『烏有此譚』 を読んだ。 『Self-Reference ENGINE』 ( 感想 )が愉快だったので、同著者の他の作品を手に取った次第。 本作も愉快だった。 愉快だったけれど、愉快だったのが注だった、というのはどうなのだろう。 本文を食ってしまっていて、頭に残っているのはほとんど注だけだ。 紙面の下3分の1が注というレイアウトに、注の注に注がつく有様で、注を追っていくと本文を置き去りにしてしまう。 しかも、注は単行本化の際に追加され、連載時にはなかったという。 自分にとっては、このように主従が逆転しているというだけで面白い。 けれど、受け付けない人もいるだろうなぁ、と何となく思う。 このフェティッシュさ加減は、時雨沢恵一作品のあとがきを思い出す。 *1 さすがにタイトルにまで注はついていなかった。タイトルに関する注はあったけれど。