『ハーモニー』を読んだ。
本作のテーマは、『超弦領域』(感想)に収録の短篇『From the Nothing, With Love.』と同じく、意識。
本書が設定している意識のモデルは、『誘惑される意志』(感想)が紹介している双曲割引に基づいたモデルだろう。
参考文献一覧がないから確かめていないけれど、同じモデルに見える。
本書を読んでいて、『誘惑される意志』の感想で書き忘れていたことがあったのを思い出した。
それは、それは一人の意識を多数のエージェントでモデル化していること。
双曲割引では、誘惑されることは説明できるけれど、誘惑に打ち勝つことは説明できない。
シンプルな例は、「分かっているけれど、止められない」意識だろう。
「分かっているから止めたい」エージェントと「分かっていないし、止めたくない」エージェントがいる。
確たる自己なんて幻想なんだろうな、と思う。
実際はこんな分かりやすい対立図式ではなく、
恐らくどのエージェントも自己を代表しない。と言うか、代表できる自己があるという仮定が誤っている。
それにエージェントの力関係も、選択に対するフィードバックを受けて、変化していく。
そこまで考えると、つまりその選択が将来の自分をどう変えるかまで考えると、力関係が変わる気がする。
本作のテーマは、『超弦領域』(感想)に収録の短篇『From the Nothing, With Love.』と同じく、意識。
本書が設定している意識のモデルは、『誘惑される意志』(感想)が紹介している双曲割引に基づいたモデルだろう。
参考文献一覧がないから確かめていないけれど、同じモデルに見える。
本書を読んでいて、『誘惑される意志』の感想で書き忘れていたことがあったのを思い出した。
それは、それは一人の意識を多数のエージェントでモデル化していること。
双曲割引では、誘惑されることは説明できるけれど、誘惑に打ち勝つことは説明できない。
シンプルな例は、「分かっているけれど、止められない」意識だろう。
「分かっているから止めたい」エージェントと「分かっていないし、止めたくない」エージェントがいる。
確たる自己なんて幻想なんだろうな、と思う。
実際はこんな分かりやすい対立図式ではなく、
「お腹空いた眠い本読みたいゲームしたい仕事しなきゃメールチェックしてないや買い物いかないと掃除もしていないコーディングしたいあの書類どこだっけ」
のように、どれとどれをどう比較したら良いか分からないエージェント群がひしめいているような気がする。恐らくどのエージェントも自己を代表しない。と言うか、代表できる自己があるという仮定が誤っている。
それにエージェントの力関係も、選択に対するフィードバックを受けて、変化していく。
そこまで考えると、つまりその選択が将来の自分をどう変えるかまで考えると、力関係が変わる気がする。