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5月, 2011の投稿を表示しています

Time Flies

『魔法少女まどか☆マギカ (3)』 を読んだ。 本巻は第9話から第12話を収録している。 コミック版『まどか☆マギカ』もこれで完結。 アニメとは違う描写が面白い。 1~2巻でもキュゥべえの表情やほむらの盾のデザインなど、細かい違いはあったけれど、今回の違いは大きい。 これはこれで、いいな、と思う。

カタカタ敵叩き

『かたき討ち―復讐の作法』 を読んだ。 本書によると、江戸時代の敵討ちにはルールがあったようだ。 それも、単純な決まり事ではない。 いちいち主君から免状を受け、敵が他領に逃げれば主君から幕府に届け出を出すなど、煩雑な手続きが必要だった。 一方で、その前の戦国時代では、敵討ちはむしろ珍しかったらしい。 確かに考えてみれば、現実的ではない。 戦の度に、沢山の人間が殺されてしまったと思うけれど、沢山の人間がいるからこそ敵を特定するのは困難だし、まず間違いなく敵対する他領の人間だろうから、それを追ってその領に入るだけでもいかにも困難だと思える。 先日読んだ『切腹』( 感想 )でも感じたのだけれど、戦国時代から江戸時代になると、つまり平和になって武力より権力が有効になってくると、理不尽で不可解になっていくように思う。 この傾向はなんなんだろうか。

一斬皆空

『ヴォイド・シェイパ』 を読んだ。 本書は侍の物語。 同著者の『スカイ・クロラ』シリーズと同じく、戦士の物語。 しかし、本書の主人公ゼンは、『スカイ・クロラ』シリーズの主人公とは対照的に描かれているように思う。 好戦的じゃないし、世間を理解しようとしているし、師の言葉についてずっと考え続けている。 自分もある特定の事柄についてずっと考え続けていることがある。 ずっと考えているというと、正確ではないかもしれない。 断続的に考え続けている、と言った方が近い。 こういうスタイルは、何となく一般的ではないのだろう、と思う。 ある事柄について、分かっている分かっていないか、はっきりすることが求められているように感じることがある。 被害妄想かもしれないけれど。 ただ、それを感じている人は他にもいるのか、分からないことを、見なかったこと聞かなかったことにしたりする人や、自分が分かることに無理矢理当てはめたりする人や、価値のないことだと見なしたりする人がいる。 自分もそういうことがあるけれど、この選択は、自分の限界を決めている。 分からないことを分からないまま受け止めて、時々思い出して、それでもまだ分からなくて、後から「ああ、そういうことだったのか」と分かることがある。 その時が、ほんの少しだけ自分の限界が広がる瞬間だと思う。 もっとも、広げるのはその瞬間ではなく、それまでの反復で、それまでずっとモヤモヤを抱え続けることになる。 そうやって抱えているのは、きっと大事なことだと思う。 どうでもいいことは、忘れている。 あるいは、そもそも覚えない。

Biblio of Oblivion

『ダンタリアンの書架7』 を読んだ。 4篇の短篇と2つの断章からなる短篇集。 正規連載分の短篇はこれで終了。 シリーズとして通して考えると、回収されていない伏線が多いのが残念。 でもあとがきによると「この先も自分のペースで長く続けていきたい」とのことなので、今後に期待。 本作は短篇はコミカルで、断章はシニカルだったという印象。 このシリーズに関しては、暗い話が好みということもあって、『断章一 型録』がお気に入り。 読み終えた後、副題が" The Facebook"と気づき、ニヤリとしてしまった。 ところで、7月からアニメ( 公式サイト )が始まるのだけれど、ダリアンの衣装がなんだかお姫様然としているのが気になる。 重要な要素である南京錠すらないってどういうこと?

ハラキリはらり

『切腹 日本人の責任の取り方』 を読んだ。 江戸時代、武士は引責辞任ならぬ引責自害で責任を取ったとのこと。 しかし、責任を取ったのは、藩主ではなく家臣だ。 その上、切腹するのは、少なくとも形の上で自発的でなければならなかったらしい。 それが「道」だと言われていた。 そんなわけで、切腹されないように、食事に小さなゴミが入っていても隠す藩主もいたそうだ。 反対に、自発的だったのは形の上だけで、事実上、藩主に殺された家臣もいたらしい。 そんな風に切腹が殉死の手段として認識されるようになったのは、藩主の後を追って自殺した家臣が、その手段として用いたからだと本書は述べている。しかし、その後を追った理由は、忠誠心というよりは愛情だったという。 女性向け小説のあのジャンルみたいだなぁ、と。

