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メルトリリスを描く参考にバレエ関連書籍2冊

Fate/Grand Order (初出はFate/EXTRA CCC)のメルトリリスのモチーフの1つがバレエということで、描くにあたって参考になるかと思って読んでみた。

『ビジュアル版バレエ・ヒストリー』は雑学としておもしろかった。太陽王ルイ14世が基礎の確立に大きな役割を果たしたとか、踊る王とも呼ばれていて、バレエで太陽の役を踊ったのが太陽王と呼ばれる由来とか。

バレエも時代ごとに分類されていて、メルトリリスはシルエットが釣り鐘型なのでロマンティック・バレエのイメージが近いように見える。これが確立されたのが1800年代の『ラ・シルフィード』。主演のマリー・タリオーニがまとっていたのがトゥ・シューズとロマンティック・チュチュ。今よりも丈が長く釣り鐘型でボディ部分はコルセット状とのこと。

ところで、バレエ・ダンサーと言えばドガの描いた『踊り子』を思い出すけれど、舞台袖視点なのはパリ・オペラ座が1831年に私企業になって年パスにバックヤードに入れる特典を付け始めたりしたかららしい。このころはお気に入りのダンサーに宝石送ったり、それつけて踊ってもらえたとか(アイドル商法とダブって見える)。「控え室の子たち」を見た時に感じた窃視感は、バックヤードからの視点だったか。

もう1冊『ダンサーなら知っておきたい「からだ」のこと』もざっと眺めた。姿勢がよくわかる写真があったので。

それで描けたのがこれ。彼女の攻撃モーションなので、美しくて切れがある感じにしたかったのだけれど、そんなふうに仕上げられる気がまったくしなくてラフ止まり。

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