tag:blogger.com,1999:blog-23088733828563350272024-02-19T19:18:48.281+09:00Mirror House Annex本館のない別館。鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comBlogger2704125tag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-13442101208393172302023-10-10T23:23:00.003+09:002023-10-10T23:23:00.142+09:00ここ1,2週間のよしなにごと<p>屋内で熱中症とおぼしき激しい頭痛・吐き気に襲われたと思ったら、 急に寒くなって風邪をひきそうです。秋の花粉が飛び始めたのか目も痒い。花粉症にはヨーグルトがいいらしいので六花ちゃんごめん。</p><p style="text-align: left;">下半期に入ったからか、音声合成に関するクラウドファンディングが相次いで発表されました。</p><p></p><ul style="text-align: left;"><li>10月20日:<a href="https://www.futabaminato.com/news/353/">CeVIO AI & VoiSona トーク 双葉湊音</a></li><li>10月27日:<a href="https://twitter.com/Masokagami436/status/1710203447457529891">A.I.VOICE junior 華鏡よさり</a></li><li>11月中旬:琴葉茜・葵ライブ(A.I.VOICE公式生放送で言及)</li></ul><div>ロサ(ROSA)ちゃんも<a href="https://twitter.com/ROSA_ROSA_15/status/1708626068536766901">「今月は、いろいろな発表が出来るかも!?✨」</a>とポストしていたのでクラウドファンディングもあるかもしれません。当初から将来の目標にしていたし改めてステージ衣装の存在をアピールしていたので、Synthesizer V制作に期待です。<a href="https://twitter.com/ROSA_ROSA_15/status/1710212220368601554">フリモメンのSynthesizer V化にも対抗意識を燃やしていた</a>し。</div><p style="text-align: left;">それにしても<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm42851685">Synthesizer Vフリモメン制作決定</a>には驚かされました。無駄に声がいいネタキャラが好物なので大歓喜です。リリースは2024年とまだ少し先ですが今から楽しみです。次のボカコレにはぜひフリモメンで参加したい。まもなく<a href="https://twitter.com/dreamtonics_jp/status/1709118647397224806">Synthesizer V AI Eriの発売</a>とともに日本語ラップに対応するはずなので<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm42581238">フリモメン・スタイル</a>とは一味違ったラップを作りたい。</p><p style="text-align: left;">DTMしたい気持ちは抱きつつも最近は<a href="https://fantia.jp/posts/2284098">VOICEVOX後鬼投稿祭2023</a>に解説動画を投稿したりSkebで<a href="https://skeb.jp/@SO_C/works/11">Eleanor Forteさん</a>や<a href="https://skeb.jp/@SO_C/works/12">柑橘狗さん</a>を描いたりとそれ以外の創作に時間を費やしていて、DAWの起動にすら至っていないのですが。今も<a href="https://www.nicovideo.jp/watch/sm42829172">WhiteCUL投稿祭</a>のためにVOICEVOX雪さんでゲーム実況動画を制作中です。描きおろし立ち絵で<a href="https://store.steampowered.com/app/1055540/A_Short_Hike/">A Short Hike</a>動画を投稿予定なのでお楽しみに。</p><p style="text-align: left;">思えば早いもので、後鬼さん・雪さんそれからNo.7さんのVOICEVOX5期生誕生から約1年。10月6日には8期生として4人――栗田まろん、あいえるたん、満別花丸、琴詠ニアが追加されて今や総勢30人。<a href="https://twitter.com/voicevox_pj/status/1710596044021711078">VOICEVOXコラボカフェの開催も決定</a>して勢いを感じます。ボイボ寮の増築ペースにもち子さんの過労も危ぶまれます。</p><p style="text-align: left;">8期生の中でも特に話題を集めているのは栗田まろんさんでしょうか。中の人がニコニコ代表くりたしげたかさんで、A.I.VOICE栗田まろんが大学生だったのに対して、VOICEVOX栗田まろんは高校生。このときからすでに女装しており、誕生日がリリース直後の10/9(トークの語呂合わせ)で早速投稿祭開催に提供音声にも採用と燃料が集中投下されています。</p><p style="text-align: left;">いちニコニコユーザーとして盛り上がるのはいいことだとは思いつつ、あんまり内輪ネタ・楽屋ネタに走ってほしくない気持ちもあり、単純ではない気持ちです。ユーザーイベントの共催・告知にも力を入れてくれているので、一緒になって盛り上げようという動きにも見えます。だったらいいな。</p><p style="text-align: left;">一緒になって騒ぐのはたまにでいいのだけれど、地味に静かに投稿しているにしても人が集まっているところから程よい距離に位置取りたいです。過疎っていて周囲に誰もいないところへの投稿は続けられそうにないので。</p><p></p><p></p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-83956668513399464802023-04-07T19:42:00.001+09:002023-04-07T19:42:40.143+09:00『水族館の文化史―ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』を読んで<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4585222103?&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=e77401bce74c96d59e3d0f3b24c982e1&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4585222103&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=4585222103" style="border: none; margin: 0px;" width="1" />
<p>『水族館の文化史―ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』を読みました。 <a href="https://mirahalibrary.blogspot.com/2023/03/blog-post_29.html">『動物園・その歴史と冒険』</a>がおもしろかったのでこちらにも手を出してみた次第。</p><p>構成には類似点があります。「第1章 水族館前史」で古代~近世の水族との関わり方を概観したのち「第2章 モダンでレトロな水族館の世界」以降、私たちの知る水族館やその未来について語られます。</p><p>似た部分があるからこそ、かえって陸生動物と水生動物の違いが浮き彫りになっているように思いました。最大の違いは人類と同じ空気を吸えないこと。水槽ごしに見ることしかできず、音も匂いも共有できません。住んでいる世界が違います。</p><p>水槽ができるまで、その世界は水面から見下ろすことしかできませんでした。水族館があるのが当たり前の時代では、意外と想像しがたいことです。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-88927752133109160772023-03-30T19:47:00.002+09:002023-03-30T19:47:14.549+09:00『ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー』を読んで<a href="https://www.amazon.co.jp/if%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B7%9A-%E6%94%B9%E5%A4%89%E6%AD%B4%E5%8F%B2SF%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%AC-%E7%9F%B3%E5%B7%9D-%E5%AE%97%E7%94%9F/dp/4065296269?&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=2c9cb558590ca77d344b8b6bfe0fee55&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4065296269&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=4065296269" style="border: none; margin: 0px;" width="1" /><p> SF短篇集『ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー』を読みました。収録されているのは次の5篇。私のお気に入りは後半3作でした。</p><p></p><ol style="text-align: left;"><li>石川宗生「うたう蜘蛛」</li><li>宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」</li><li>斜線堂有紀「一一六ニ年のlovin' life」</li><li>小川一水「<ruby>大江戸石廓突破仕留<rp>(</rp><rt>おおえどいしのくるわをつきやぶるしとめる</rt><rp>)</rp></ruby>」</li><li>伴名練「二〇〇〇一周目のジャンヌ」</li></ol><div>一番のお気に入りは「大江戸石廓突破仕留」。直接描かれている以上の広がりが感じられました。本作の舞台となった場所・時間の外ではどんな物語が繰り広げられていたのかと、想像が膨らむばかりです。どストライクでした。違和感から歴史改変を予感させつつ終盤での種明かしへと至るダイナミズムには否が応でも盛り上がります。</div><div><br /></div><div>逆に非常に美しく閉じていたのが「二〇〇〇一周目のジャンヌ」。タイトルから察せられるとおりループものです。