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畳んで開いて - 都市をたたむ

『都市をたたむ』を読んだ。今まであまり考えたことがなかったけれど、こうして言われてみると現実味のある、人口減少フェーズの都市の話。


前提として、日本は人口が減っていく。この予測は固い。多数の移民を受け入れるでもしない限り、現在の年齢構成に従って推移していく。

少し横道に逸れたけれど、この本では、人口が減少していく状況において、どう利用できる都市がよいか? という議論が繰り広げられる。

どういう経緯があってこの街はこうなっているのか? という逆問題に関心があって、都市計画関連の読み物を渉猟し始めたので、こういう順方向の議論が新鮮。中でも印象的だったのが次の3点。都市計画というと、都市とはどうあるべきか? みたいな大上段からのビッグピクチャを想像していたので。

  • 主語が都市ではない。都市のための都市ではなく、人のための都市を志向している。
  • スクラップアンドビルドではなく現状を踏まえ、都市がどう変わっていくのが現実的か分析している。
  • 分析にあたって、都市に働く二方向の力ーートップダウン(公的な都市計画)とボトムアップ(私的な地主の視点)から掘り下げている。

ざっくり記憶に強く残った結論は、やがてコンパクトシティになるとしても、急にはならなずスポンジ状態を経由するというものだった。タイトルの「たたむ」という言葉のイメージからは離れるけれど、確かに都市は中心(交通の要所など)から広がるけれど、巻き戻しのように外縁部から縮んでいったりはしなさそう。ぽつぽつと空き家が目立つようになっていくという未来の方が現実味がある。


余談になるけれど、どれくらい先のことになるかはともかく、人口ではなく労働力なら、ロボットやAIで補われるかも。あるいは、ロボットやAIが事実上の人口としてカウントされるようになったりして。

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『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

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