タフガール

『魔法少女まどか☆マギカ』から、杏子を描いてみた。 登場時は、悪役かと思った。 「うぜー、チョーうぜぇ」 なんて汚い言葉を吐いたり、さやかを挑発したり、と攻撃的な言動が目立ったから。 でも、7話の教会での告白以降はむしろ情に厚かったと思う。 今、振り返ると、呪いに終わった願いを抱えたまま魔法少女として戦っていたのは、彼女だけだったような。 まどかの願いは、最終話の通り。 ほむらの願いは、叶うまで終わらない。 さやかの願いの終わりは、8話の通り。 マミの願いは、生きている限り叶い続けている。 教会での告白通りなら、魔女になってても全然おかしくないと思うのだけれど。 タフだよなぁ。 ちなみに、マミ( その1 、 その2 、 その3 )、それから まどか+ほむら 、に引き続いて、描いたキャラクタとしては4人目。 ここまで来たら、さやかも描いてみようかな。

回らない世界

『STEEL BALL RUN 23』 を読んだ。 本巻が最終巻の一つ手前。 ヴァレンタイン大統領のスタンドD4Cの能力で、平行世界からある人物が基本世界に現われる。 今年が、荒木飛呂彦画業30周年+ジョジョの奇妙な冒険作品25周年だからだろうか。 総決算のような印象。 そう考えると、レースという直線的な舞台に、回転という循環的な要素を絡めているところが面白い。

緑色の研究

前から観たいと思っていた『インクレディブル・ハルク』 が地上波で放送されていたので、これ幸いと観てみた。 作品自体も面白かったけれど、『アイアンマン』を観ていると最後にニヤリとできる。 地上波でやったのは、同じマーベル作品である『マイティ・ソー』( 公式サイト )が7月に公開されるからだろうか。

武装年金

『RED』 を観た。 タイトルの"RED"は、"Retired Extremely Dangerous"の略で、主人公フランク・モーゼズのことを指している。 字幕では「超危険な年金生活者」となっていた。 元CIAの一流スパイだったけれど、引退して年金生活を送っていたフランクが、現役当時の任務が原因で命を狙われるという話。 タイトルが示している通り、引退していてもその腕は健在。 というわけで、もちろん反撃するのだけれど、その仲間もまた"RED"なのが面白い。 フランクを演じるのが、1955年生まれのブルース・ウィリスで、その脇を固めるのが以下のメンバ。 「老兵は死なず、ただ立ち去るのみ」という格言があるけれど、殺しても死にそうにない強さを発揮してくれる。 モーガン・フリーマン(1937年生まれ) ジョン・マルコヴィッチ(1953年生まれ) ヘレン・ミレン(1945年生まれ) 基本、アクション映画なので、話は別に深くない。 良い話にしようというシーンもあったけれど、もう少しはっちゃけた展開とかウィットに富んだブラックな台詞とか、そっち方面に振り切っている方が好み。 でも、こういう主人公然としていないキャラクタが活躍するのは、観ていて気持ちが良い。

ドール箱

ドルチェナの"Pure Patchwork"と"Dandy Pumpkin Great"を買った。 どちらも"Nightmare Before Christmas"がテーマで、それぞれサリーとジャック・スケリントンがモチーフになっている。 "Dandy Pumpkin Great"の巻き髪が素敵。 顔といいサイズといい、プチブライスとよく似ている。 ドルチェナの方が、かわいらしさを前面に出している印象。

匿名の苦鳴

『マルドゥック・フラグメンツ』 を読んだ。 本書はマルドゥック・シリーズの短篇集。 6篇の短篇と、インタビュウ記事と、『事件屋稼業』(『マルドゥック・スクランブル』の初期原稿)の冒頭部で構成されている。 短篇は書き下ろしが1篇で、残り5篇とインタビュウ記事は雑誌で発表済み。『事件家家業』は初発表だけれど、それは初期原稿だからであって、『マルドゥック・スクランブル』として出版されている。 自分は雑誌は読んでいないので、ありがたい。 でも、前菜ばかり出てくる印象。 6篇中3篇はいわば予告編だし、インタビュウ記事にも次作『マルドゥック・アノニマス』への言及があるし、『事件屋稼業』も冒頭部しか掲載されていない。 『マルドゥック・アノニマス』の購買意欲をそそるという意味では成功しているかもしれないけれど、本書単体には物足りなさを感じる。 既刊の『マルドゥック・スクランブル』、『マルドゥック・ヴェロシティ』を読み返したくなる。特に、スクランブル。 『完全版』 、買おうかな。

重大な渋滞

『渋滞学』 を読んだ。 先日読んだ 『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?』 ( 感想 )が多くの実験結果を参照していたのとは対照的に、本書は交通システムのモデル化を主なテーマとしている。 そういうわけで、読んでいる限りはうまくモデル化できているいるように見えるけれど、実際の応用に至らないので消化不良な印象。 あとがきによると「基礎研究が大体完了」した時点での内容とのこと。 日付は2006年5月とあったので、もう実験が進んでいるのだろうか。 気になって、最近の著書を調べてみたけれど、どれに書いてあるんだろう。 最新の著書はタイトル『東大人気教授が教える 思考体力を鍛える』から判断するに違いそう。 それらしいのは、2009年に出版されている『よくわかる渋滞学 (図解雑学) 』と『「渋滞」の先頭は何をしているのか?』の2冊。 本書の理論を実装した結果が書いてあるなら、読んでみたい。