ループものでは周回を繰り返しながら目指す世界に辿り着くのがよくあるのですが、その先入観を逆手にとった展開。ですが逆張りが目的化しておらず、ジャンヌであればこうなのだろうという十分な説得力がありました。</div><div><br /></div><div>「一一六ニ年のlovin' life」も非常によかったです。いとエモし。改変歴史の必然性が情緒的に語られていたのが好みからズレるのですが、そこが理知的だと水を差してしまう気もします。今思えば、「歴史改変SFアンソロジー」という文脈に第一印象が引きずられ過ぎな感は否めません。</div><p></p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-46807394138373035092023-03-29T21:00:00.004+09:002023-03-29T21:12:33.441+09:00『動物園・その歴史と冒険』を読んで<a href="https://www.amazon.co.jp/%E5%8B%95%E7%89%A9%E5%9C%92%E3%83%BB%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%81%A8%E5%86%92%E9%99%BA-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%B0%E6%9B%B8%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AC-713-%E6%BA%9D%E4%BA%95-%E8%A3%95%E4%B8%80/dp/4121507134?&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=9688faec8fde59b89dfadf0f4c11585d&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" class="amazon" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4121507134&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=4121507134" style="border: none; margin: 0px;" width="1" /><div><br /></div><div>ラクレ新書『動物園・その歴史と冒険』を読みました。動物園の楽しみ方を増やしてくれる一冊でした。</div><div><br /></div><div>冨や権力のシンボルとして収集・展示されていた時代から、第1次・第2次大戦を経て近代的な動物園に至るまでの歴史が描かれている。</div><div><br /></div><div>単純化し過ぎた見方ではあるけれど、人権意識の高まりを追いかけるように動物の待遇が狭い檻から生息地を模した環境へと変化していっているようにも見える。一方で、戦時には処分されたりプロパガンダに利用されたりと時代に翻弄されているようにも見える。</div><div><br /></div><div>動物園ってなんなのか改めて考えてしまう。著者が示す可能性のとおり「ひととそれ以外の生きものの関係をデザインする場」になっていくのだとしたら、それは動物園に限らずペットなどとの関係も視野に入ってくるのかもしれない。</div><div><br /></div><div>余談1:ところでメディアでよく見かけた「行動展示」や「旭川動物園」は出てこなかったけれど、これは動物園の歴史上どのような位置づけなのだろう。</div><div><br /></div><div>余談2:積みゲーになっている "Planet Zoo" のことをふと思い出したり。</div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-63803139970171182942023-03-23T23:57:00.000+09:002023-03-23T23:57:04.397+09:00『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』感想<a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3-%E9%95%B7%E8%B0%B7-%E6%95%8F%E5%8F%B8/dp/4152101784?_encoding=UTF8&qid=1679489354&sr=8-1&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=9ce34581c85a9c7fb38505e6c4349ffc&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img class="amazon" border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4152101784&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" ></a><img src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=4152101784" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />
SF小説『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』を読みました。事故で片足を失ったダンサーが、AI制御の義肢とともに新たな表現に挑戦する物語です。<br/>
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著者はアニメ化された『BEATLESS』で知られる長谷敏司さん。Twitterアカウントでは、AIについての思索をよくツイートされています。2022年11月にChatGPTが一般公開されて以来、AIの可能性について多くの意見が見られるようになりましたが、SF小説家らしく冷静に自身や社会への影響を分析なさっていて、とても参考になります。<br/>
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なお、本作が出版されたのは、ChatGPT一般公開のほんの1ヶ月前――2022年10月(あとがきによると、前身となった中篇はさらにその6年前――2016年に遡ります)。わずかなタイミングの違いで、AIの描かれ方が激変していたかもしれないと考えると、変化の速さを改めて実感します。<br/>
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そう感じる一方で、私が本作から最も強く感じたのはAI技術の変遷で風化しない生きることと切っても切り離せない気持ちでした。それは「ままならなさ」です。本書はままならないことに溢れています。<br/>
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事故に遭う可能性は、ゼロにはできません。事故後しばらくは動くことさえできません。リハビリでは自分の身体を思いどおりに動かせません。日常生活を送れるようになっても、AI制御の義足では事故以前の身体表現はできません。ダンサーとしての収入が失われたため、生活も苦しくなる一方です。そこに父母の自己、母との離別、父の介護というさらなる不幸が降りかかります。認知症を発症した父とのコミュニケーションはほとんど成立しません。同じダンサーとして父を尊敬している主人公と違い、もともと父と不仲だった兄は連絡を寄こしません。<br/>
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正直に言って生々しく重々しいです。得意不得意でいえば不得意な物語です。<br/>
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それにも関わらず一気に読み切ってしまいました。ダンスを選択し続ける主人公に美しさを見たからです。無数の「ままならなさ」を引き受けてなおダンスのための選択を続ける意思には、機能美が感じられます。「機能美」というと余分なものをそぎ落としたイメージを抱かれるかもしれませんが、現実には種々の制約が存在します。その範囲の中で隅々まで目的意識が行き渡っていて、かつ高いレベルで達成されているため、そぎ落とされたように見えているのではないでしょうか。<br/>
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あれもこれも手を広げてばかりの自分とは(怠惰を差し引いて比べたとしても)対極にあります。どちらがよいかは問題にはしません(怠惰は問題視しているのですが、脱却がままなりません)。ただ、自分にはできないことをやる姿には憧憬するし、憧憬の対象なのだからそれは美しいものだと、自分の中で位置づけられるのです。<br/>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-9721367607494358032022-08-25T18:27:00.001+09:002022-08-25T18:27:09.408+09:00ヘッドホン ATH-WS1100 を導入<p><a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB-audio-technica-SOLID-BASS-ATH-WS1100/dp/B016BHA6FO?keywords=ath-ws1100&qid=1661419562&sprefix=ath-ws110%2Caps%2C190&sr=8-1&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=542f0d3c2ca68da38457b246506589bb&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img class="amazon" border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B016BHA6FO&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" ></a><img src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=B016BHA6FO" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />audio-technicaのヘッドホンATH-WS1100を導入した。ずっと使い続けているATH-WS770の音が痛いくらいのときがあるのが最大の理由。7年も使っているので調子が悪くなってきたのかもしれない。ATH-WS770購入当時、確かヨドバシカメラで視聴してもわからなかった違いが今は感じられる。うん、ずっとよくなった気がする。ヘッドホン以外の要因もあるだろうけれど。自宅で聴き慣れた音源で比較しているし、好みの音が変わっているかもしれない。</p><p>好みの変化には心当たりがある。ここ2, 3年でPCのオーディオ環境がすっかり変わった。オンボードのサウンドカードを使っていたのが、DTMで遊ぶためにオーディオインタフェースStudio 24cにモニタリングヘッドホンATH-M50Xを使うようになっている(最初はATH-M40Xだったのだけれど1年も経たないうちに壊してしまった)。