スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

3月, 2011の投稿を表示しています

しとしとぴんちょん

『スロー・ラーナー』 を読んだ。 本作は、トマス・ピンチョンの短篇集 『重力の虹』は読み切れなかったけれど、短篇集なら読み切れるかと思い手に取った。 収録されているのは、次の5作品。 "The Small Rain" "Low-Lands" "Entropy" "Under the Rose" "The Secret Integration" 乱暴にまとめると、段々楽しくなってきた。 前半の"The Small Rain"や"Low-Lands"は、よく分からなかった。 "Entropy"と"Under the Rose"は、分からなさは減ったけれど、まだいまいち楽しめず。 最後の"The Secret Integration"は良かった。面白かったと思えた。 単に慣れてきただけかもしれない。 つまり、何だか意味深げだけど、いちいち深く考えたら進めないと悟っただけかもしれない。 長編に再挑戦したいけれど、どれも長くて厚くて重いから、持ち歩きづらいのがネック。 主な読書時間が移動中なので、持ち歩けないとなかなか読み進められない。 次は、中篇『競売ナンバー49の叫び』か、長編とは言え一冊に収まっている『ヴァインランド』にしようかな。

危惧種ではない

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 を読んだ。 本書は、ウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールの対談本。テーマは本。 ウンベルト・エーコは『薔薇の名前』や『フーコーの振り子』の作者として知っている。一方、ジャン=クロード・カリエールという人は知らなかったけれど、脚本家らしい。 タイトルからは、紙の書物がもうすぐ電子書籍に取って代わられる、と読めるけれど、中身にそんな主張はない。対談している二人は、筋金入りの愛書家。インターネットや電子書籍を頭ごなしに否定することはないけれど、紙の書物の良さを飽くことなく語ってくれる。 自分も本が好きだ。紙の書物が好きだ。どんなところが好きか、エーコの次の言葉から借りる。 ハイパーテキストという仕組みは、著者と読者の間に特有の水入らずの感じを必然的に損なうでしょう。何かを「囲い込む」ものという本のイメージは失われ、それによってある種の読み方は間違いなく姿を消すでしょう。 ハイパーテキストが損なうと言っている水入らずの感じが好きだ。「囲い込む」ものとしての本が好きだ。 だから、メディアミックスものや、未完のシリーズものが、ちょっと苦手。メディアミックスものも、多くの人が関わるようになるので、「水入らずの感じ」を損なう。未完のシリーズものは「囲い込み」切れていないと感じてしまう。 ジャン=クロード・カリエールの言葉からの孫引きになるけれど、次の言葉も印象深かった。 読書は咎められない悪習だと言った人がいました。 そうなんだよなぁ。読んでる場合じゃないのに読んでしまっていることがしばしば。 冒頭の写真は本書を背表紙とは反対側から撮ったもの。凝った装丁が素敵。

災い転じて

『ティンカー・ベルと月の石』 を観た。 ティンクが一人で頑張り過ぎで、観ていてヒヤヒヤする。 そう感じるのは、壊れた物をばれないように直そうとするのに、身に覚えがあるからだろう。 もちろん、最後はハッピーエンドで終わるのだけれど、良い終わり方だったと思う。 物自体ではなく、それが果たす機能に焦点が当たっていた。 「ドリルを買う人が欲しいのは、「穴」である」というマーケティングの格言を思い出す。

AMF

映画 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』 を観た。 ちなみにテレビドラマシリーズは未見。 Aチームは、性格には一癖も二癖もあるけれど能力は超一流の四人組。 黒幕に利用されて軍法会議にかけられて投獄されてしまうけれど、脱獄して名誉回復のために黒幕を追う。 乗っていた軍用機が落とされた時に、積んであった戦車にパラシュートをつけて脱出するなど、手段が無駄に派手なところが良い。 目的は「名誉回復」という誠実さとのギャップが面白い。 ところで、『ハング・オーバー』といい、『エクスペンダブルズ』といい、これといい、男臭い映画ばっかり観ていることに気がついた。 そう言えば、『RED』も観たい。 ところでついでにもう一つ蛇足。 性格には問題があるけれど能力は超一流のチームというと、機動戦艦ナデシコのクルーを思い出す。 こちらはアキバ系アニメで、男臭さとは正反対だけれど。

