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9月, 2010の投稿を表示しています

7年振りのSads

Sadsの "THE 7 DEADLY SINS” を聴いている。 本作は、Sads名義としては約7年振りとなる6枚目のスタジオアルバム。 ただ、フロントマンの清春以外はメンバ総入れ替え。 Deep Purpleのような例もあるので、これがSadsだというならそれでいいと思う。 メンバが変わっていれば、音も随分変わっている。 強いてSadsの過去作品と比較すれば、3rdアルバム "THE ROSE GOD GAVE ME" に近い。 近いと言っても、「強いて比較すれば」近いだけであって、随分と距離を感じる。 ヘヴィ・メタルになっているのは、初だと思う。 "THE ROSE GOD GAVE ME"は、ヘヴィだったけれど、メタルではなかった。 面白いな、と思ったのは、投げ遣りと言っていいくらいのあっけなさで終わること。 間奏・後奏は後を引かないし、1曲1曲も短いし、アルバム全体でも約40分しかない。 メタルは基本的に引っ張る印象があるので、すっぱり終わる本作が何だか新鮮。 長く聴けそう。

B+

『第9地区』 を観た。 twitterのタイムラインで話題に挙がっていて、ずっと気になっていたけれど、ようやく。 確かに話題になっただけある、と思う。 エイリアンが難民になっているという設定が面白いし、エイリアンやそのテクノロジーの造形もステレオタイプから外れている。 何より、ストーリィの加速度が凄まじい。ドキュメンタリー風の始まりからラストまで目まぐるしい展開を見せてくれる。 何となく5年ほど前に深夜にテレビで観た変な映画のことを思い出した。 その映画もおかしな展開を見せてくれた。 確かこんな流れだったと思う。 最初は、人間とエイリアンが宇宙船で戦っているシーンから始まる。 この時点では、SFアクションかと思うのだけれど、人間とエイリアンが同じ惑星に不時着したところから、予想外の方に話が転がり始める。 不時着直後は、お互い敵視しているのだけれど、未知の惑星でのサバイバルを通じて、信頼関係が芽生えてくる。この辺りで、最初の戦争はすっかり忘れ去られていた気がする。 そして、最後には宇宙人が重傷を負い、代わりにそいつを守ってくれ、とその子供が人間に託される。最初の戦争がなんだったかは、結局分からないままだったと思う。 (2013/05/11追記 上記映画は『第5惑星』というタイトルだった。 Yahoo!知恵袋 で発見) 何と言うか、こんな映画を思い出すくらい、この映画も変だった。 かと言って、B級っぽさは思いの外、少ない。 全体としては変にも関わらず、それを構成する各シーンはむしろ王道だったりして、瞬間のカタルシスも備えている。 不思議な映画だったなぁ。

ライカンスロープ

『ウルフマン』 を観た。 狼男という古典的なテーマを、奇を衒うことなく丁寧に描いている。 ゴシック・ホラーが好きなので、楽しめた。 特に、19世紀のイギリスの雰囲気が感じられたのが良い。 風景とか小道具とか衣装とか、どれも素敵。 ただ、ラストのバトルはもう少し派手な方が好み。 その方が狼男の人間離れした力が感じられたと思う。

様式美とマンネリと

『D-悪夢村』 を読んだ。 本書は、吸血鬼ハンターシリーズ第22作、34冊目。 このシリーズは様式美的な繰り返しを楽しむものだと思っている。 そういう意味では、本作は良かった。 ブライとグレイランサー卿が良い味を出している。 それに、相変わらず表紙と挿絵も素敵。 ただ、これだけ続くとそろそろ一波乱欲しい、とも思う。 そう思うということは、自分の中では、様式美とマンネリとの境界をそろそろ越えそうなんだろう。