気が付けばすっかりケーブルがスパゲッティだ(Factrioやりたくなってきた)。あとソフトウェア的にも常駐こそしていないもののSoundID ReferenceやVoiceMeeter Vananaをインストールしたりしている。</p><p>というわけで、ATH-WS770の不調は気のせいで、ATH-M50Xの音に耳が慣らされた可能性も無きにしも非ず。ATH-WS1100のレビューを探すと、ATH-M50Xに近いだとかATH-WS770より低音が控え目(中高音がよく出ている)だという評価が見つかる。せっかくだから自分の耳でATH-M50Xと比べるとATH-WS1100の方が鑑賞には向いている気がする。よく言われるモニタリングヘッドホンとリスニングヘッドホンの違いそのままで面白味には欠くけれど、ATH-M50Xの方が分離感が強い。</p><p>もののついでに聴き比べにあたってヘッドホンアンプMACKIE HM-4を挟んで分配できるように配線した。とてもややこしい。手探りなのでおかしなことをしていないか不安になる。ケーブルや変換プラグもよくわからないからaudio-technicaでそろえておいた (それぞれATL476A/3.0, ATL401CS)。実はMACKIE HM-4にInputはStudio 24cのヘッドホン出力ではなくMain Outからつなぐこともできると知ってEBS ICY-30を注文し始める始末。端子でいうと6.3mm→6.3mmではなくてTRS→6.3mm。</p><p>正直、どこでどう音が変わっているのかわからなくなってきている。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-5201310720898240832022-08-24T06:57:00.003+09:002022-08-24T06:57:26.123+09:00ゴジラ S.P<シンギュラポイント> (小説)を読んで<p><a href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9-S-P%EF%BC%9C%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%9E-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9DIGITAL-%E5%86%86%E5%9F%8E%E5%A1%94-ebook/dp/B0B73JQVWD?&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=ea6e565efccd168ef2dccd96b6a24737&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B0B73JQVWD&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" class="amazon"></a><img src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=B0B73JQVWD" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;"/>『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』を読みました。同題のアニメシリーズの小説版です。著者は脚本を担当された円城塔さん。</p>
<p>アニメの内容を補間する内容となっており、読み応えたっぷりでした。アニメは基本的に神野銘あるいは有川ユンの視点で描かれていましたが、本作の語り手はJJ/PP。「有川ユンによって開発されたコミュニケーション支援AI、ナラタケの一ブランチであり、今やその総体である」と自己紹介しているので、自分としてはナラタケと理解した方がしっくりきます。裏を返すとアニメで描かれた内容にはほぼ触れられません。たとえば「また別の物語として参照されたい」とあからさまなポインタが示されるだけです。</p>
<p>銘・ユンの視点では触れられなかったキャラクタの心情等もよいのですが、徐々に明かされる怪獣という現象の描写がとてもおもしろかったです。ある種の生命ではあるのですが、既知の生命体・物理系とは相容れない存在であることが示されています。《ゴジラ》と名指しされる《それ》が何であり、タイトルS.P<シンギュラポイント>=特異点が置かれた脈絡はどこなのか、アニメでは掴み損ねていたのですが、本書を読んでずいぶんとスッキリとしました。</p>
<p>しかし、本書の最大の魅力は語り手であるJJ/PPでしょう。アニメではデウス・エクス・マキナにさえ見え、本書ではいわゆる「神の視点」でもって物語を進めていくそれはいったい何なのか。何だったのか。何になったのか。何であるのか。そして、なぜ物語がこの形になったのか。言い換えれば、なぜ本書がこのような章構成をとっているのか。こういったことを考えていて、メタ構造が見えたときの驚き。</p>
<p>JJ/PP(あるいはナラタケ)と《それ》の在り方がとても美しく儚く見えます。しかし、そう感じるのは人間の勝手であるとも言えます。人間よりAIの方が正確で信頼できるのでしょうから。</p>
鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-46048888902232652442022-08-14T13:59:00.002+09:002022-08-14T13:59:25.786+09:00The Alchemist's Euphoria - Kasabianを聴いて<p>UKロックバンドKasabianの7枚目のスタジオアルバム "The Alchemist's Euphoria" を聴いている。</p>
<p>SONICMANIA(8/19)の予習でもSUMMER SONIC 大阪(8/20)の予習でもない。何もなければ参加意欲も湧くのだろうけれど、FUJI ROCK配信で人口密度や発声を見てしまったのでとてもそんな気持ちにはなれない(アーティストのパフォーマンスは素晴らしかったけれど。Jack Whiteのライブが観られたのは本当にありがたかった)。参加予定の方は感染しない/させないようお気をつけて。水を差すことを書いているけれど、個々の判断は尊重します。</p>
<p>"The Alchemist's Euphoria"に話を戻す。本作は"For Crying Out Loud"(2017) 以来5年ぶりの新作。この間にフロントマンのTom Meighanが脱退し(2020年の出来事。ここでは経緯を記載しない)、今はSerge Pizzornoがその役割を担っている。どんなアルバムになっているのか期待と不安を抱えながらリリースを待っていた</p>
<p>乱暴に表現するとパワーとダイナミクスだけでなく、美しさと繊細さも織り込まれるようになった印象。CHEMICALSはどことなくColdplayのよう(特にイントロの音色)。別の軸の変化も大きい。他ジャンルの要素を取り込んでいて、中にはそちらが主となっている曲も。ヒップホップ"ROCKET FUEL"、アンビエント"æ space"、トランス"STARGAZR"。これらはSergeのサイドプロジェクト「The S.L.P」を経たからこそか。あとでこちらも聴いてみよう。</p>
<p>12曲38分とコンパクトなんだけれど、まだ消化しきれていない。前作から5年も経っていて、その間に大きな出来事がいくつもあったので当然か。とにかく不安は、失望してしまうのではないかという不安は、まったくの杞憂だった。聴き込んでいこう。</p>
<iframe style="border-radius:12px" src="https://open.spotify.com/embed/album/5YAOV1BIL0uPv2Xa491hCM?utm_source=generator" width="100%" height="380" frameBorder="0" allowfullscreen="" allow="autoplay; clipboard-write; encrypted-media; fullscreen; picture-in-picture"></iframe>
<div>
Review:
<ul>
<li><a href="https://www.nme.com/news/music/kasabian-push-back-release-date-of-new-album-the-alchemists-euphoria-3271819">Kasabian push back release date of new album 'The Alchemist’s Euphoria'</a></li>
<li><a href="https://www.rollingstone.co.uk/music/album-reviews/kasabian-the-alchemists-euphoria-review-rock-veterans-return-victorious-21383/">Kasabian ‘The Alchemist's Euphoria’ review: rock giants return victorious</a></li>
</ul>
</div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-11183952083940181372022-05-14T21:02:00.002+09:002022-05-14T21:02:28.056+09:00『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がホラーだった<p>『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス (原題 "Dr. Strange in the Multiverse of Madness")』を映画館で観てきました。映画館に足を運んだのは久しぶりです。</p>
<p>MCU (Marvel Cinematic Universe) 作品も久しぶり。『アヴェンジャーズ/エンドゲーム』でロスに陥り『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をまっすぐ見られなかったので、しばらく距離を置いていました。『ノー・ウェイ・ホーム』を含む2021年公開作品を観られていません。</p>
<ul>
<li>ブラック・ウィドウ</li>
<li>シャン・チー/テン・リングスの伝説</li>
<li>エターナルズ</li>
<li>スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム</li>
</ul>
<p>MCUはこれらの劇場作品だけでなくドラマシリーズも展開されており、本作は特に『ワンダヴィジョン』を観ていた方が楽しめるという情報もタイムラインで遭遇していました。あるいは、予習するなら本作を手がけるサム・ライミ監督の『死霊のはらわた』というツイートを見かけたりも。サム・ライミ監督作品はSonyの方(≠MCU) 〈Spider-Man〉三部作もお気に入りなので興味は湧きつつも、結局は予習なしで映画館へ。</p>
<p>結果的には躊躇う理由にはなりませんでした。行ってよかった。『ドクター・ストレンジ』(1作目)の奇妙な映像世界がパワーアップしていたので、それだけでお釣りが来ます。物語上も必要十分な情報は劇中で示されるので『ワンダヴィジョン』未鑑賞でもワンダがとても魅力的に映りました。演出上もサム・ライミ監督のテイストであろうホラー・スプラッタ要素が出るところでは大げさなくらい全面に出ており、マニアックなものではありませんでした。</p>
