『かたき討ち―復讐の作法』 を読んだ。 本書によると、江戸時代の敵討ちにはルールがあったようだ。 それも、単純な決まり事ではない。 いちいち主君から免状を受け、敵が他領に逃げれば主君から幕府に届け出を出すなど、煩雑な手続きが必要だった。 一方で、その前の戦国時代では、敵討ちはむしろ珍しかったらしい。 確かに考えてみれば、現実的ではない。 戦の度に、沢山の人間が殺されてしまったと思うけれど、沢山の人間がいるからこそ敵を特定するのは困難だし、まず間違いなく敵対する他領の人間だろうから、それを追ってその領に入るだけでもいかにも困難だと思える。 先日読んだ『切腹』( 感想 )でも感じたのだけれど、戦国時代から江戸時代になると、つまり平和になって武力より権力が有効になってくると、理不尽で不可解になっていくように思う。 この傾向はなんなんだろうか。