すり減らない消耗品

映画 『エクスペンダブルズ』 を観た。 メンツが無駄に豪華。 当然、みんなアホみたいに強い。 投げナイフが下手な拳銃より強い。 あとテリー・クルーズが終盤で持ち出す火器の威力が酷い。 ストーリーはあってないようなもの。 筋力と火力がメインだと思う。 でも、シルベスター・スタローンとジェイソン・ステイサムとのやり取りにはニヤリとした。 この無駄さ加減が良い。

希望とキーボード

今更まっさら でiPadを買ったという話をしたけれど、買った理由の一つが、このBlogの更新。 短いエントリィを書くためだけにPCを起動するのは、大仰過ぎると感じている。 写真はそのためのKeyboard Dock。 短いとは言え、ソフトウェアキーボードでエントリィを書くのは結構なストレス。 自分はよほどハードウェアキーボードが好きらしく、Twitterでつぶやく時でさえKeyboard Dockを引っ張りだすことがある。 感覚的には、3文あたりから、ソフトウェアキーボードで書くのを躊躇い始める。 PCのキーボード( FKBN91ML/NB )( 感想 )に比べて、タイプが浅いので最初は違和感があったけれど、意外とすぐに慣れた。 ハードウェアキーボードが好きな割には、そんなに繊細ではないみたい。 インタフェース面はこれで解決して、ハイパーじゃないテキストを書く分にはストレスがほぼなくなった。 一方で、リンクの挿入や画像のレイアウトなど、ハイパーテキストにしようと思うと、まだ不便を感じる。 PCだとちょっとしたフリーソフトなどを組み合わせて解決できるのだけれど、iPadは、その設計思想がシングルタスク志向なのか、そういう使い方が難しい。 その結果、痒いところに手が届かないと感じることがしばしば。 というわけで、このエントリィはPCから投稿している。 iPadのBlogPressから投稿しようしたけれど、写真のレイアウトでつまづいて、結局PCを立ち上げてしまった。 下書きを書くのは快適だったので、割り切って棲み分けた方が良いのかも知れない。

人でなしの人となり

『零崎人識の人間関係 零崎双識との関係』 を読んだ。 随分前に読んで、エントリィも書いたつもりでいたけれど、そうではなかったみたい。 人間シリーズ、これにて完結。 人識が登場人物中もっとも人間的だった気がする。 零崎一族だと双識が一番良い味を出している気がする。

ささやかなさやけさ

『魔法少女まどか☆マギカ (2)』 を読んだ。 本巻には、さやかがメインの第5話から第8話が収録されている。 当面の間、アニメが放送休止となったので、振り返る良い機会。 最初はアニメの絵の方が好みだったけれど、慣れてきたのかマンガの絵も好きになってきた。 特に、最後のキュゥべえが言うところの「厄介なこと」が起こる前後のさやかが。 あと、あとがきが素晴らしい。

正義の意義

『これからの「正義」の話をしよう』 を読んだ。 「正義」という議論百出しそうなテーマなのに人気があると聞いて気になっていたところに、twitterで後押しするツイートがあったので、読むなら今だと思い手に取った。 確かに読むなら「今」だと思う。 「これから」なんて悠長なことを言っている余裕はない。 サブタイトルの「今を生き延びるための哲学」の方がしっくりくる。 著者によると、本書の目的は、読者にこう勧めることだそうだ。 正義に関する自分自身の見解を批判的に検討してはどうだろう――そして、自分が何を考え、またなぜそう考えるのかを見きわめてはどうだろうと。 第1章でこう勧めた後、次に示すようなトピックが続いていくけれど、これらは検討の素材だと思う。 ちなみ、これで「正義」に関する代表的な考え方が網羅されているわけではないようだ。 マイケル・サンデル - Wikipedia によると、「エミール・デュルケーム的な社会学的集合表象」などが抜けているとのこと。 功利主義 リバタリアニズム 市場原理主義 カント ロールズ 正義・権利と名誉・道徳 アリストテレス 共通善 もちろん、著者の主張もある。 最後にコミュニタリアニズムが肯定的に紹介されている。 だから、読者が自分自身の見解を検討した結果、このような考え方になっていて欲しいという意図もあるかもしれない。 そう考えると、先に挙げた本書に書かれなかった「正義」がどんなものか気になってくる。 何を考えるかはさておき、「自分が何を考え、またなぜそう考えるのか」を時々振り返った方が良さそう。 結論は今までと変わらなくてもいい。 議論をしている人を観察していると、相手を言い負かすことが目的になっていて、持論の良さはおろか持論そのものを見失っているように見えることがある。 議論の当事者になったときは、自分もそうなっているかもしれない。当事者になると、冷静な観察が難しいから気がついていないだけだ。 持論として何かを考えているし、そう考えている理由、つまりその良さがあるはず。 それを意識できれば、落ち着いて議論できそう。 つまり、自分とは異なる意見が自分にとって良い意見か、考えられそう。

