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カササギ殺人事件、ウィッチクラフト・アカデミア、モンスター娘ハンター、ゲンロン10.5

『カササギ殺人事件』
 イギリスのミステリ。「アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!」と歌われているけれど、アガサ・クリスティに詳しくない自分でも十分楽しめた。
編集者の視点での作中作『カササギ殺人事件』を巡る謎と、作中作『カササギ殺人事件』の謎の二重構造。おもしろい構造をしている。下巻を読み始めた時、本を間違えたと思ったほど。



『ウィッチクラフト・アカデミア』1, 2
 ラノベ。『這いよれ!ニャル子さん』と同じ作者の作品。だけれど作風はずいぶん違う。ウィッチクラフトという箒レースがある世界で、その専門学科に飛び込んだ少年が主人公。ウィッチクラフトは小さくて軽い方が有利で、そもそも適性がある男性がまれということで、小柄な男の子が女の子に囲まれるという状況に必然性があるのが好印象。最後はレースで語ることになりスポーツものの熱さが見られる。ウルスラがまだまだ謎過ぎるので、シリーズに期待。




『モンスター娘ハンター』1, 2
 ラノベ。『モンスター娘のお医者さん』がおもしろかったのでこちらも読んでみたけれど、どうも入り込めない。もうちょっと読み続けよう。ここまでで主要キャラが集まって次あたり大きな展開がありそうな気もするし。



『ゲンロン10.5』
 ゲンロン会員限定の『ゲンロン』増刊号。雑誌というかムックというかそんな感じ。『スマホ写真論』を読む前に、と思ってようやく(お察しのとおり、メルマガは未読の山となっている)。

「正義は剰余から生まれる(國分功一郎+東浩紀)」
 読んでいてトム・デマルコの『ゆとりの法則』を思い出した。「剰余」あるいは「ゆとり」や「あそび」がどんどん小さくなっていると実感する。
 
「いまここ」で他人にどう解釈されるかにおびえながら生き、ますます「いまここ」で正しさが判明するコレクトネスにすがるようになる。
 というところでは、偉い人がOKを出すかどうかに拘泥して資料を修正しているうちにコンテンツがどんどんよくわからなくなっていく様を思い出したり。
 ふと、思ったのだけれど、コンテンツがよくわからなくなるのは、ここで議論があったとおり、コレクトネスは意見を変えないので、偉い人の意見とコレクトネスの混合物になるからかもしれない。
 ※ここでのコレクトネス(正当性)は、デリダの議論を参照していて、現前的で計算可能なものだ。対置されるのがジャスティス(正義)で、こちらは非現前的で計算不可能。ものごとを始めるには正当性による説得があるけれど、その結果に正義があったかどうかは歴史に委ねられるみたいなイメージで捉えている。

「アンビバレント・ヒップホップ(吉田雅史)」
 オートチューンを聞いていたので最初からボカロにあまり違和感を感じなかっただろうか? とかボカロもどんどん自然に歌う(AIきりたん)ようになってきているのでこのあたり考えてみるのもおもしろそう。
 EMINEMのReal Slim Shadyについて語ってくれている回あるかな?(書籍化されたら買おう)

「スマホの写真論」
これから書籍を読む予定。鏡は左右逆じゃなくて前後逆という話があるのだけれど、そもそも自分は「逆」というのにずっと違和感があって、では「正」はどういう状態なのか? とたまに悩む。鏡の前に立ったとき、右手を上げたら鏡の中の自分の右手(自分から見て左側の手)が上がったり、自分の後ろ姿が映ったりしたら、そちらの方がよほど怖い。

他人から見えるのとは違う見え方で、他人からどう見られるか身だしなみを整えるのはどう考えても誤差が大きいので、カメラのリアルタイムプレビューで他人から見える状態と同じ状態で身だしなみを整えるようにしたらどうだろう。

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