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The Alchemist's Euphoria - Kasabianを聴いて

UKロックバンドKasabianの7枚目のスタジオアルバム "The Alchemist's Euphoria" を聴いている。

SONICMANIA(8/19)の予習でもSUMMER SONIC 大阪(8/20)の予習でもない。何もなければ参加意欲も湧くのだろうけれど、FUJI ROCK配信で人口密度や発声を見てしまったのでとてもそんな気持ちにはなれない(アーティストのパフォーマンスは素晴らしかったけれど。Jack Whiteのライブが観られたのは本当にありがたかった)。参加予定の方は感染しない/させないようお気をつけて。水を差すことを書いているけれど、個々の判断は尊重します。

"The Alchemist's Euphoria"に話を戻す。本作は"For Crying Out Loud"(2017) 以来5年ぶりの新作。この間にフロントマンのTom Meighanが脱退し(2020年の出来事。ここでは経緯を記載しない)、今はSerge Pizzornoがその役割を担っている。どんなアルバムになっているのか期待と不安を抱えながらリリースを待っていた

乱暴に表現するとパワーとダイナミクスだけでなく、美しさと繊細さも織り込まれるようになった印象。CHEMICALSはどことなくColdplayのよう(特にイントロの音色)。別の軸の変化も大きい。他ジャンルの要素を取り込んでいて、中にはそちらが主となっている曲も。ヒップホップ"ROCKET FUEL"、アンビエント"æ space"、トランス"STARGAZR"。これらはSergeのサイドプロジェクト「The S.L.P」を経たからこそか。あとでこちらも聴いてみよう。

12曲38分とコンパクトなんだけれど、まだ消化しきれていない。前作から5年も経っていて、その間に大きな出来事がいくつもあったので当然か。とにかく不安は、失望してしまうのではないかという不安は、まったくの杞憂だった。聴き込んでいこう。

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