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10月, 2016の投稿を表示しています

金狼読書ファイル - ブックマートの金狼

『ブックマートの金狼』を読んだ。 主人公宮内ナオトは本屋の店長。経歴が異色で、元掃除屋。文字通りの方じゃなくて、暴力にものを言わせて問題を解決するタイプの方の。暴力団からの借りに報いるため、今回限りと依頼に応じるたのが運の尽き。結果的に大立ち回りを演じることになる。 キーアイテムとして実在の本 がちゃんと登場するのが好印象。その本が、自分の大のお気に入りだというのも相まって、ある登場人物 がどんな気持ちであの本を読んだのか想像が膨らむ。 ちょっとひっかかっているのが、ナオトがここまで本屋にこだわっている理由。暴力団からの借りの件も思わせ振りだったけれど、その後は特に触れられていない。続編で明かされたりするんだろうか。

濃厚クリーミーとんこつ味 - 境界探偵モンストルム

『境界探偵モンストルム』を読んだ。 タイトルに「探偵」とあるけれど、ミステリィというより、〈魔界都市ブルース〉シリーズを彷彿とさせる伝奇。 物語よりキャラクタが魅力的。主人公ナルキヤの、弱くて情けないんだけれど、それなりの筋の通し方とか。あと、カップ麺に対する妙なこだわりとか。 それから、風祭と天本の噛み合っていないやりとり。シュール過ぎて、本筋に絡まないにも関わらず、強烈な印象を残してくれた。 こういう描写、余計といえば余計なのだけれど、生活感があって親しみが増す。 カップ麺食べたくなってきたや。濃厚クリーミーとんこつ味の。

大と小 - BFG

映画『BFG』を観てきた。 原作者はロアルド・ダール。この人は、『チャーリーとチョコレート工場』として映画化された、『チョコレート工場の秘密』の作者でもある。 孤児院で暮らすメガネの女の子ソフィーが、心優しい老巨人BFGと仲よくなる話。どちらもとても魅力的。舞台となる巨人の世界の造詣とも相まって、幻想的な世界が見事に描かれている。 一方で、ストーリーにひねりはない。『チャーリーとチョコレート工場』のような皮肉もないし、いろいろと不明点も多い (例えば、BFGと他の巨人の違いとか)。 でも、終盤でのBFGが人前に姿を現してからはいろいろと笑ってしまった。酷いシーンだ(褒め言葉)。

アクガール - スーサイド・スクワッド

『スーサイド・スクワッド』(原題:Suicide Squad)を観た。 もっと悪辣としてくれよ!! 全員、ヴィランでしょ? というのが正直な感想。ピカレスクな展開を期待していたら、湿っぽい話もあったりして、爽快さが足りない。 そんな中で一人気を吐いていたのが、紅一点ハーレイ・クイン。セクシーでキュートでマッドでクルーエル。 スピンオフも作成されるようなので楽しみ。

eat bee / 昆虫を食べる

『昆虫を食べる』を読んだ。 興味本位で読んでみたところ、実直で誠実な内容でなんだか申し訳ない気持ちに。 著者のスタンスを端的に表しているのが、昆虫の食材としての評価方法。味や栄養価だけでなく、コストパフォーマンスも評価している。つまり、産業としての成立可能性が視野に入っている。 ところで、本筋ではないのだけれど、「蝗害」って蝗(いなご)の害って書くのに、引き起こすのって「イナゴ」じゃなくて「バッタ」なのね。ずっと勘違いしていた。

hello, good bye world - Adele/25

Adeleの3rdアルバム"25"を聴いている。 1曲目の"Hello"から引き込まれる。引きずり込まれる。切々と響く歌声が、美しくて悲しくて、釘付けにされる。

白虎繚乱 - Izzy Bizu/A Moment of Madness

Izzy Bizuの"A Moment of Madness"を聴いている。 タワレコで物色していたら"White Tiger"がChirs Martin (ColdplayのVo.) のお気に入りとポップにあったのを見かけて試聴してみたところ、ツボだった。ハスキーボイスが素敵。

