『音楽の科学』を読んだ。『響きの科学』とよく似たタイトル。重なる部分もあるけれど、それは基礎知識に相当する部分で、主題は異なる。『響きの科学』が楽器の特性など工学的にアプローチしていたのと対象的に、こちらはメロディの認識など認知心理学的にアプローチしている。
600ページ超と厚い中に、知らない固有名詞がガンガン出てきたり冗長に感じられる記述が多かったり、となかなか読みにくかったけれど、主張には大いに同意。主張の内容は、本書が紹介しているベートーヴェンの次のエピソードに端的に表れている。
そういう言葉にできないものがあるから、非言語表現が豊かになっているんだろうなぁ、と。
600ページ超と厚い中に、知らない固有名詞がガンガン出てきたり冗長に感じられる記述が多かったり、となかなか読みにくかったけれど、主張には大いに同意。主張の内容は、本書が紹介しているベートーヴェンの次のエピソードに端的に表れている。
ベートーヴェン自身は、『交響曲第三番』の意味を人から尋ねられたとき、何も言わずにピアノの前に座り、まさにその『交響曲第三番』を演奏し始めたと言われている。音楽に限らず、非言語表現は言語に還元できないから非言語表現を取っているわけであって、それを言語化しようとするには限界があると実感している。このブログの落描ラベルのエントリィは、描いた絵について書いた文だけれど、絵にしている(したいと思っている)部分は文には書いていないし書けない。
そういう言葉にできないものがあるから、非言語表現が豊かになっているんだろうなぁ、と。