手触りざわざわ

『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』( 公式サイト )を見てきた。 映画『借りぐらしのアリエッティ』( 感想 )で描かれていた小人の世界が新鮮だったので、それが再現されているのならぜひ見てみたいと思い、東京都現代美術館まで行ってきた。 展示内容は大きく3種類。 まず、メインとなる『借りぐらしのアリエッティ』の世界の再現セット。 次に、種田陽平が携わった他の作品の紹介。 最後に、再現セットの図面・模型や、映画のイメージボードなど、製作過程で作られたもの。 良かったのは、やはり再現セット。 見慣れたものでも、スケールが違うと、しかもそれが目の前にあるとなるとこんなに印象が違うものか、と思う。 それから、触れるのが面白かった。もちろん触ってはいけないものもあるし、触るにしても手荒に扱ってはいけないけれど、触れると、体験が鮮明になる。 そう言えば、触れるという体験を提供する、つまりコンテンツとして触覚情報を伝えるメディアってなんだろう。それそのものしかないんだろうか。 視覚情報は絵画、漫画、動画がある。聴覚情報は音楽がある。嗅覚情報は香水やアロマがそうだろう。味覚は飲み物・食べ物。 触覚情報の体験って結構面白いと思うんだけれど、 触覚情報を前面に押し出したメディアが思い浮かばない。 思いつくのは『ベルベットハンズ』くらいか。 写真はそこで買ってきたカタログ。 帯と表紙の関係が面白い。帯は背景画で、それを外すと下からそれを再現したセットの写真が出てくる。 (写真は帯を外して撮っている)。

お前の目は - コララインとボタンの魔女

『コララインとボタンの魔女』 を観た。 タイトルからはほのぼのとした印象を受けるけれど、そこは 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 の監督。映像には、可愛さと不気味さとが同居している。この手の雰囲気に弱いので、これだけで観て良かったと思う。 原作 も読んでみようかな。

テンテンテレーテーン

『ウサビッチ シーズン3』 を観た。 時間が短いからテンポも良いし、BGMのリズムも良いし、中毒になりそう。 オープニングのテンテンテレーテーンが、頭の中で繰り返している。 キレネンコの無敵っぷりがたまらない。

第一印象がなべて世はこともなし

『零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係』 を読んだ。 本書は 『零崎曲識の人間人間』 ( 感想 )に続く人間シリーズ4作目で、ついに完結編。 ただ、変則的なことに完結編が4冊あるので、完結を迎えるにはあと3冊。 戯言シリーズも既に終わり、そこからスピンオフした本シリーズもついに終わり。 初期の面影は全く無くなっているけれど、初期は初期で、今は今で面白い。 このことは、下記の通り、本作でメタなネタにされている。 「お前のそのパラメーター、どうやって密室殺人事件とかと辻褄合わせんだよ! 初期と後期でストーリーが繋がんねえだろ!」 まず、「密室殺人事件」は、戯言シリーズの1作目 『クビキリサイクル』 のこと。このころは、ミステリーだった。 それから、「お前のパラメーター」は人類最終こと想影真心の、ヘリコプターから飛び降りて岩の上に着地しても傷一つ追わないほどの能力のこと。 レビューを検索してみると、この変化を様々に捉えている人がいて面白い。 戯言シリーズから発刊順に読み進めて、ミステリーでなくなったことを否定的に書いている人もいれば、作者の最新シリーズ 『化物語』 ( 感想 )のアニメ経由で読んでみて、キャラが立っていないと否定的に書いている人もいる。 認知バイアスの一種であるアンカリングが働いている例だと思う。 最初の印象を基準点に判断している。

帰ってこい - タイタス・クロウの帰還

『タイタス・クロウの帰還』 を読んだ。 本書は、 『地を穿つ魔』 ( 感想 )の続きで、全6巻+短篇集からなるタイタス・クロウサーガの2冊目。 タイトル通り、行方不明になっていたタイタス・クロウが帰還する。行方不明の間、彼は何をしていたか、が主な内容。 ネタバレになるから詳しくは書かず、代わりに出版社の紹介文の言葉を借りると、「時空の狭間を旅し」、「人智を超えた力」を身につける。2巻の時点でひどいインフレで、この先どこまで突き抜けるのか楽しみ。 なのだけれど、2008年に本書が出版されたきりで、続きがまだ出ていない。いつ出るんだろうか。

