『vN』を読んだ。タイトルのvNは〈フォン・ノイマン式自己複製ヒューマノイド〉の「フォン・ノイマン (von Neumann)」に由来している。 そのvNの少女エイミーが主人公。主人公だけじゃない。主な登場人物が軒並みvN。人類が滅亡しているわけではないし、むしろ権力を握っているのだけれど。 人間の解像度ではvNと人間を見た目で区別できないわりに、vNへの差別が激しいのが気になる。先日読んだ、森博嗣のWシリーズの影響だろう。 エイミーが人間の軛から解き放たれるのはいいのだけれど、ハビエルがエイミーに惹かれるのが彼女の人間的振る舞いなのがおもしろくない。vNは先天的に人間に好意を持つように仕込まれているとはいえ、これじゃあエイミー以外にしてみたら、人間がエイミーにすげ替えられただけじゃないか。 この辺りにもうちょっと深入りして欲しかったなぁ。エイミーは魅力的なだけに残念。