『九つの物語』 を読んだ。 天の邪鬼な自分は、サリンジャーをメジャー過ぎるという理由で避けていたのだけれど、 『スカイ・クロラ』 に引用されているということもあって、手に取ってみた(ただし、訳は引用されていたものとは異なる)。 本書は、タイトル通り九つの短篇からなる短篇集だ。 『バナナフィッシュに最適な日』、『エズメのために――愛と惨めさをこめて』、『テディー』の三篇が印象的だった。 特に『テディー』が良かった。 『星の王子さま』 に通じるものがあるように思う。 ところで、『九つの物語』を読み終えた今、改めて『スカイ・クロラ』で引用されていた部分を確認してみたら、嬉しくなってきた。 あるChapterの冒頭で引用された部分が示唆的と言うにはあまりにあからさまで、ずっと綺麗にだまされていたことが分かったからだ。