『スカイ・クロラ』は公開当初(2008年8月)は観に行かなかった。行けなかったと言った方が正確かもしれない。
原作小説に対する強い思い入れがあったので、映画に大きなギャップがあったら不愉快になると思っていたからだ。
それを今になって観たのは、Mirror House Annex: 空が晴れたで書いたように、原作小説を多少なりとも俯瞰することができたから。
今でも強い思い入れがあるけれど、小説は小説、映画は映画と相対化できるくらいにはなった。
実際、映画化にあたり大きな変更が施されている。
特に大きいのは、ティーチャの位置づけだと思う。
小説では、ティーチャはキルドレでこそないものの、パイロットとしてのメンタリティはキルドレと共通している。
一方、映画ではキルドレとは対照的な存在として描かれている。
それが顕著に表れているのは、優一がティーチャに戦闘を仕掛けるときの台詞だ。
字幕には「"ティーチャ"を撃墜する」と書かれているけれど、実際の台詞は"I kill my farther"――「父親を殺す」となっている。
つまり、映画版はエディプス・コンプレックス克服の物語になっている。
これは原作とは全く異なる。
これはこれで悪くないとは思うけれど、やはり自分は原作の方が好きだ。
それでも、映画を観て良かったと思う。
戦闘シーンが白眉だ。青空を背景に散華やスカイリィが飛び交う姿が、美しい。
原作小説に対する強い思い入れがあったので、映画に大きなギャップがあったら不愉快になると思っていたからだ。
それを今になって観たのは、Mirror House Annex: 空が晴れたで書いたように、原作小説を多少なりとも俯瞰することができたから。
今でも強い思い入れがあるけれど、小説は小説、映画は映画と相対化できるくらいにはなった。
実際、映画化にあたり大きな変更が施されている。
特に大きいのは、ティーチャの位置づけだと思う。
小説では、ティーチャはキルドレでこそないものの、パイロットとしてのメンタリティはキルドレと共通している。
一方、映画ではキルドレとは対照的な存在として描かれている。
それが顕著に表れているのは、優一がティーチャに戦闘を仕掛けるときの台詞だ。
字幕には「"ティーチャ"を撃墜する」と書かれているけれど、実際の台詞は"I kill my farther"――「父親を殺す」となっている。
つまり、映画版はエディプス・コンプレックス克服の物語になっている。
これは原作とは全く異なる。
これはこれで悪くないとは思うけれど、やはり自分は原作の方が好きだ。
それでも、映画を観て良かったと思う。
戦闘シーンが白眉だ。青空を背景に散華やスカイリィが飛び交う姿が、美しい。