スキップしてメイン コンテンツに移動

"Unlimited Love" - Red Hot Chili Peppers

Red Hot Chili Peppersの新アルバム"Unlimited Love"を聴いている。

2016年の"The Getaway"以来6年ぶり。本作では再びJohn Fruscianteがギターに復帰。その前に彼が参加した"Stadium Arcadium"から数えると、実に16年ぶり。プロデューサーもDanger MouseからRick Rubinに戻ったとのこと。

6. The Great Apesのギターなんてとてもらしい。でもアルバム全体を通して聴くと("Stadium Arcadium"のようには)ギターは目立たない。

RHCPから離れていた間のソロ作品、Trickfinger名義の作品、Black Knights (Hip Hopグループ)のプロデュースからの影響がそこかしこに見える。5. Poster Childなんかくぐもったスクラッチ音もあってヒップホップっぽい。

管楽器(3. Aquatic Mouth Dance) 、ピアノ(4. Not the One)など直近2アルバム(つまりそこでギターを務めたJosh Klinghoffer)から受け継いだであろう要素も聴こえてくる(優しいバラードもここに含まれそうな気がするけれど、自分の記憶を当てにしてはいけない)。

ところが後半になるにつれ、さらに自由になっていく。9. These Are the Daysではこんなロック鳴らすんだ! と驚いたし、11. Bastards of Lightではギターよりシンセが目立つし、13.はラップでいいよねこれ? 15. Let 'Em Cryはまた違ったリズムでダンサブル(語彙力)。

ラストの2曲、16. The Heavy Wingで"Stadium Arcadium"あるいはJohn Fruschianteソロの"The Empyrean"を彷彿とさせる広がりと盛り上がりを見せて、17. Tangeloではアコギで素朴に締め括られる。Beautiful。

参考



このブログの人気の投稿

北へ - ゴールデンカムイ 16

『ゴールデンカムイ 15』、『〃 16』を読んだ。16巻を読み始めてから、15巻を買ったものの読んでいなかったことに気がつく。Kindle版の予約注文ではままあること。 15巻は「スチェンカ・ナ・スチェンク」、「バーニャ(ロシア式蒸し風呂)」と男臭いことこのうえなし。軽くWebで調べてみたところ、スチェンカ・ナ・スチェンク (Стенка на стенку) はロシアの祭事マースレニツァで行われる行事のようだ[1]。それなりになじみ深いものらしく、この行事をタイトルに据えたフォークメタルStenka Na StenkuのMVが見つかった。 16巻では杉元一行は巡業中のサーカスに参加することになる。杉元と鯉登の維持の張り合いが、見ていて微笑ましい。鯉登は目的を見失っているようだが、杉元もスチェンカで我を失っていたので、どっこいどっこいか。なお、サーカス/大道芸を通じた日露のつながりは、実際にもこのような形だったようだ[2]。 個々のエピソードから視線を上げて、全体の構図を眺めてみると、各勢力がすっかり入り乱れている。アシㇼパは尾形、キロランケ、白石とともにアチャの足跡を辿り、そのあとを鶴見のもとで家永の治療を受けた杉元が鯉登、月島を追っている。今更だけれど、杉元やアシㇼパは、第七師団と完全に利害が衝突していると考えていないはずだった。一方で、土方一味も入墨人皮を継続。むしろ彼らの方が第七師団との対立が深刻だろう。さらに北上するキロランケはまた別の目的で動いているようだけれど、なんで尾形も一緒なんだっけ? 『進撃の巨人』に引き続き、これもそろそろ読み返す時期か。 [1] 5つの暴力的な伝統:スラヴ戦士のようにマースレニツァを祝おう - ロシア・ビヨンド [2] ボリショイサーカスの源流は、ロシアに渡った幕末日本の大道芸人たちにあった 脈々と息づく「クールジャパン」 | ハフポスト

戦う泡沫 - 終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #06, #07

『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』の#06, #07を読んだ。 『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?』の#06と#07を読んだ。#06でフェオドールの物語がひとまずは決着して、#07から第二部開始といったところ。 これまでの彼の戦いが通過点のように見えてしまったのがちょっと悲しい。もしも#07がシリーズ3作目の#01になっていたら、もう少し違って見えたかもしれない。物語の外にある枠組みが与える影響は、決して小さくない。 一方で純粋に物語に抱く感情なんてあるんだろうか? とも思う。浮かび上がる感情には周辺情報が引き起こす雑念が内包されていて、やがて損なわれてしまうことになっているのかもしれない。黄金妖精 (レプラカーン) の人格が前世のそれに侵食されていくように。

リアル・シリアル・ソシアル - アイム・ノット・シリアルキラー

『アイム・ノット・シリアルキラー』(原題 "I Am Not a Serial Killer")を見た。 いい意味で期待を裏切ってくれて、悪くなかった。最初はちょっと反応に困るったけれど、それも含めて嫌いじゃない。傑作・良作の類いではないだろうけれど、主人公ジョンに味がある。 この期待の裏切り方に腹を立てる人もいるだろう。でも、万人受けするつもりがない作品が出てくるのって、豊かでいいよね(受け付けないときは本当に受け付けないけれど)。何が出てくるかわからない楽しみがある。