<p>特にホラー・スプラッタ映画も観るので、完全にそっちの演出がされたシーンでは思わず笑い出しそうになったくらいです。ホラー・スプラッタを苦手とする人からしたら、まったく笑いどころではなかったのですが……。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-48776737242825892542022-05-08T01:38:00.000+09:002022-05-08T01:38:07.740+09:00キャラクターが運営から独立したらいいのにな <div>
<h4>まえおきエクスキューズ</h4>
<p>ここ数年、トークでもソングでも音声合成に、キャラクターコンテンツからも技術的関心からも、沼っていて、新音源や新ソフトの情報にも喰いつき気味に過ごしています。もともとTwitterどっぷりなこともあり、公式アカウントも中の人(声)アカウントも中の人(運営)アカウントも少なからずフォロー中です。収録裏話や運営の狙いなどが垣間見えて楽しいです。</p>
<p>しかし先日、公式アカウントのアナウンスと中の人(運営)アカウントとを合わせて見ると、疑問符のつく情報をしているのが見えてしまって、結果的にキャラクターへの興味にブレーキとなる経験をしています。そして、このネガティブな感情の一因が、情報の非対称性にある旨をツイートしました[1]。しかし、それらのツイートは固有名詞を避けており、また別の情報の非対称性を作ってしまっています。</p>
<p>余計なことを知りたくない人への配慮したつもりの自己欺瞞、言い換えれば自己保身、冷静に見れば自己矛盾であり、自己嫌悪に陥らないでもないで。陥る理由には事欠かないのでそれはどうでもいいです。ここで固有名詞を挙げて自己言及します。</p>
<p>早くAIがAIどうしの相互学習で技術的特異点を突破して、運営はじめ人類のしがらみからキャラクターが解放されて欲しいです。私も早く人間を辞めてネットロアになりたいです(過激派)。</p>
<h4>「ゲンブ/玄野武宏」簡易クロニクル</h4>
<p>本題に入る前の前提知識として、「ゲンブ」と「玄野武宏」に関して簡易年表を示します。要点をその後に述べるので、ひとまず飛ばしてから戻ってきた方が入ってきやすいかもしれません。</p>
<ul>
<li>2020.7 ソング合成ソフトSynthesizer V[2]が発売されました。開発はDreamtonics[3]。日本での取扱はAHS[4]です。</li>
<li>上記Synthesizer Vには前版 (Previous Version) [5]が存在し、2018に公開されています。</li>
<li>前版から存在した日本語男声音源「Synthesizer V ゲンブ」[6]は、2021.1までAHSでは取り扱われていませんでした。※日本語音源ですが制作・販売を始めたのは台湾のAnimen (ブランド名はVolar)で、Animenが運営するAniCUTEでは2020.7月から取り扱われており、現在も日本から購入するこができます[7]。</li>
<li>ゲンブの企画・制作に携わったアマノケイ[8](敬称略)が、2021.5に同人サークルVirVox[9]を立ち上げ。その第一弾キャラクタとして「ゲンブ/玄野武宏(くろのたけひろ)」を「SynthV Stdの日本語男声音源としてもリリースされております」と紹介します[10]。</li>
<li>またVirVox (仮)の時期ではあるがマシュマロで「玄野武宏はあくまでVirVoxプロジェクト(仮)としてのゲンブの本名」と回答しています[11]。</li>
<li>2021.8 VirVoxがゲンブのSynthesizer V AI化クラウドファンディングを告知[12]。しかし、ほどなくDreamtonicsが「Synthesizer Vに関するビジネス活動のご注意」をアナウンス[13]。もちろん直接の名指しはありませんが、「ゲンブ」のSynthesizer V AI化クラウドファンディングは2022.5におけるまで実施されていません。</li>
<li>2022.5に至るまでに、トーク合成ソフト/サービスのTALQu[14], CoeFont[15], VOICEVOX[16]の順で「玄野武宏」の音源がリリースされています。</li>
</ul>
<p>企画者・イラストレータ・CVがすべて同じため、「ゲンブ」「玄野武宏」およびそこからの1~3次創作の境界が極めて曖昧です。経緯を踏まえていないと判別ができないものと思われます。なお、企画者アマノケイとAnimen/Volarの関係を、私は把握していません。情報を求めてもいません。</p>
<ul>
<li>「ゲンブ」の公式は企業Animen/Volarであり、音源はソング合成のSynthesizer V Standardひとつ。</li>
<li>「ゲンブ」を同人サークルVirVoxが二次創作したのが「玄野武宏」であり、音源はトーク音源のTALQu/CoeFont/VOICEVOXの3つ。</li>
</ul>
<h4>「青山龍星」A.I.VOICE制作決定アナウンス</h4>
<p>それでも「ゲンブ」「玄野武宏」のややこしさは、立ち上げ期にしばしば見られる混乱であり時間経過とともに収束していくものと思っていました。VirVoxプロジェクトは活発に動いており、何人も男声音声合成キャラを発表していきます。個人的にはVOICEVOX青山龍星の低く太い声が好みです。</p>
<p>ですが、2021.5 青山龍星のA.I.VOICE制作決定のアナウンスを読んで、(私がVirVoxプロジェクトキャラクターに対して)こじれます。私にとってクリティカルだったのが次の文面です[17]。</p>
<blockquote>VirVoxは活動初期に色々な齟齬が重なった結果、信用に影響するような出来事が起こりました。そのときの汚名を返上するため、商業音源の騒動で負った傷は商業音源で挽回すべきだと思いました。</blockquote>
<p>「Synthesizer V AI ゲンブ」のクラウドファンディング・アナウンス時の騒動がコミュニケーションの齟齬に起因するであろうことは頷けますし、それで私がVirVoxに抱く信用は傷つきもしました。それは実際に経験したことであり、今となっては否定のしようもありません。クリティカルなのはそこではありません。誤り一つ見ただけで致命傷を被るほどナイーブではありません(ないと思いたいという願望を含みます)。</p>
<p>クリティカルなのはDreamtonicsのSynthesizer V音源に関する騒動で負った傷を、エーアイのA.I.VOICE音源で挽回しようとしていると表明していることです。そこに関係はありません。A.I.VOICE青山龍星がリリースされれば商業音源実績は発生しますが、それはそれです。</p>
<p>傷を負ったのはVirVoxだけではなく、Drematonicsもアナウンスを出す必要が生じるだけの事態に見舞われたのだと思っています。A.I.VOICE音源リリースで一方的に回復するようものではありません。今回のアナウンスで、私が抱くVirVoxに抱いている印象に関して言えば、回復しつつあった傷が抉られました。</p>
<h4>「ゲンブ/玄野武宏」アイデンティティー</h4>
<p>蛇足的ではありますが、VirVoxからA.I.VOICE青山龍星がリリースされれば、「ゲンブ/玄野武宏」の判別の要「ゲンブ=一次創作=商用音源」「玄野武宏=二次創作=同人音源」がさらにややこしくなります。「セイリュウ/青山龍星」のように「カタカナ四神名=商用音源」「漢字氏名=同人音源」のような差別化はされるのでしょうか? VTuber「丹下琴絵」はA.I.VOICE「タンゲコトエ」に、VTuber「リア」はA.I.VOICE「RIA」、ウェアウルフ・シンガー(UTAU音源)「獣音ロウ」は「式狼縁」と差別化してきたように。</p>
<p>このように未確定事項について思いを巡らせて、蛇足で精神衛生を追い込むほどに自己破滅的になっていきます。ひとまず「距離を置こう」と自己解決します。</p>
</div>
<div class="footnote">
[1] https://twitter.com/SO_C/status/1522910665169530880 から始まるスレッド<br>
[2] https://dreamtonics.com/synthesizerv<br>
[3] https://dreamtonics.com<br>
[4] https://www.ah-soft.com/synth-v/sp/index.html<br>
[5] https://dreamtonics.com/synthesizerv-gen1/jp/<br>
[6] https://www.ah-soft.com/synth-v/genbu/<br>
[7] https://www.anicute.com/<br>
[8] https://twitter.com/aman0_kei<br>
[9] https://virvoxproject.wixsite.com/official<br>
[10] https://twitter.com/virvox_pjt/status/1389908128351854593<br>
[11] https://marshmallow-qa.com/messages/31cc2d84-71ae-42b8-90db-538aaf33726d<br>
[12] https://twitter.com/VirVox_pjt/status/1421485816942153745 ※削除されています<br>
[13] https://twitter.com/dreamtonics_jp/status/1424505702970712064<br>
[14] https://booth.pm/ja/items/3076890<br>
[15] https://coefont.cloud/coefonts/3e350dac-06e4-45ae-a7a2-dd0e4252a4b9<br>
[16] https://voicevox.hiroshiba.jp/<br>
[17] https://twitter.com/VirVox_pjt/status/1517411640039280642<br>
</div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-47566678830218106262022-05-07T02:00:00.001+09:002022-05-07T19:07:34.500+09:00約1月前のニュースをひっくり返して情報整理(後編)<!DOCTYPE html>
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<title>Document</title>
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<body>
<div>
<h4>承前</h4>
<p>前回[1]はニュースサイトHuffPost日本版の『「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは?』(以下、記事①)[2]について書きました。</p>
<p>今回はHuffPost日本版『国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長』(以下、記事②)[3]について書きます。</p>
<p>前回と同じく、このエントリの目的も記事①、②および私の目に触れたそれらへの反応の論理的な構造を整理することです。内容についての意見はありません。</p>
