『プラハの墓地』を読んだ。作者のウンベルト・エーコが今年の2月に亡くなってしまった。思えばこのブログの最初のエントリィは、『フーコーの振り子』に言及したものだった。
思い返してみると、通底するテーマがある。それは、〈ブギーポップシリーズ〉の『ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド』でも扱われていた。
認知心理学で〈確証バイアス〉と呼ばれる、見たいモノだけを見て他を無視する傾向がいかに強いことか。各人の信念に合致する情報は、高い確率で、裏取りなどされずそのまま鵜呑みにされてしまう。たとえ、それが大量虐殺へと続く道だとしても。
そういうシリアスな部分をさておいても、語り手に関する謎が不可思議で追わざるを得なかったり、主要な語り手の一人の美食うんちくが堪らなかったり、単純に楽しい。
単純に楽しいうえに、読み解こうと思えばいくらでも深みにはまる(予感がして自分は踏み込めない)くらいの一作。
※追記
遺作は本作ではなくて『ヌメロ・ゼロ』だった。誤解して書いていたので、一部修正(2016/12/29)。
思い返してみると、通底するテーマがある。それは、〈ブギーポップシリーズ〉の『ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド』でも扱われていた。
認知心理学で〈確証バイアス〉と呼ばれる、見たいモノだけを見て他を無視する傾向がいかに強いことか。各人の信念に合致する情報は、高い確率で、裏取りなどされずそのまま鵜呑みにされてしまう。たとえ、それが大量虐殺へと続く道だとしても。
そういうシリアスな部分をさておいても、語り手に関する謎が不可思議で追わざるを得なかったり、主要な語り手の一人の美食うんちくが堪らなかったり、単純に楽しい。
単純に楽しいうえに、読み解こうと思えばいくらでも深みにはまる(予感がして自分は踏み込めない)くらいの一作。
※追記
遺作は本作ではなくて『ヌメロ・ゼロ』だった。誤解して書いていたので、一部修正(2016/12/29)。