Rock & Blues - Jack White/Jack White Acoustic Recordings 1998-2016

Jack Whiteの"Jack White Acoustic Recordings 1998-2016"を聴いている。 The White StripesのでもThe Raconteursのでもなくて、Jack White名義のアコースティックアルバム。どの名義の曲も収録されている。 アコースティック版を聴くと、ブルージーさが際立つ。いまだにThe White Stripesの轟音ギターロックの印象が抜けきらないけれど、こうやって聴くと耳慣れているつもりの曲も違った良さがあったことに気がつかされる。 "City Lights"という曲だけが唯一未発表音源だそうだけれど、The White Stripes名義なのでアコースティックじゃない版が(存在するなら)どうだったのかが気になる。 The White Stripesと言えば、2週間ほど前の10月5日付けで ホワイト・ストライプス、ジャックとメグが共同でトランプの無断楽曲使用を非難する声明を発表 | NME Japan なんて記事もあったっけ。元の記事 The White Stripes reunite to condemn Donald Trump だと"reunite"なんて使われているけれど、活動を再開するわけではなさそう。

花咲く話 - 観用少女プランツ・ドール I, II, III

『観用少女プランツ・ドール』のI~IIIをまとめて読んだ。 1話完結のオムニバス形式だからまとめて読むこともなかったのだけれど、つい。 観用少女――ミルクと砂糖と愛情で育つ生きた人形に人生を救われたり狂わされたりする人たちのお話。 こっそり愛でたいけれど、でも分かっている人どうしなら語りたくなるような作品。

表裏 - のんのんびより 9, 10

『のんのんびより 10』を読んだ。あと『9』も (感想を書くのすっかり忘れていた)。 と言っても、例のごとく日常が続いており、取り立てて何が起こるというわけでもない。 10巻 72話の蛍がおもしろかった。普段人に見せない子供っぽいところが見られる話なんだけれど、ああいうのって見ちゃった方も気まずいよね。

生成りの笑い - 亜人ちゃんは語りたい(4)

「『亜人ちゃんは語りたい(4)』を読んだよ。今度こそ表紙は雪ちゃん」 「第27話『事実は小説よりも』では、意外な一面が明かされましたね。あんなに笑いの沸点が低いだなんて」 「もしかしてずっと笑いを堪えていたのかと思うと、これまでの話の見方が変わるね」 「でも、いつも涼しい顔をしていますよね」 「何、その上手いこといったみたいな顔……」

人の皮を被った - ゴールデンカムイ8

『ゴールデンカムイ8』を読んだ。 最初からキーアイテムが入墨人皮とグロテスクだったけれど、ここに来てさらにグロテスクなことに。 あてられたのか、鶴見中尉がおかしな言動を。 「ん 猫ちゃん 猫ちゃん!!」 「いいよ 江渡貝くん!! 江渡貝くうぅぅん!!」 こんな奴だったっけ? ともあれ、他にも「のっぺらぼう」の目的が示唆されたり、トロッコ追跡劇あり爆発ありアシㇼパさんの狩猟・採集グルメありと盛りだくさん。 盛り上げてくるなぁ。

弦楽の幻惑 - Vasko Vassilev/Beautiful Songs

Vasko Vassilevの『Beautiful Songs』を聴いている。邦楽のヴァイオリンカバーアルバム。 美しくて劇的で、どっぷりと浸りきれる。 すみだジャズのJABERLOOPのステージへの飛び入り参加がキッカケで聴き始めたのだけれど、調べて見たら由緒正しいクラシックの人だったので驚いた。 数世紀の歴史を誇る、英国・コヴェントガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウスの第一ソロコンサートマスター(ロンドン最高地位のコンサートマスター)として活躍するヴァスコ・ヴァッシレフ。 ヴァスコ・ヴァッシレフ JAPAN OFFICIAL WEB SITE 公園で酒飲みながら聴いていてよかったのかしら。でもそうでもなければ、こうしてアルバムを買うこともなかったわけで、よかったと思っておこう。