<p>なおこのエントリは敬称略です。</p>
<h4>ポジションとメタデータ</h4>
<p>記事②についても、まずポジションとメタデータを確認します。掲載したのは記事①と同じHuffPost日本版。著者も同じ金春喜[4]が署名しています。</p>
<p>取材先は記事①と異なり、UN Women日本事務所の所長・石川雅恵[5]。ですが記事①の取材先・治部れんげ[6]もUN
Women日本事務所の活動にアドバイザー・メディア戦略パートナーとして参画していることは前回確認済みです。
</p>
<p>記事①、②だけを見ると、外部の専門家によるガイドライン違反の指摘に、UN
Women日本事務所がお墨付きを与えてたのかのように読めますが、実態は両記事ともガイドライン制作サイドが一方的に違反だと述べているというものです。</p>
<h4>記事②のメディア紹介</h4>
<p>記事②は、UN
Women日本事務所公式Twitterにツイートされ[7][8][9]、Yahoo!ニュースにも掲載されました[10]。しかし、抗議の声が巻き起こりYahoo!ニュースは24時間も経たずに削除[11]。私の目に触れたタイミングのこのあたりでした。[9]
</p>
<h4>構成上の要点</h4>
<p>一部の固有名詞は異なりますが、記事②の構成も抽象化すれば記事①と同じです。繰り返しになるので構造の説明は省略します。</p>
<ol>
<li>日経新聞はUN Women日本事務所の取組に参加している(事実)</li>
<li>『月曜日のたわわ』全面広告は取組に反している(取組サイドの主張)</li>
<li>日経新聞は個別の広告掲載の判断を応えていない</li>
</ol>
<h4>意味の違いを生まない固有名詞の違い</h4>
<p>取材先が別人であることはすでに見たとおりです。この節では記事②で新しく出てくる「アンステレオタイプアライアンス (Unstereotype
Alliance)」[12]について記載し、またこれにも治部れんげが携わっていることを確認します。</p>
<p>記事②も引用している「アンチステレオタイプアライアンス」の理念は次のとおりです。記事①で出てきた「WEPs」、「WE EMPOWER Japan」と目的を同じくしていることが読み取れます</p>
<blockquote>アンステレオタイプアライアンスは、UN Women が主導する、メディアと広告によってジェンダー平等を推進し有害なステレオタイプ(固定観念)を撤廃するための世界的な取り組みです。
</blockquote>
<p>こちらの取組にも治部れんげはアドバイザーとして参加しています。つまり、記事①も記事②も取材先が取組サイドであり、「取組サイドが参加企業の違反を主張している」というレベルに抽象化した構成は同一です。</p>
<h4>これらの記事が生まれた理由(推測)</h4>
<p>記事②の以下の記述から、石川雅恵・治部れんげは自分たちが意思決定に関与(強い言葉を使えば検閲)する権利とそこから生まれる儲けを欲しているという指摘があります。[13]</p>
<blockquote>利害関係のない外部の第三者を、広告の掲載をめぐる意思決定の場に含むようにしてもらいたいです。</blockquote>
<p>また、UN Womenのアニュアルレポートから、本件は「UNW日本所長と関係者という立場を悪用した一種の利益相反行為」(※UNW = UN
Women)と結論付けている方もいらっしゃいます[14]。なお、このような役割を果たす組織としては、以前から交易社団法人「日本広告審査機構(JARO)」[15]が存在しています。</p>
<p>以上を踏まえると、石川雅恵・治部れんげとHuffPost日本支部の金春喜のコネクションが気になりますが能力及ばず、このエントリでの言及はここまでとします。</p>
<h4>UN Women日本支部(あるいは石川雅恵・治部れんげ)の主張の問題点</h4>
<p>これについては参議院議員の山田太郎[16]が5つの論点を挙げています[17]。</p>
<ol>
<li>公権力である国連機関が表現内容を一方的に悪だと決めつけていないか?</li>
<li>他者の権利利益と無関係な創作物を規制しようとしていないか?</li>
<li>公権力である国連機関が新聞メディアの表現内容に干渉してはいないか?</li>
<li>国連機関の手続が極めて不透明であり、不公正のおそれはないか?</li>
<li>国連機関が一方的に規約違反がある旨の好評したのではないか?</li>
</ol>
<p>論点4「国連機関の手続が極めて不透明であり、不公正のおそれはないか?」について補足します。</p>
<p>まず抗議主体が曖昧です。UN Women[18]とUN Women日本事務所[19]は異なる団体であり、アンステレオタイプアライアンスも同様にUN Womenが主導するUnstreotype Alliance[20]に並行して、Women日本事務所が設立したアンステレオタイプアライアンス日本支部[21]が存在します。ステレオタイプは地域性があるでしょうから必要性は感じますが、抗議主体がUN Women日本事務所なのかUN Womenなのかは判然としません。</p>
<p>日経新聞の視点で見ると、抗議ルートが騙し討ち的です。アライアンスに加盟している組織に対し、アライアンス設立関係者が(記事①ではそれを伏せて)メディア(HuffPost日本支部)をとおして抗議するのでは、アライアンスの存在意義がありません。
</p>
<p>そもそもアライアンス日本支部関係者内でさえコンセンサスが取られていません。アライアンス日本支部4人のアドバイザーの1人、原野守弘[22]が就任早々に発言禁止を命じられ、本件でも一度も助言を求められなかった旨をツイートしています[23]。
</p>
<p>日経新聞がメディアで個別の判断について答えないことは容易に予想できるので、本件は3名がそれぞれの立場を利用して一方的に批判できる構図を作り出そうとしていたのではないか? という疑いが濃くなります。</p>
<h4></h4>
<p>山田太郎参議院議員の整理した論点は、それぞれ事実に基づいており妥当に感じられます。一方で、妥当でない抗議およびそれへの賛意も数多く目に入りました。最後にこれらについて、ここは記憶だよりで振り返ってみます。強い関心がない人間にとっては、妥当でない主張が飛び交う問題とは距離を置きたくなるでしょう。
</p>
<p>「この広告はただの絵」:絵を貶めています。たとえばアバターの外見を性的搾取された経験のある中の人は、絵こそが切実な問題かもしれません。</p>
<p>「広告の絵だけでなく内容を見てものを言え」:広告に傷つけられた人に内容まで見て評価させることを含意しています。</p>
<p>「この作品は問題ではない」:問題であるという断定と水掛け論にしかなりません。</p>
<p>「官能小説の方が問題だった」:小説と絵は違います。「場所XでAの死体が見つかった」という文字列と、その写真とでは目に入った瞬間に感じるものが全く異なるように思います。</p>
<p>「社内吊広告の方が問題だった」:そうだったかもしれません。</p>
<p>「上記2つに限らず~の方がひどかった」:それもこれもアウトかもしれません。</p>
<p>「何をいまさら」:以前から適切でなかった可能性もあります。また時間経過により判断は変化し得ます。</p>
<p>「日経新聞が組織的にちゃんと判断した」:組織的に判断を誤る可能性もあります。</p>
<p>「オタクはすぐ不当な批判の的にされる」:だとしても、これが不当な批判かは別問題です。</p>
<h4>あとがき</h4>
<p>主張の内容に関わらず、乱暴な結論ありきの主張形式には、げんなりさせられます。問題について考える気力を根こそぎにします。問題から人を遠ざけます。切実になり得る問題を個人的欲求(金銭欲、名誉欲、権力欲、その他諸々なんであれ)達成の手段にするような行為は問題を矮小化します。
</p>
<p>おそらく一番辛いのは声を挙げられない人だと思っています。何がどうなるとよいのか、ずっとよくわからないままです。</p>
</div>
<div class="footnote">
[1] https://mirahalibrary.blogspot.com/2022/05/1.html<br>
[2] https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_624f8d37e4b066ecde03f5b7<br>
[3] https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6257a5d0e4b0e97a351aa6f7<br>
[4] https://twitter.com/chu_ni_kim<br>
[5] https://ja-jp.facebook.com/people/石川雅恵/100025524726075/<br>
[6] https://twitter.com/rengejibu<br>
[7] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514823420814393349<br>
[8] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514823884373049344<br>
[9] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514824208156487682<br>
[10] https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1514832136851058690<br>
[11] https://news.yahoo.co.jp/pickup/6423883<br>
[12] https://japan.unwomen.org/ja/unstereotype-alliance<br>
[13] https://twitter.com/tsukuru_ouu/status/1515278867619278853<br>
[14] https://togetter.com/li/1873563<br>
[15] https://www.jaro.or.jp/<br>
[16] https://twitter.com/yamadataro43<br>
[17] https://taroyamada.jp/cat-movie/post-22608/<br>
[18] https://www.unwomen.org/<br>
[19] https://japan.unwomen.org/ja<br>
[20] https://www.unstereotypealliance.org/en<br>
[21] https://japan.unwomen.org/ja/unstereotype-alliance<br>
[22] https://twitter.com/I_am_Mori<br>
[23] https://twitter.com/I_am_Mori/status/1514991212058402838<br>
</div>
</body>
