そのままの勢いで3巻まで貫き通してくれるので、これから読むという人は安心してビスコに振り回されて欲しい。矢のように時間が過ぎていく。2巻以降はさすがに心の準備ができるようになったらしく、さっき書いたほど泣きはしなかったけれど、とんでもないところにまで連れていかれてしまった。
ビスコとミロ。2人の少年らはもちろん、彼らの周りの人々もとても魅力的。ビスコの育ての親であり師匠でもあるジャビとその相棒(ビスコの相棒でもある)アクタガワのコンビがたまらなく好き。飄々とした老爺がときにその身で身軽に、ときに巨大ガニの背に立ちながら、弓を引き矢を射るわけで、かっこよくないわけがない。
巻を追うにつれアクタガワがどんどんかわいく見えてくる、史上最高にカニが素敵な小説でもあるのでカニ好きにもおすすめ。