織り込み済み

『魔法少女おりこ☆マギカ (1)』 を読んだ。 本書は『まどか☆マギカ』のスピンオフ作品。 メガネをしていないほむらが出てくるから、平行世界の一つが舞台だと思う。 でも、そうであれば、絶望で終わるのが確定してしまうので、そうでなければいいとも思う。 最初から黒い展開が始まっているのは、今更欺く必要もないからだろう。 果たして、絶望で終わるのか、救いがあるのか、先が気になるところ。 絵柄の癖が強く、本編とは異なっているのは、表紙の通り。 杏子やマミなど既存のキャラクターは、本編が生かされていると思う。 ところで、マミさんがいきなりピンチなんだけれど、死んだりしやしないだろうか……。 追記:2巻の感想は Mirror House Annex: 切り返す

丸く車

『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?』 を読んだ。今年もゴールデンウィークで渋滞に巻き込まれて、なんでこんなことになっているんだ? と思ったのがキッカケ。 なんてことはない。答えは単なる気のせいらしい。渋滞中では、どの車線もほぼ同じペースで進むとのこと。 そんなことはない、実際に何台も先に行っているじゃないか、と思うかも知れない。確かにそうだろう。沢山の車に追い越されていったのを覚えている。でも、それは他の車から見た場合も同じだ。自分も、同じだけ追い越している。抜きつ抜かれつしているのに、抜かれていることだけが印象に残っているだけらしい。 思い当たる節はある。さっき前に行ったと思っていた車が、いつの間にかまた隣にいるなんてことがある。でも、何だか腑に落ちないのは、心理学では損失回避として知られている傾向の影響とのこと。行動経済学でいうプロスペクト理論のことだろうか。つまり「逃した魚は大きい」と思っているだけ。 ところで、タイトルに渋滞を掲げているけれど、本書のメインテーマは、安全だ。安全というと、自分はABSやエアバッグ、車間距離センサなどの技術的解決を連想する。けれど、事故の原因の90%以上は、車の異常でも、道路の不良でも、天気でもなく、人間に関する要因らしい。本書を読むと、それがよく分かる。 渋滞に関して言えば、発生するのは交通量が増えすぎたからだし、巻き込れたらイライラするけれど、その交通量の一部が渋滞に巻き込まれている自分だ。道路を増したところで、さらに車が増えるのが関の山。

手向ける傾き

『傾物語』 を読んだ。 本書は、『化物語』、『傷物語』、『偽物語』、『猫物語』に続く、〈物語〉シリーズ第5作(通算8冊目)。 収録されているのが『まよいキョンシー』なので、八九寺真宵のフィーチャを期待していたけれど、そうではなかった。 冒頭のとある人物の描写といい、忍野忍との遣り取りの多さといい、続刊への伏線に見える箇所が目立つ。 それを抜きにしても、個人的にはちょっと話が大き過ぎた嫌いがある。 でも、だからこそ、これから〈戯言〉シリーズみたいにどんどんエスカレートしていくのか、それとも今回はある種のインタールードで、ひたぎや翼のように勝手に救われる話に戻るのかが気になりもする。 次は、『花物語』。 収録されているのは、『するがデビル』。 果たして、駿河の出番はどれくらいあるのだろうか。

極値戦

『ウソを見破る統計学』 を読んだ。 本書は、統計学に関する基本的な考え方を紹介している。 3部構成になっていて、第1部・第2部が基本的な内容で、第3部が応用的な内容。 索引を含め、250ページにも満たないけれど、網羅的。 あくまで考え方を示しているだけなので、分かりやすさを重視してあまり数式は出てこないし、各種手法を適用するのは難しい。 第1部・第2部は、平均値や中央値などに始まって、回帰分析・検定まで。 正規性を仮定できない場合も含めて、平均値の差の検定のフローを書いてくれているのがありがたい。 自分が読んだ入門書の類はだいたいここまでの内容で終わっている。 第3部は、待ち行列理論、対数正規分布、ベキ分布、極値統計、グラフ理論を扱っている。 逆にこちらは、それぞれ一冊の専門書になっていることが多い。 ただ、極値統計だけは別。興味があって色々調べたことがあるけれど、そもそも日本語の情報がほとんどない。 少なくとも日本語でこんなに平易に解説しているのは本書くらいだと思う。 導入としては十分。あとは、適用までのハードルをどう越えるか。

沈む帆船

『ONE PIECE 62』 を読んだ。 前巻で作中の時間で2年振りに冒険が再開。 そして、本巻でついに魚人島に到着。 けれど、何だか今ひとつ盛り上がれない。 1巻分まるっと緩急の緩が続いているような印象。 魚人島に着いたばかりで、導入が済んだあたりで終わってしまっている。 途中、深海の光景が素敵だったので、この巻はそういう巻ということかな。 次巻ではそろそろ盛り上がりを見たい。