わいらの笑い- 妖怪図鑑

『妖怪図鑑』を読んだ。というか眺めた。 大妖怪展 で見た『化物づくし』、『百怪図巻』、『化物絵巻』、『百鬼夜行絵巻』の妖怪画が並んでいる。 『化物づくし』、『百怪図巻』の同じ妖怪が見開きで並んでいるから、見比べられる。違いが大きかったり小さかったりするのがおもしろい。ほとんど同じのもいれば、全然色が違うのもいる。亜種か、2Pカラーか。 眺めていたら自分も描いてみたくなったので、表紙にも採用されているわいらを描いてみた。 意外とひょうきんな顔をしているのがよくわかる。鼻毛出てるし。

妖怪の氷解 - 妖怪学新考

『妖怪学新考』を読んだ。 不安や恐怖それから問題行動の仮託先としての〈妖怪〉の有用性について、考え直すいいキッカケになった。 おかげで、たまたま『妖怪ウォッチ』を見たとき、「妖怪のせい」が自分の目に免罪符のように写り、無責任過ぎやしないかとモヤモヤしていたのがスッキリした。 「妖怪のせい」にすると、大きなメリットがある。それは、問題を〈妖怪〉として〈人〉と切り離せること。これで「〈私〉対〈あなた〉」という構図から「〈私達〉対〈問題 (= 妖怪)〉』という構図に置き換えやすくなる。こういう風に問題に向かうのは、ファシリテーションで使われるテクニック。 「妖怪のせい」ではなくて「あなたのせいだ」と当人を責めたって、きっと問題は解決しない。むしろ、まず間違いなくこじれる方向に向かう(そう考えるのは、先日読んだ 『人を動かす』 の影響か)。

B2B2 - 血界戦線 Back 2 Back 2

『血界戦線 Back 2 Back 2』を読んだ。 クラウスさんがクールでキュート。この人の良さで海千山千の人/人外と渡り合っているわけで、ときどき心配になる。 でも、クラウスさんならきっと大丈夫か。鍛えているから。

蕾の坩堝 - Fate/stay night [Heaven's Feel] 3

『Fate/stay night [Heaven's Feel] 3』を読んだ。 バーサーカーとの緒戦から始まるけれど、ほぼ1冊説明回だったような。全体的に吹き出しの面積比率が高かった。冗長に感じたのは、Fate/Zeroや[Fate]の予備知識があるからか。ということは、見方を変えれば、初見にも優しい構成になっているとも言える。 ようやく分岐に入ったあたりで終わっているらしく、桜の出番が少ないのが残念。少ないながら印象的ではあったけれど。

日光燦々 - nanoblock フシギバナ

nanoblock フシギバナを買った。自分にとってはカエル枠。 アマガエル と比べるとズングリ丸っこい。 体と緑と花の紅のコントラストが鮮やか。いいアクセントになっている。 なお、冬虫夏草のことは思い出してはいけない。

カエル力士 - 鳥獣戯画 鳥獣机画

『獣戯画 鳥獣机画』の蛙2種類をゲット。「のこったー、のこったー」 ところで鳥獣戯画と言えば、先日 鳥獣戯画、やっぱり順序違った 紙のはけ跡で裏付け なんてニュースがあった。ちょうど蛙がいるところ。この蛙もいいな。 この発見は、この報告書で発表されたとのこと。読んでみたいけれど、気軽に買えるお値段ではないな……。

