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10月, 2014の投稿を表示しています

All I Need - デリダとの対話

『デリダとの対話』を読んだ。 『虎よ! 虎よ!』 を思い出した。 「おれは信ずる」彼は考えた。「おれは信仰をもっている」  彼はまたジョウントした。ふたたび混沌におちた。 「何に対する信仰なのか?」彼は地獄の辺土にただよいながら自問した。 「信仰への信仰だ」彼はかんがえた。「何か信ずるものをもつことは必要ではない。どこかに何か信ずるに値するものがあることを信ずることが必要なのだ」  彼は最後にジョウントした。信ずることへの意思の力が、無目的な目的地の近・現在を現実に変容した…… これってまさにこの本が説く脱構築じゃなかろうか。 というのも、この本では「脱構築は信仰に依拠している」といっている。でも、その信仰の対象は決して来ない「来たるべきもの」で、それは「絶対的に予見不可能」だとも言っている。 その「来たるべきモノ」を「正義」とか「贈与」とか「歓待」とか「民主主義」とか呼んでいるはいるけれど、それは「絶対的に予見不可能」なので再発明しなければならないと言っているので、辞書に載っているような意味でのそれではないんだろう、と思う。 これって、何を信じるでもなく信じるに値するものがあることを信じて、無目的(信じる対象が分からないまま)に目的地(信じる対象)を意志することのように思える。 具体的にどういうことなのかは分からないけれど、〈信じる対象〉という信者にとっての真理がある状態が諍いを生んでいるのは、しばしば観察されるので、〈真理が予見可能〉であるという命題は偽であって欲しいな、と思う。

倍以上の年を重ねて大人になった - Aphex Twin/Syro

Aphex TwinのSyroを聴いている。Aphex Twin名義の他のアルバムで音源を持っているのは"Richard D James Album"だけ。でも、不定期に思い出したように聴きたくなる貴重なアルバム。そんなAphex Twinの13年振りの新作ということで買ってみた。 音色はアンビエント寄りなんだけれど、ビートが速かったり展開がトリッキーだったりで、ちっとも退屈を感じない。静かな曲も、耳を澄ませてよく聴くと色々な発見があって、実はとても濃い音だったことが分かる。 なんだろう、この感じ。ちょっとだけだけれど『Mother 2』のBGMを思い出す。

合否 - 悲業伝

『悲業伝』を読んだ。 『悲報伝』 に続く〈伝説〉シリーズ5冊目。 まだまだ続くよ、四国ゲーム。『悲報伝』で加速して、怒濤の展開で終わるかと思ったら……。 本巻でスポットライトが当たるのは、魔法少女ストロークこと手袋鵬喜、空々空の秘書・氷上竝生不明室室長左右左危の3人。氷上竝生と左右左危は当たりたくないと思っていそうだが。逆に手袋鵬喜は当たったら喜びそうだ。 急にスポットライトが当たるのは死亡フラグとよく言われるけれど、このシリーズの場合は、生き残る方が珍しいくらいだからどうなることやら。これまでの傾向から想像するに、手袋鵬喜と氷上竝生はロクな死に方をしないんじゃないか、と今から心配だ。 ちなみに、前作でスポットライトがあたった魔法少女パンプキンこと杵槻鋼矢はほとんど登場しない。そして、それ以上に主人公の空々空も登場しない。念のため補足しておくと、いつの間にか死んでしまったわけではない。これで役者がそろって次巻(『悲録伝』?)で決着するのだろうか。 この実験に合格するのは誰になることやら。

廻る廻るよ - それでも町は廻っている13

「『それでも町は廻っている13』を読んだよ」 「待望の新刊ですね」 「ものすごい先が気になるって話じゃないれけど、やっぱり楽しいなぁ。「暗黒卓球少女」が最高だった」 「でも紺さんの中学時代を考えると複雑ですよね。「歩く鳥」で描かれていたことを考えると」 「うん。時系列がバラバラに収録されているから、一度整理して繋げて読んでみたいなぁ」 「検索すると調べている方いらっしゃいますね」 「そこまで時期をキッチリ確定させるのは大変そうだけれど、エピソード間の繋がりだけでも追いたいなぁ」

必殺教室 - 暗殺教室11

『暗殺教室11』を読んだ。 殺せんせーを暗殺するため、どんどん強くなっていく3年E組の生徒達。今回は、その強さの扱い方について描かれている。 強くなったらその力を発揮したくなるのが心情だ。ましてやみんな中学生なんだからその気持ちを抑えるのは難しかったろうなぁ。 ここで力の発揮を抑えつけるんじゃなくて、発揮させる方向性をリードしていたのだから、殺せんせーはいい先生だよなあと思う。 という良い話もありつつ、コードネーム回は酷かった(ほめ言葉)。律ちゃんを「萌え箱」て見も蓋もありゃしない。

Creeping- アウトサイダー、魔犬

『アウトサイダー』と『魔犬』を読んだ。H. P. ラブクラフトの短編が漫画化されていると聞いて。『アウトサイダー』には『アウトサイダー』の1本、『魔犬』には『神殿』、『魔犬』、『名もなき都』の3本が収録されている。 絵の雰囲気がよく合っていて、引き込まれる。派手なアクションも複雑な謎解きもないけれど、得体のしれない恐怖がひたひたじわじわ忍び寄ってくる感覚が堪らない。特に『魔犬』がよかった。 最近、こういう結末がはっきり描かれない作品をあまり読んでいなかったので、新鮮なような懐かしいような。

マンガマンガしてない‼︎ - ヘルベチカスタンダード

『ヘルベチカスタンダード』を読んだ。作者あらゐけいいちさんのファンブック的な要素が強い。同タイトルの単行本でもあるんだけれど、『日常』の販売促進用漫画や各所に掲載されたイラストも収録されていたりする。 『日常』 好きなので楽しめた。ちょっと薄めなので漫画として考えると割高感はあるけれど、フルカラーだしおかげでイラストが映えていることも含めて考えると、こんなものかなと思う(Kindle版をセールで買ったくせに偉そうだ)。 それにしても元陸上部のタレントの豊富さは一体なんなんだ。

G級 - ゴキブリ大全 新装版

「『ゴキブリ大全 新装版』を読んだよ」 「また趣味が悪そうな本を」 「うん。ゴキブリは高タンパクとか、知りたくもないことが沢山書いてあった」 「よく読み切りましたね」 「意外と面白かったよ。『白熱光』との意外なつながりが見つかったよ。チャバネゴキブリの遠い親戚は、交尾の後、雄は分泌物(尿酸塩)を雌に食べて貰わないと、その毒素で死んでしまうんだって」 「スプリンターに住んでいる種族も似た特徴を持っていましたね」 「このゴキブリから着想を得たのかな?」 「そういう特徴がある他の虫もいるかもしれないですよ」 「それもそうか。何か発見したと思うと近視眼的になっていかんな」 「ところでゴキブリといえば『テラフォーマーズ』のアニメが始まりましたね」 「うん。それに合わせて出版されたみたい。あとがきでも触れられているし、Amazonの商品の説明には「人気マンガ『テラフォーマーズ』の副読本におすすめ! !」なんてある。ちなみに初版は15年前だそうで」 「まだ1900年代ですね」 「にも関わらずゴキブリを題材にした日本のアニメが紹介されていて驚いた。『ゴキブリたちの黄昏』ってタイトル」 「今だと美少女化されていそうですね」 「 調べてみたら案の定 」