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ないものはないのか誰も知らないだけなのか

『ハーバーマスとデリダのヨーロッパ』を読んだ。
本ではないけれど文章には違いないので、ラベルは読書とした。
では何かというと、下記の通り報告用原稿が元になっている。
本稿は2 0 0 5年1 0月 2 2日(土)早稲田政治学会で行われた共通シンポジウム「9・1 1以後のヨーロッパ政治」の際の報告の下敷きになった原稿に加筆訂正したもの
『ハーバーマス (1冊でわかる)』(感想)を読んだのがきっかけで、ハーバーマスとデリダについてWebで調べていたときに見つけた。

自分が感じたことに近しいことが一般化されていて、多くの人にそういう傾向があるのだな、と理解した。
ちなみに、自分が感じたことは、下記の通り。
こうして考えると、理解できなかったのは、感情的抵抗があったのかも知れないと思う。
自分が好むポストモダンを攻撃している人の思想だから、受け入れがたかったのかもしれない。
そのものずばりという訳ではないけれど、本稿では下記のように書いている。
当該の神様=思想家の書いたものをたくさん読んでいる方が,その神様=思想家をちょっとかじった人間よりものがよく見えるという特権性が自動的に発生するという思い込みは,日本独特と言ってもいい。
ある思想家の書いたものを読んでいると、そうでないものを受け入れがたくなるということだと思う。

社会心理学用語で言うと、「確証バイアス」。
つい先日読んだ『虐殺器官』(感想)でも、統計的事実を無視して見たいものだけを見ている様が、否定的に書かれていた。
都合の悪い事実からは、目を逸らしたくなる。

バイアスは錯覚と同じで、避けがたい傾向だと思う。
だから、排除するためのシステマチックな工夫が必要。
さらに、相手が確証バイアスに陥っていることを指摘するには、自分が陥っていないことを示す必要がある気もするけれど、それは悪魔の証明か。

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