ややもするともやもやと

sunset by SO_C is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License . 「Twitterを見てくれている人は気がついていると思うけれど、無事です。駅のホームで地震に遭ったけれど、3~4時間ほど歩いて帰れました」 「このBlogより、Twitterの方がよほど見られていると思いますよ。Twitterのフォローが89に対して、このBlogのページビューは20もない日が大半です」 「ここ一月だと、3回目にマミさん描いた2月24日の翌日が59で最多だね」 「見栄を張らないで下さい。最大値は代表値として適切じゃありません。ここ一月のページビューを平均して四捨五入すると18です」 「59みたいなスパイクがあるから、平均値も適切じゃないと思うぞ。中央値か最頻値の方が良くないか?」 「そこまでするなら、ヒストグラムを描いた方が良くありませんか?」 「そう。状況を把握するには、値じゃなくて、分布を捉えた方が良い。不確実な状況なら特に」 「白黒はっきりしないとモヤモヤしませんか?」 「モヤモヤする。言い切れた方がどれだけスッキリするか。でも、それは安易だと思う。安心はするかもしれないけれど、安全にはならない」 「それでも、はっきりした答えが欲しいときがありませんか?」 「ある。でも、それで引き出された答えは、多分、嘘になる。しつこく聞かれたら、そういうことにしておこう、という気になることない?」 「ないことはないです」 「そういうことだと思う」

「命令に従え」という命令

「言われなくてもやることを、わざわざやるように言う人はどういうつもりなんだろうな?、と考えてみた」 「そんなによく言われるんですか?」 「そんなには言われていないと思う。けれど、言われるとストレスなので、ストレス反応として考えてみた」 「考えたら、少しは解消されましたか?」 「少なからず。というわけで、考えてみた結果を少し聞いて欲しいんだけど」 「少しなら」 「じゃあ手短に。まず、言う人には2種類ある。1種類目は、言わないとやらないと思っている人」 「信用していない人ですね」 「こちらの方が対処が簡単。言われる前にやって見せれば良い。やらないと思っているから言うのであって、やるなら言わない」 「そうですね。で、もう1種類は? やると思っているけれど言う人ですか?」 「始めはそう考えたけれど、多分違う。もう1種類はどうでもいい人」 「どういうことですか?」 「要は、人を動かしていると錯覚したいんだと思う。言うなれば、権力志向。この場合、言っても言わなくてもやるなら、言っておけば、言った通りになったと思えるし、やらないなかったら、『何で言ったのにやらないんだ』とやるまで言い続けられる。だから、やるかやらないかに関心がない」 「面倒臭いですね」 「うん、面倒臭い。 『服従の心理』 に書いてあった命令文に含まれる二重の命令を実感した。つまり、指示通りやれという文字通りの命令と、指示者の言うことを聞けというその裏にある命令」 「別に言うことを聞かなきゃいけないってことはないんじゃないですか?」 「それはそう。特に、指示者に権力はないから言うことを聞かなくても、デメリットは少ない。でも、多分言う方もそれを無意識に分かっていて、聞かざるを得ない当たり前のようなことしか言わない」 「七面倒くさいですね」 「七面倒と七面鳥って似てるよね。 それはさておき、結果として言われなくてもやることしか言われないから、余計にストレスになる。得るものがない。 というわけで、人と発言内容を切り離すことにした。 『自分探しと楽しさについて』 がヒントになった」 「言っていること自体は真っ当ですからね」 「でも、空しいよなぁ。本人の説得力は実はどんどん低下していっている」 「皮肉なものですね」

