作るための連続殺人とか)。
強いて言えば、周囲を振り回す天才医師の活躍が描かれているという雑な括りで、『Dr. House』が近い。医療を題材にした作品をそんなに知らない中での連想だけれど。
ともあれ、よかったので、続刊も読もう。
とても読みやすかった。キャラクタの関係がライトノベルでよく見る構図――童顔の天才女医・天久に振り回される小鳥遊――だし、ミステリィでよく見る配役――ホームズ役=天久でワトソン役=小鳥遊――だからだと思う。加えて、小鳥遊視線固定の短篇連作だから、すんなり入れて短時間でキリがつく手軽さ。
表面上はテンプレを利用しているから読みやすいけれど、内容は普遍的な問題――医療に関する倫理や社会問題が扱われていて、読後感は割り切りがたい。特にKarte.03には胸に迫るものがあった(ネタバレしたくないので詳細は書かない)。
内容に直接触れないために「何でないか」書いてみる。まず、総合病院が舞台なだけあって、人の死なない日常系ミステリィではない。反対に、何人も記号的に死んでいく本格ミステリィでもない(見立て殺人とか見立て殺人にミスリードするための死体損壊とか、交換殺人とか木を隠す森を作るための連続殺人とか)。
強いて言えば、周囲を振り回す天才医師の活躍が描かれているという雑な括りで、『Dr. House』が近い。医療を題材にした作品をそんなに知らない中での連想だけれど。
ともあれ、よかったので、続刊も読もう。