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アジャイルの矢射る

アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント『アジャイル開発とスクラム』を読んだ。

この本のメインターゲットである「ユーザ企業の経営者・情報システム部門の方、さらにベンダー企業のマネージャーの方」へ、アジャイル開発やスクラムがどう説明されているかが気になって手に取ってみた。

この本は、次の3部から構成されている。特に第1部と第2部がメインターゲットを強く意識しているように見える。第1部ではアジャイル開発とスクラムについて、ビジネス上のメリットを提示した上で、導入にあたっての不安材料を先回りする形で解消している。続く第2部では国内の事例(リクルート、楽天、富士通)を紹介している。最後の第3部はアカデミック寄りの内容。スクラムの原点となる論文について改めて振り返ったり、知識創造モデルSECIとの関係について論じたりしている。
  1. アジャイル開発とは何か、スクラムとは何か
  2. アジャイル開発とスクラムを実践する
  3. アジャイル開発とスクラムを考える
当初の目的に照らせば、第1部・第2部を分析的に読むべきなのに、振り返ると、第3部を一番面白く読んでいた。第1部については既知の内容が多かった(まとまっているだけで十分有用だけれど)。第2部については、前から自覚している通り事例にあまり関心がない。というわけで、第3部くらいの知らなさが、ちょうど良かったのだと思う。

一方で、自分の目の前に状況に影響を与えるには、第1部・第2部の内容の方がよほど有効なわけで、これはこれで説得材料として使えていけたらいいな、と思う。特に、短いサイクルでフィードバックを直接受け取れるようにしていきたい。UT、リファクタリング、TDD、CIとアジャイルに不可欠な要素はそろいつつあるのに、肝心要の部分が抜けている。

どう伝えていこう。いきなり将を射抜けるか。それとも馬からか。

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