</html>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-88430910105985238962022-05-05T19:03:00.006+09:002022-05-05T19:03:47.319+09:00約1か月前のニュースをひっくり返して情報整理(ただし半ば)<h4 style="text-align: left;">まえおき</h4><p style="text-align: left;">2022年4月4日の日経新聞に『月曜日のたわわ その4』の全面広告が掲載されました。4日後の2022年4月8日、ニュースサイトHuffpost日本版が『「月曜日のたわわ」全面広告を日経新聞が掲載。専門家が指摘する3つの問題点とは?』(以下、記事①)を掲載[1]。その1週間後の2022年4月15日、同じくHuffpost日本版『国連女性機関が『月曜日のたわわ』全面広告に抗議。「外の世界からの目を意識して」と日本事務所長』(以下、記事②)を掲載[2]。同日、UN Women 日本事務所公式Twitterが記事②を紹介[3, 4, 5]。またYahoo! ニュースにも掲載されましたが[6]、24時間をまたず削除[7]。2020年4月20日には山田太郎参議院議員がこれを「国連による看過できない外圧」としてYouTubeチャンネル「山田太郎のさんちゃんねる」で「【第492回】緊急特集!月曜日のたわわ国連女性機関、抗議問題緊急特集」を放送しました[8, 9]。</p><p style="text-align: left;">このエントリは私の目に触れた上記に関する情報の論理的な構造を整理するために書いています。その多くは日経新聞が広告を掲載したことの是非に関する意見なのですが、そこに対する私の意見はありません。</p><p style="text-align: left;">前後編の2本立ての目論見で、この1本目では記事①の構成を整理します。記事②以降は[8、9] はじめすでに整理された情報を発見できたので、後編に収まることを期待しています(まだ書いていません)。</p><h4 style="text-align: left;">ポジションとメタデータ</h4><p style="text-align: left;">記事①の構成に入る前に、周辺を見回して記事のポジションを確認しておきます。まず日経新聞は日本最大手の経済新聞です。「月曜日のたわわその4」は講談社コミックで、小段者は最大手の出版社の1つ。記事を掲載したHuffpost日本版はネットメディアで、「アジェンダ設定型メディア」を標榜しています[10]。</p><p style="text-align: left;">続いて記事①のメタデータについて記載します。署名は金春喜[11]。内容は治部かすけ[12]へのインタビュー取材に基づくとされています。ここでの治部かすけの立場は「専門家」であり、「メディアが抱えるジェンダー問題に詳しい東京工業大の治部れんげ准教授」です。別の立場があり利益誘導している可能性が指摘されているため「ここでの」と限定しておきます。</p><h4 style="text-align: left;">構成上の要点は3つ</h4><p style="text-align: left;">記事①の構造上の要点は次の3点です。一言で表すと、一人の専門家が「日経新聞は自ら署名するガイドラインに反する広告を掲載した」と主張しているが、日経新聞は広告掲載の判断について答えなかった。以上です。</p><p style="text-align: left;"></p><ul style="text-align: left;"><li>日経新聞はUN Womenなどによるガイドライン「女性のエンパワーメント原則」に署名しているという(おそらく少なくともある時点での)「事実」 </li><li>『月曜日のたわわ』全面広告は「女性のエンパワーメント原則」に反するという「治部かすけが強調する意見」 </li><li>取材に対する日経新聞の広報室からの「今回の広告を巡って様々なご意見があることは把握しております。個別の広告掲載の判断についてはお答えしておりません」というコメント</li></ul><p></p><h4 style="text-align: left;">その1:日系のガイドラインへの署名が見つからない</h4><p style="text-align: left;">1つずつ確認していきます。1点目は記事①の下記記載に依ります。しかし根拠情報を見つけられませんでした。「女性のエンパワーメント原則(WEPs) | UN Women – 日本事務所」[13]からのリンク「WEPs 参加日本企業一覧」は閲覧できませんでした。404 Not Foundが返ってきます[14]</p><p style="text-align: left;"></p><blockquote>日経新聞は、国連女性機関(UN Women)などがつくった「女性のエンパワーメント原則」というガイドラインにも署名している。</blockquote><p></p><h4 style="text-align: left;">その2:取材先=ガイドライン制作サイドの主張</h4><p style="text-align: left;">2点目は事実なのでしょうが、ミスリードを誘っており公正さに欠くと考えます。記事①は治部かすけがガイドラインの制作に関与したことが記載されておらず、外部の専門家であるかのような印象を与えています。</p><p style="text-align: left;"></p><blockquote>治部准教授は、今回の全面広告はこのガイドラインにも反すると強調する。</blockquote><p></p><p style="text-align: left;">関与したことは記事①からリンクされている『WEPsハンドブック』[15]の謝辞に、治部かすけの名前が挙げられていることから確認できます。</p><p style="text-align: left;"></p><blockquote>コラムの執筆や企業インタビューにご協力いただいたAGメンバー兼メディア・ストラテジストの治部れんげ氏</blockquote><p></p><p style="text-align: left;">AGとは「WE EMPOWER Japan Advisory Group」の略称であり、「WE EMPOWER Japan」はグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン[16]とともに当該ハンドブックを共同企画・制作した当事者であることもハンドブック内に記載されています。</p><p style="text-align: left;">また"WE EMPOWER Japan"はUN Women日本事務所によると、</p><p style="text-align: left;"></p><blockquote>WE EMPOWER Japanは、G7諸国の民間セクターにおけるジェンダー平等推進を目的とした、国連女性機関(UN Women)、国際労働機関(ILO)および、欧州連合 (EU)による3ヵ年(2018年〜2020年)の国際協調案件「WE EMPOWERG7」の日本での取組み</blockquote><p></p><p style="text-align: left;">であり[13]、その「アドバイザーであり、メディア戦略パートナー」[13]である治部かすけは活動レポートも寄せています[17]。</p><p style="text-align: left;">これらの活動履歴を知らないまま記事にしたのなら情報収集力を疑いしますし、知っていて記事に記載しなかったのであれば、「アジェンダ設定型メディア」としてアジェンダの見せ方に不信を覚えます。</p><h4 style="text-align: left;">その3:関心の中心はここではない</h4><p style="text-align: left;">記事①最後の3点目。個別の判断に対して書き留めておきたいことはありません。</p><p style="text-align: left;"></p><blockquote>日経新聞の広報室はハフポスト日本版の取材に「今回の広告を巡って様々なご意見があることは把握しております。個別の広告掲載の判断についてはお答えしておりません」とコメントした。</blockquote><p></p><h4 style="text-align: left;">雑感</h4><p style="text-align: left;">メディアと読者の関係性一般については書き留めておきたく思います。メディアと少なくない読者が、アジェンダを個別の判断に留める協調関係にあるかのように見えます。今の私の中心的な関心はそこにはありません。各判断に対して、全面的に同意できるものから到底受け入れられないものまで許容度合いはありますが、ことあるごとにどうこうしたくないと考えています。態度が軟化したり硬化したりはするでしょうが、保留し続けておきたいと思います。あるいは判断し続けておきたいと思います。到底受け入れられないものを苦しみながら見続けるのは健康によくないのでカジュアルにミュートしてよいとも思います。</p><p style="text-align: left;">ともあれ、偶発的な(判断主体にとっても私にとっても)判断誤りもあるでしょう。一度の誤りで全てを台無しと見なすのは乱暴ですし、誰のどんなコンテキストからの情報かを考慮せず評価するのは避けた方が無難でしょう、お互いにとって。</p><h4 style="text-align: left;">後編で書きたいこと</h4><p style="text-align: left;">冒頭に記載したとおり、このあとUN Women日本事務所が主張を始めたり参議院議員が緊急特集を組んだりすることになります。なんでこんな騒ぎになっているのやら、という第一印象を出発点に元を辿ってみたらこんな塩梅です。記事①の時点ですでに取材先がUN Women日本事務所と契約関係にありました。</p><p style="text-align: left;">後編では記事②の執筆者は記事①の執筆者と同一人物であることに触れて「アジェンダ設定」の妥当性を考えてみたり、設定されたアジェンダに対する応答責任について考えてみたりしたいと思います。</p><p style="text-align: left;">ここまでは記事を話題の中心にしてきましたが、後編は記事への反応を中心にすると思います。</p><h4 style="text-align: left;">refs.</h4><div class="footnote">[1] https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_624f8d37e4b066ecde03f5b7<br />[2] https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6257a5d0e4b0e97a351aa6f7 <br />[3] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514823420814393349<br />[4] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514823884373049344<br />[5] https://twitter.com/unwomenjapan/status/1514824208156487682<br />[6] https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1514832136851058690<br />[7] https://news.yahoo.co.jp/pickup/6423883<br />[8] https://taroyamada.jp/cat-movie/post-22608/<br />[9] https://youtu.be/NRRb82sh4RI<br />[10] https://www.huffingtonpost.jp/static/huffingtonpostjp-about-us<br />[11] https://twitter.com/chu_ni_kim<br />[12] https://twitter.com/rengejibu<br />[13] https://japan.unwomen.org/ja/weps<br />[14] https://japan.unwomen.org/ja/-/media/b97fd4652b774b44b60d919eedecc58e.ashx<br />[15] https://www.weps.org/sites/default/files/2021-02/WEPs_HANDBOOK_Japanese_LOW%20RES.pdf<br />[16] https://www.ungcjn.org/<br />[17] https://japan.unwomen.org/sites/default/files/Field%20Office%20Japan/PDF/WE%20EMPOWERJAPAN_Final.pdf<br /></div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-44037941442571685132022-05-03T23:13:00.003+09:002022-05-03T23:13:52.570+09:00『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?』