今更まっさら

「発売から約1年。iPad2が発表された直後に値下げに釣られてiPad1を買ってみた」 「周回遅れですね」 「Macはもちろん、iPhoneもiPod Touchも持ったことがないので、2周も3周も遅れている感が否めない」 「それで、どうですか、使ってみて?」 「Google Mapがとても快適。タッチスクリーンの方がマウスよりずっと思い通りにスクロールさせられる。 「ポインティングのインタフェースは快適そうですね。気にしていた文字入力はどうでした?」 「つぶやいたり検索したりする分には、ストレスをそんなに感じない。意外とすぐ慣れるものだね」 「道具が手に馴染むと言いますけれど、手も道具に馴染みますしね」 「使ってみて初めて不便だな、と思ったのは、ツールチップヒントが表示されないこと」 「マウスカーソルをボタンの上に置くと出てくるヘルプのことですよね」 「そう、それ。あれがないとラベルのないボタンを押したらどうなるか自信が持てずに不安になる」 「気が小さ過ぎやしませんか?」 「気が小さいと言えば」 「言えば?」 「フィルム貼るのにもっと大胆にやれば良かった。ちまちまやっていたら、たくさん埃が入ってしまった」 「それで本体の写真じゃなくて、箱の写真なんですね……」

貴賎なし

『ティンカー・ベル』 を観た。 ティンカー・ベルの役所が素敵。 妖精はその才能に従って役割を与えられるのだけれど、ティンカー・ベルは、花形の役割に選ばれない。 ハリー・ポッターが組み分け帽子にグリフィンドールに選ばれたのとは対照的だ。 続きの 『ティンカー・ベルと月の石』 も観よう。

飲んでも飲まれるな

"The Hungover" を観た。 良い意味で酷い。酷過ぎる。 それでいて、良い味を出している場面もある。 野郎だらけで騒ぐのって楽しいよなー、と。

誰がいなくなる?

『魔法少女まどか☆マギカ (1)』 を読んだ。 表紙を見て分かる通り、絵柄はアニメと結構異なる。コミックの方が頭身が高くて、スマートな印象を受ける。 それから魔女の結界内の異質さも薄れている。もっとおどろおどろしい方が好みなので残念。 ストーリィはアニメに沿っているので新しさはないけれど、アニメ1話分を40ページ弱にまとめているので、随分あっさりしているように感じる。 それはそれとして、カバー裏側のオマケが切ない。

前進/

Lunkheadの "[vivo]" を聴いている。 7枚目のスタジオアルバムだというのに、いまだに初期衝動が感じられる。 変態ギターも後ろ向きなのか前向きなのか分からない歌詞も健在。 その上、音はずっと分厚くなっている。 曲のバラエティも豊かになっている。 ぐるぐるしているけれど、前進している。

A7Xの由来を未だに分かっていない

Avenged Sevenfoldの "Nightmare" を聴いている。 前作 "Avenged Sevenfold" や、前々作 "City of Evil" と比べると、展開がドラマチックでスケールが感じられる。 ミディアムバラードで歌声をたっぷり堪能できる。 自分の好みだと、もう少しテンションが上がる曲が多い方が好き。

計画的な無計画

『アジャイルな見積りと計画づくり』 を読んだ。 読みながら付箋を貼っていったら、いつの間にか随分な量になっていた。 それだけ、気になったところが多かったんだろう。 本書を読んで、計画の捉え方が少し変わった。 少なくとも、正確で詳細で実行できてしかるべきものだと思っていたけれど、そうではないということが分かった。 どういうものかは、まだ捉えきれていない。 少し時間をおいてから、付箋を貼ったところから読み返してみよう。 きっとまた発見がある。

いつ聴く?

Radioheadの "The King of Limbs" を聴いている。 CDは今月23日以降の発売(日本版が23日、輸入盤が29日)だけれど、 公式サイト からMP3を購入した。前回"In Rainbows"に比べると、日本語での案内もあるし価格も決まっているので、分かりやすい。 でも、支払いにPaypalを使うのが初めてだったのと案内をちゃんと読んでいなかったので、少し手間取った。 ヘヴィ・ローテーションはしないけれど、時々聴き返すかも。 でも、朝から聴く曲ではない。聴くなら夜中。しかもテンションが低いとき。 聴きたくなるシチュエーションが近いのは、John Fruscianteの"The Empyrean"( 感想 )やMassive Attackの"Heligoland"( 感想 )。こうして名前を挙げたら聴きたくなってきた。 それでも、"In Rainbow"は時々聴き返したし、本作もそうなるか?