カエルカワイイ

ときおり、 『Frog』 を眺めている。 本書は、カエルの写真集。と言っても差し支えないと思う。 解説もあるけれど、読まなくても十分楽しめる。 洋書なので、英語が拙い自分の場合、集中力と辞書が必要。 でも、カエルは赤が見えないとか、面白いことが書いてあるから油断できない。 縦30cm横25cmのフルカラーのハードカバーで、約2500円前後(為替による)とお買い得。 膝の上に広げて眺めていると、なごむ。

CCD - 地を穿つ魔

『地を穿つ魔』 を読んだ。 本署は、 『タイタス・クロウの事件簿』 ( 感想 )と同じタイタス・クロウ・サーガの1冊で、1作目にあたる。 ウィルマース・ファウンデーションという秘密組織が登場して、CCD(クトゥルー眷属邪神群)を、旧神の力や科学の力で退治するというクトゥルーが怖いんだか怖くないんだかよく分からない話。B級映画のノリで、大好きだ。 含みをある終わり方をしたので、次巻 『タイタス・クロウの帰還』 が楽しみ。 その続きがいつ出るかが懸念される。

怪盗紳士

『黒きレ・ヴォルゥ』 を読んだ。 原作が古橋秀之(最近だと 『龍盤七朝 ケルベロス 壱』 ( 感想 )を読んだ)だったので、手に取ってみた。 柔らかい頭で勢いを楽しむ作品だと思う。 アルセーヌ・リュパンは出るわ、シャーロック・ホームズは出るわの大盤振る舞い。 クライマックスでは爆発もあるよ、と。 それにしてもバリツ(バートン流柔術)が強過ぎる。 痛快。

in the dark

『特撮リボルテック エイリアン』 を買った。 『バットマン』 ( 感想 )が良かったので、衝動買い。 造形も細かいし、質感もあるし、良い雰囲気を醸し出している。 それから、やっぱり暗い背景がよく似合う。

欠作戦

『虚構機関』 を読んだ。 本書は16篇のSFからなる短篇集で、収められているのは2007年のSF傑作選。 円城塔の「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」がお気に入り。 重ね書きされた記号からは、まったく違う物語も引き出せただろう。 それも八つと言わずいくらでも。 これは、ジャック・デリダの『散種』だと思う。 思うけれど、そんな面倒なことを考えずに楽しめればいいとも思う。 どうも、 『Self-Reference ENGINE』 ( 感想 )を読んだ第一印象から、円城搭作品とデリダの哲学が結びついてしまっている。 次は2008年に刊行された傑作選、 『超弦領域』 を読みたい。

いあ! いあ! - タイタス・クロウの事件簿

『タイタス・クロウの事件簿』 を読んだ。 発端は自分の このツイート 。4月にグレッグ・イーガンの最近の作品が翻訳されていないとつぶやいたら、 タイタス・クロウ・サーガもずっと続きが出ていない というリプライをもらったのが、本シリーズを知ったきっかけ。 調べてみたらクトゥルー+探偵物だったので、ラブクラフト作品もミステリィも好きな自分は興味をそそられたのだけれど、そのときは読みたい本リストに追加したまでだった。 それから5ヶ月。衝動買いで、クトゥルー+萌えの 『這いよれ! ニャル子さん』 ( 感想 )を買った勢いで、本作にも手を出した。 探偵とも萌えともするなんて、クトゥルー神話、恐るべし。 ロボットともコラボ していたな、そう言えば。 本作は、タイタス・クロウに関する短篇・中篇が全て収められた作品集。ラブクラフト作品とは趣が異なって、どちらかと言うとロボットとコラボしている作品にノリが近い。抵抗むなしいラブクラフト作品とは異なり、タイタスはその叡智でもって悪を退けていく。 自分は、『続・黒の召喚者』の益体の無さがお気に入り。 ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるふ るるいえ うが=なぐる ふたぐん

