このシリーズは、数学者十和田只人が探偵役のミステリィ。数学者の考え方が(誇張はされているにしろ)面白い。自分も同じ方向に考えたりすることがあったりして、理系の端くれなんだなと再認識できる。
ミステリィとして面白かったのは1作目だけれど、十和田が面白かったのは2作目の方。実際にこう振る舞うかどうかは別として、自分も可能性レベルでは彼の最初の結論を想像すると思う。
でも、多くの人はそうは考えないように思う。そう考えると言うことは、自己同一性が放棄することだから。作話でも何でもして、自己同一性と整合する解釈を、主張するんじゃないだろうか。それが、他者の認識と整合しないとしても。