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漠然とは行動できない

『地球全体を幸福にする経済学』を読んだ。

本書のテーマは次の3つの問題だ。
  1. 環境問題
  2. 人口問題
  3. 貧困問題
「地球全体」とつけるだけあって、本書がカバーする範囲は広い。
今まで読んだ本と繋がるところがあって、面白い。

『「食糧危機」をあおってはいけない』では、人口爆発で食糧危機になるというのは、問題を誇張していると述べている。
『明日をどこまで計算できるか?』では、環境がこれからどうなるかを予測できるかどうか述べている。
基本的に予測は不可能だから、悲観的な場合を想定して対策を打った方が良いらしい。

『子ども兵の戦争』では、貧困が子ども兵が生まれる原因の一つだという。
仕事がないから兵士になるという側面がある。
使う側からみても子ども兵は経済的らしい。

『最底辺の10億人』を読んだときは、最底辺の10億人の貧困脱出は難しい、と感じたけれど、『貧困のない世界を創る』では希望が持てた。

本書のスタンスは、 『貧困のない世界を創る』に近い。
貧困問題も解決できると言う。
もちろん、他の2つの問題も。

そのためには、市場だけには任せておけないと言っている。
最近読んでいる『アニマルスピリット』でも同じようなことを言っていたように記憶している。

考えはまとまらないけれど、まとまるのを待つより、できることをしなきゃなぁ、と漠然と思う。
漠然とした思いだけでは、行動に繋がらない、と思いつつも。

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