モンハーン

伏線を回収するフラグ で一言だけ触れたように、ここ数ヶ月 『モンスターハンター ポータブル 2nd G』 で遊んでいる。 セカンドキャラでも何でもなく、今が初プレイ この間のゴールデンウィークに帰省した折りに、友人らに勧められて始めた。 ちなみに愛用の武器は、見ての通りガンランス。 友人らと被らないようにしたという理由もあるけれど、何よりリロードと竜撃砲にロマンがある。 続編 『モンスターハンターポータブル 3rd』 を、まさに本日・明日のTGS2010で体験できるのですでにTwitterなんかで色々情報が流れている。 それによると、ガンランスのモーションは一新されているらしくとても楽しみ。 とは言え、発売日の12月1日まではまだ2ヶ月強あるので、もう少し『2nd G』で狩りを続ける。 希 が。 「自分で戦ってくださいよ、まったく」

テンション青天井

『境界線上のホライゾン3〈下〉』 を読んだ。 ネイト・ミトツダイラの見せ場が多くて嬉しい。 表紙はテュレンヌだけど。 ところで、あとがきによると、これで序盤終了だそうな。 このシリーズ、1巻から盛り上がりっぱなしだけれど、どこまで行くんだろうか。

エルロック・ショルメス

『シャーロック・ホームズ』 を観た。 Amazon.co.jpのレビューを観ると、色々言われているけれど、こんなホームズも良い。 武闘派(きっとあれがバリツなんだろう)だったり、事件がないと生活がただれたり、原作にはあるけれど、映像作品ではこれまでピックアップされなかった部分が前に出ていると思う。 事件にどんどん首を突っ込むのも、それらしい。 安楽椅子探偵はむしろ、兄のマイクロフト・ホームズ。 続編がありそうなラストだったので、次にも期待。

面白さと凄さ

『サマーウォーズ』 を観た。 面白い/面白くない、で言えば面白かった。 凄い/凄くない、で言えば凄くはなかった。 凄みを感じなかったのは、ところどころで違和感を覚えたからだと思う。 今思い出せるのは、次の3つ。 手計算で破られるOzのセキュリティは、一体どんな実装なのか? ラブマシーンはアバターとして出現する意味があるのか? ラブマシーンに花札で勝負を挑んだのが、どうして夏希なのか? 夏希のアバターだけ、本人にそっくり過ぎないか? 話はシンプルでツボを押さえているので、ふと時間が空いたときに観るのに良い。 反面、意気込んで観るものではない。

伏線を回収するフラグ

『這いよれ! ニャル子さん』 を読んだ。 5ヶ月以上前 から気になっていたけれど、ついに買ってしまった。 しかも、1巻から5巻まで既刊全部。 もしや、 『こんなネクロノミコンは嫌だ』 や 『タイタス・クロウサーガ』 がタイムラインに現われたのは、伏線だったのでは!? 「落ち着いてください。現実に伏線なんてありません」 ちなみに、本作はクトゥルー意外のネタも豊富。 その節操の無さから、 『A君(17)の戦争』 を思い出した。 自分のツボは、 『妖神グルメ』 や 『主人公の一人称が「僕」から「私」になるとやたらと強くなる伝奇ファンタジー』 。 あと、目下リアルタイムでプレイ中の モンスターハンター ネタ。 「リアルタイムと言えば」 言えば? 「4ツイートで読み終わってるってどういうことですか。特に3つ目と4つ目」 8/30 23:56 1巻購入 8/31 19:22 既に1巻を読み終え、2~5巻を購入 9/1 0:27 2巻を読み終える 9/2 9:15 5巻まで読み終える キューピー3分クッキング方式。 4ツイート目であらかじめすでに読み終えた俺が突如登場――。 「するわけありますかっ」 詳しくは言えないが、これだけは言える。 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。 「テンプレ使わないでください。」 すみません、本当は寝る間を惜しんで読んでしまいました。 「死亡フラグが立ちましたね。社会的な意味で」 伏線はないのに、死亡フラグはあるなんて、容赦なさ過ぎじゃね?