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アンチ・ブレーキロック

『ブレーキング・ボックス』を読んだ。

『日経ビジネスAssoci´e』での連載のディレクターズカット版かつ連載のテーマが緩かったせいか、テーマが多岐に渡っている。
記憶に残っているだけで、M&A、ヴェンチャーキャピタル、金融、ビジネスプラン、知的所有権、会計、ストックオプション、CSR、インダストリアルデザインが思い浮かぶ。

自分にとって印象的だったのが、ストックオプションとCSRに関する話。

非情に乱暴な表現だと思うけれど、株主は有限の責任しか負っていないにも関わらず無限の対価を要求していると感じた。
株で大損したという話はあると思うけれど、購入から売却のスパンで見れば、購入金額以上の損失はない。
(機会損失は別にあるけれど、それは投資先を定めた株主の責任範囲だと思う。自分が気がつく範囲では企業は機会損失を消費者に補償しない)。
ストックオプションと称して、経営者の利害を株主に近づけようとしているように見える。
その上、永遠の右片上がりの成長を要求しているように見える。

それから、株主にとってCSRに相当する概念って何だろう、とも思う。
企業がCSRを負うなら、企業の経営に関与できる株主にも何らかの責任が生じるだろう、とナイーブに推測する。
でも、企業責任を問われているのを見かけても、株主責任を問われいているのは見かけない。
そんな酷いことをする企業に、活動を許すだけの資金を提供していた株主は同罪だ、という主張を見かけた記憶がない。

不思議だなぁ。
分かっている人にとっては不思議じゃないのかも知れないけれど、少なくとも自分とっては。

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北へ - ゴールデンカムイ 16

『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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