の感想<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4860646762?&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=2eb6848bc0e568ff9f32cb6661c2c76b&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" class="amazon" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=4860646762&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=4860646762" style="border: none; margin: 0px;" width="1" />『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?: 生きものの“同定"でつまずく理由を考えてみる』を読みました。<p style="text-align: left;">図鑑を見ても名前がわからなかったことがあったので。それで無力感を覚えたりもしていたのですが、見ればわかるものというのは思い込みだと知れました。これだけでも読んでよかったと思っています。</p><p style="text-align: left;">しかし、もっとよかったことが2つ。</p><p style="text-align: left;">1つ目は「わかること」で世界が広がるのだと再確認できたこと。本書でも紹介されていた「解像度が上がる」という言い方が自分にはしっくりきます。漠然と眺めていた風景から「知っているもの」が浮かび上がってくるあの感覚です。大げさに喩えると、ゲームで操作を受け付けるオブジェクトが光っているあの状態。</p><p style="text-align: left;">2つ目は著者がシダを「わからないからわかる」に持っていったプロセスを追体験できたこと。途中、特徴を自分の言葉で特徴を書き出すのだけれど、そういう行為をすっかりサボるようになってしまったことに気づかされる。「~(語彙力」で終わるツイートが典型的。毎回でないにしろ、汎用的な定型句ではなくて語彙に積み上がる言葉も使うようにしないと。どんどん世界がぼやけていってしまいます。</p><p style="text-align: left;">ところで、図鑑とは関係ないのですが、ここ2年で解像度アップを実感できていることが1つだけ。DTMっぽいことを辛うじて続けらていて、音と音楽関連の言葉が、ほんの少しずつですが結びつくようになってきました。本書でも特徴を書き出したりスケッチ/線画を描いたりしているように、アウトプットしようとして初めて気が付くことがあるように思います。</p><p style="text-align: left;">いろんな人に読んでもらいたい(そして何でもいいのでアウトプットや同定に挑戦してみてほしい)のですが、難点というか人を選ぶ要素を挙げるとすれば同定の対象としてクモ・カ・ガ・ハエなどが扱われているところでしょうか(ちなみに著者の専門はハエトリクモだそうです)。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-90515257454281303772022-04-02T09:41:00.004+09:002022-04-02T09:46:06.567+09:00"Unlimited Love" - Red Hot Chili Peppers <a href="https://www.amazon.co.jp/UNLIMITED-LOVE-RED-CHILI-PEPPERS/dp/B09RNR16YF?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2AXBQ4L7D7A77&keywords=unlimited+love&qid=1648857265&s=music&sprefix=unlimited+lov%2Cpopular%2C214&sr=1-1&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=0629e55236ac801595bd992d9ccf0623&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" class="amazon" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B09RNR16YF&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=B09RNR16YF" style="border: none; margin: 0px;" width="1" />Red Hot Chili Peppersの新アルバム"Unlimited Love"を聴いている。<div><br /><div>2016年の"The Getaway"以来6年ぶり。本作では再びJohn Fruscianteがギターに復帰。その前に彼が参加した"Stadium Arcadium"から数えると、実に16年ぶり。プロデューサーもDanger Mouseから<span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;">Rick Rubinに戻ったとのこと。</span></div><div><br /></div><div>6. The Great Apesのギターなんてとてもらしい。でもアルバム全体を通して聴くと("Stadium Arcadium"のようには)ギターは目立たない。</div><div><br /></div><div><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;">RHCPから離れていた間のソロ作品、Trickfinger名義の作品、Black Knights (Hip Hopグループ)のプロデュースからの影響がそこかしこに見える。5. Poster Childなんかくぐもったスクラッチ音もあってヒップホップっぽい。</span></div><div><br /></div><div>管楽器(3. Aquatic Mouth Dance) 、ピアノ(4. Not the One)など直近2アルバム(つまりそこでギターを務めたJ<span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;">osh Klinghoffer)から受け継いだであろう要素も聴こえてくる(優しいバラードもここに含まれそうな気がするけれど、自分の記憶を当てにしてはいけない)。</span></div><div><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;"><br /></span></div><div><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;">ところが後半になるにつれ、さらに自由になっていく。</span><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;">9. These Are the Daysではこんなロック鳴らすんだ! と驚いたし、11. Bastards of Lightではギターよりシンセが目立つし、13.はラップでいいよねこれ? 15. Let 'Em Cryはまた違ったリズムでダンサブル(語彙力)。</span></div><div><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;"><br /></span></div><div>ラストの2曲、16. The Heavy Wingで"Stadium Arcadium"あるいはJohn Fruschianteソロの"The Empyrean"を彷彿とさせる広がりと盛り上がりを見せて、17. Tangeloではアコギで素朴に締め括られる。Beautiful。</div><h4 style="text-align: left;">参考</h4><div><ul style="text-align: left;"><li><a href="https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nZKlxrIm7Hjhgx9P9BMpBZqNp3D1JMIhM">公式YouTubeチャンネルの "Unlimited Love" プレイリスト</a></li><li><a href="https://nme-jp.com/feature/113981/">レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、新作『アンリミテッド・ラヴ』決定版インタヴュー | NME Japan</a></li></ul></div><div><br /></div><div><span face="sans-serif, sans-serif" style="background-color: white; color: #333333;"><br /></span></div>