Mushroom Frogs "New Color" - キノコとアマガエル【新色】

『キノコとアマガエル【新色】』 をゲット。 「ただの色違いなのに」と思わないでもないけれど、かわいさに負けて購入。 『キノコとアマガエル』のPERFECT COLOR版もあるらしいけれど、そちらはさすがに見送り。 通常版 を持っていなかったら迷わず買ったのだけれど。 と思ったら、もうすぐ2が出るのか!! 今度は新規造形!! これは買わねば。 キノコとアマガエル2!校正終了。発売は10月後半予定となりました。もうちょっとお待ちください。全部新規造形ですよ〜 pic.twitter.com/nu4QBnRMF6 — ネイチャーテクニカラー公式 (@NTC_ikimon) 2016年9月14日

カエルの歌が - 日本のカエル: 分類と生活史~全種の生態、卵、オタマジャクシ

『日本のカエル: 分類と生活史~全種の生態、卵、オタマジャクシ』を読んだ。 専門家が書いているだけあって、分類の説明や見分け方が詳しく書いてある。ふむふむとなんとなくカエル博士になった気分で読めて楽しい。鳥頭なのですぐ忘れてしまうのだけれど。 珍しいことに、本にソナグラム(声紋)が載っている。自分は見てもちっとも音をイメージできないのだけれど,分かる人には分かるのだろうか。 ソナグラムの画像を解析して音に戻したりできないかな。

Hello Worlds - 〈八世界〉全短編1, 2

〈八世界〉全短編1『汝、コンピューターの夢』と〃2『さようなら、ロビンソン・クルーソー』を読んだ。3には続かない。この2冊に収録されている全13篇で、〈八世界〉全短編。 収録順は発表順とのこと。読み進めるにつれ印象が暗くなるのは、作者の心境の変化のせいか。 多少の好き嫌いはあったけれど、かえって〈八世界〉の豊かさにつながったりして、全編たのしませてもらった。 自分の好みは前半。1の表題作『汝、コンピューターの夢』なんかど真ん中。『順列都市』や『閉鎖都市巴里』を連想する。 1970年代の作品だけれど、設定に古さを感じない。むしろラジカル。性別変更なんて序の口の身体改造とか、人間と一蓮托生となる意識のある植物〈共生者(シンブ)〉とか。意識のバックアップをクローンにインストールする形での不死とか。

do not multiply - エターナル・フレイム

『エターナル・フレイム』を読んだ。 『クロックワーク・ロケット』 の続きで、〈直交〉三部作の第二部にあたる。 前作はヤルダ一人の視点で進行したけれど、今作は3人の視点――物理学者カルラ・生物学者カルロ・天文学者タマラから〈孤絶〉の社会が描かれる。 自分が一番気になったのは、生物学者カルロのパート。というのも、前作から気になっていた双の増え方にフォーカスが当たっているから。 今作の中で増え方に関する問題と解決の糸口が描かれるけれど、最終巻ではどうなっているのだろうか。訳者あとがきによると孫世代の物語らしいので、何らかの決着が見られそうなものだけれど。

Sue Side N - 激突のヘクセンナハト III

『激突のヘクセンナハト III』を読んだ。小説の方。 早くも1位ランカーとの戦い。速い。このペースでいくと、Obstacleシリーズはあと数冊だろうか。 スーさんが、各務、堀之内、エルシーと馴染んでいるのが嬉しい。 ところで、表紙に2人いるの久しぶりな気が。

Sue Side C - 激突のヘクセンナハト 3

『激突のヘクセンナハトIII』を読んだ。コミックの方。 小説では II の後半に相当。小説のIIIの話にはまだ入らない。このあとは小説を追いかける形になるのかな。自制心がないので、つい先にコミックを読みきってオチを知ってしまう自分にはちょうどいい。 というわけで、スーさん大活躍。柔らかい表情も見られて微笑ましい。 戦闘の展開をときどき追えなくなってしまうので、ちょいちょい小説を開きつつ読んだ。動きを観たいなぁ。アニメにならんかなぁ。堀之内の真名のせいで無理かな…… (真名じゃない)。