『新・現代アフリカ入門』を読んだ。 特にこれといったキッカケはないのだけれど、何とは無しに。強いて言えば映画 『ブラック・パンサー』 か。架空の国ではあったけれど、主な舞台がアフリカだった。 ◆ 出版されたのは5年前の2013年(いちいち確認しないといけないので、『現代〜』のようなタイトルをつける慣習はなくなってほしいと思う)。二十分の一世紀もあれば、大きく変わった国もあるだろう。けれど、この5年でアフリカに関してどんなニュースがあったかさっぱり思い出せない(日本のもさして思い出せないのだが)。サッカーのW杯が開催されたのは、2010年のことだし。 忘却ぶりに 『ヌメロ・ゼロ』 を思い出す。いろいろと忘れていっているんだろう、という感覚ばかり湧いてきて、具体的なエピソードは浮かび上がってこない。記憶力が下がったのかもしれないし、子供時分からそうなので、そういう記憶の仕方をしているのだろう、と思っている。ニュースにうんざりしているとも言える。 ニュースと言えば、自民党総裁選があるんだかあったんだかだったよなと思って、Googleで「総裁選」を検索してみたら、文春オンラインの「総裁選「カツカレー食い逃げ事件」が大事件になるまで」がトップに出てきた。知らんがな。 アフリカでもよく似た構図らしい。 「こうした政権維持のための政争にうんざりし、政治不信を持つ人々が選挙そのものに関心を示さなくなることもある。たとえば、二〇〇七年のマリの大統領選挙では、投票率は三十六%であった」 日本は大統領制ではないので直接比較はできないが、2017年衆議院選挙の投票率は約54%だった。年代別だと20代がもっとも低く約34%。上記大統領選挙と同じくらい。おおよそ3人にいたら2人は投票していない程度の関心の低さ。なお出典は総務省の 『国政選挙における年代別投票率について』 。 日本と似ている印象を受けるが、著者が日本人なので出生国のことを投影している可能性もあるか。 ◆ この本を「入門」書として思い返すと、著者の主張がかなり強め。出だしから問題提起で始まって、問題ありきで歴史や現状が描写されているように読める。投票率の問題のように、まず問題がありそれを象徴する国をピックアップする形で取り上げられると、 チェリーピッキング にも見える。 アフリカに