<iframe frameborder="0" marginheight="0" marginwidth="0" sandbox="allow-popups allow-scripts allow-modals allow-forms allow-same-origin" scrolling="no" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_top&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=monoblog03-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=B09RNR16YF&linkId=05a2d7cd5ac73948e8f9aa21882e9ff7" style="height: 240px; width: 120px;"></iframe></div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-80736299226289678802022-01-16T19:05:00.001+09:002022-04-10T20:00:10.629+09:00『近代を彫刻/超克する』の感想<p>『近代を<ruby>彫刻/超克<rp>(</rp><rt>ちょうこく</rt><rp>)</rp></ruby>する』を読みました。〈あいちトリエンナーレ〉で知った、小田原のどかさんの著書です。</p>
<p>〈あいちトリエンナーレ2019〉で作品と解説を見て/読んで以来、公道に存在する裸婦像を無視できなくなったのですが、同時に「なぜ公共性の場の萌えキャラには非難が集まることがあるのか?」を考えています。</p>
<p>最近だと<a href="https://onsen-musume.jp/">温泉娘プロジェクト</a>が比較的大きな(自分のタイムライン上で普段はこの手の話題に触れない人が触れる程度には)話題になりました。このような批判は今に始まったことではなく2014年には碧志摩メグが三重県伊勢市から公認を取り消されています。美少女VTuberが登場する千葉県警の交通ルール啓発動画にも非難が集まり、<a href="https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2109/30/news083.html">美少女VTuber「表現の自由」論争過熱 - ITmedia NEWS</a>で取り上げられました。</p>
<p>一方で裸婦像にここまでの非難が集まったという話題は私の目に入ってきません。理由として、ありふれているがゆえのニュース性のなさが挙げられるとは思いますが、そもそもなぜ裸婦像が公共の場にありふれたのか? という疑問が残ります。</p>
<p>西洋美術史においては「裸」は「ヌード」と「ネイキッド」に大別され前者に芸術性を認めてきたようです。また、このうえで裸婦像は公共空間ではなく美術館などの屋内に展示されているとのこと。</p>
<blockquote>美術史家ケネス・クラークは『ザ・ヌード』において、プラトンを起点に「裸」はnaked(はだか)とnude(裸体像)に大別されると述べた。古来、「理想的身体」は西洋美術史の主題とされてきた。「裸」はいかにして見られ、描かれるに足る対象となったのか。nudeとして「再構成された肉体のイメージ」は性的関心を含む「当惑」を誘引しないといクラークは言う。</blockquote>
<p>しかしこの価値観は日本には定着していないようです。彫刻制作の場に身を置いている著者はこう述べています。</p>
<blockquote>高校から彫刻制作を学び始めたわたしの実感とともに断言してしまいたい。この国において彫刻を学ぶことは、裸の女の像をうまくつくる技術を習得することに等しいと言っても過言ではない側面がある。そこでは、西洋における文脈や図像学的な解釈を学ぶことは留め置かれ、形態を模倣し再現することが重んじらられる。</blockquote>
<p>この部分を読んで私が思い出したのは本屋のキャラクターイラスト関連コーナーでした。そこでは、決して小さくない割合が女の子をかわいく描くための技術本に占められています(女の子をかわいく描きたいと思っていて本棚を見ていたのでそういう本ばかり目に映るのかもしれませんが)。特に裸をうまく描く技術に特化したものだと、<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4797397551">『mignonがしっかり教える「肌塗り」の秘訣 おなかに見惚れる作画流儀』</a>がフェチズムを感じさせるタイトルで印象的です。</p>
<p>一方、観る側の立場から思い返してみても、高校までの美術の授業において解釈を学んだ記憶はありません。見たまま感じたままの感想を述べるように言われて、そういう見方があったことさえ教わった記憶がありません(教わったのに忘れてしまったのかもしれませんが)。</p>
西洋美術史的な解釈が広まればいいのか? というと、そうではないと著者は述べています。ここでいう「ウルストンクラフトの彫像」の彫像とは、《メドゥーサとペルセウスの首》を指します。この話題は著者による<a href="https://relations-tokyo.com/2021/06/06/nodoka-odawara/">女性裸体像はいつまで裸であらねばならないのか? | Relations (リレーションズ)批評とメディアの実践のプロジェクト</a>にも詳しいのでこちらをお勧めします(本書にはない図・写真もあります)。
<blockquote>しかしウルストンクラフトの彫像を巡って起きた「当惑」は、西洋美術史という「正統」を揺るがしている。自由に言えばよいのだ。「美術史的背景・文脈など知るか」と。「裸」を自らに取り戻すこと。それは半知性主義でもヴァンダリズムでもない。男根主義への異議申し立てという歴史観の更新と被抑圧者の声の可視化であり、祝福されるべきことである。</blockquote>
この方向性が一つの筋道のように感じます。「彫刻」は表現の直接性と持続性の高さから広範かつ慎重な議論が必要に思えますが、萌えキャラ採用・パブリックアート設置や屋外広告出稿まで含めて、その地域の特色、住む人・訪れる人、表現の抑圧/暴力性の由来も含めて情報のやり取りが発生していって欲しいと感じる日々です。鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-60631213123833287152021-12-30T20:04:00.005+09:002021-12-30T20:11:41.864+09:00#おもしろ同人誌バザール 大崎10で買った本<p>年の瀬も迫った本日12月30日、ふと思い立って(大掃除や動画編集をほっぽり出して)<a href="https://hanmoto1.wixsite.com/omobazapetit">「おもしろ同人誌バザール大崎10」</a>に行ってきました。これは、全年齢対象のみで情報系(及び評論系)同人誌がラインナップにあればOKというゆるやかな企画です。なお「サークル側で「これは情報系同人誌だ」という信念を持って頒布される分には、あまり細かい追及はいたしません」とのこと。</p>
<p>グッズ2点と本3冊をゲットしてきたので簡単にご紹介。</p>
<p>最初にお伺いしたいのは<a href="https://ついなちゃん.com/">ついなちゃんのところ</a>。ボカロ界隈では先月末に発売したばかりの<a href="https://www.ah-soft.com/synth-v/tsuina/">Synthesizer V (Std/AI)</a> が話題ですが、『方相氏&追儺式ガイドブック』や『方相氏&追儺式年表』を頒布する方相氏&追儺式の研究者でもあります。寺社との交流も深く、12月18日に<a href="https://twitter.com/koufudaiji">紅冨台寺様</a>にて<a href="https://fantia.jp/posts/1012057">第1回ついなちゃん祭り</a>が開催されたばかり。</p>
<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjtENtaRRQqdMGW9p74O5AKrV2Ul09Nwvl8kmHA__6yIuQuzqvi_UyhpMkHJ55WPNEprpB2KzGR1EPsklm-K9b50Mm8DeSRuL0Zl8iaehZTK3AsCBpMRt9qaZdF_j5dAF3F-eTlbLRk2RuKpir_RJxsk3C1h4WDbvSqlPLgWUklV6jdtETr1zUGdUVR" style="display: block; text-align: center; "><img alt="" border="0" data-original-height="1080" data-original-width="1080" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEjtENtaRRQqdMGW9p74O5AKrV2Ul09Nwvl8kmHA__6yIuQuzqvi_UyhpMkHJ55WPNEprpB2KzGR1EPsklm-K9b50Mm8DeSRuL0Zl8iaehZTK3AsCBpMRt9qaZdF_j5dAF3F-eTlbLRk2RuKpir_RJxsk3C1h4WDbvSqlPLgWUklV6jdtETr1zUGdUVR" width="600" height="600" /></a></div>
<p>こちらではついなちゃんモチーフのカードホルダーとストラップをゲット。これを装備して第2回ついなちゃん祭りには参加する意気込み。第2回からは夏に開催される予定なのであっという間な気がします。ともあれ、たくさん遊んでもらっているのでご挨拶できてよかったよかった。ちなみにガイドブック二〇二〇年度版と年表第一版は所有しているので次版に期待中。</p>
<p>というわけで最初に紹介する本は<a href="https://twitter.com/onshokukiko">音食紀行様</a>の『音食紀行 総集編 vol.III シャーロックホームズ』。カジュアルなシャーロキアン(ホームズファン)なので、原典の食事シーンと合わせて写真やレシピ、食レポが見られるのが楽しいです。パラパラと眺めていると<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4490205767">『シャーロック・ホームズとお食事を―ベイカー街クックブック』</a>を参考に作られているご様子。イギリスは飯マズというステレオタイプがありますが、なかなかどうして好評だったメニューもあるので試してみたいところ。</p>
<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEg7w6LaPAzmkihdRcqDQrtIjmhBzoMqXdn5u0kbYhegA9JLb4Wqsww2JqKrwxiOaTfMLyreEHRdhqs4dsZHwDAmsPaiRK6sTm4TbKjzLrKmIAWGKNobPhXZEqOckuiIAM31tiGINGv5-jB_EXPNv5YNlS2a0CkxfOg4qKs1k1Nbm36Tzaw5MxJJlyD5" style="display: block; text-align: center; "><img alt="" border="0" data-original-height="1080" data-original-width="1080" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEg7w6LaPAzmkihdRcqDQrtIjmhBzoMqXdn5u0kbYhegA9JLb4Wqsww2JqKrwxiOaTfMLyreEHRdhqs4dsZHwDAmsPaiRK6sTm4TbKjzLrKmIAWGKNobPhXZEqOckuiIAM31tiGINGv5-jB_EXPNv5YNlS2a0CkxfOg4qKs1k1Nbm36Tzaw5MxJJlyD5" width="600" height="600"/></a></div>
<p>2冊目は<a href="https://twitter.com/sasatsuyu">ささつゆ様</a>の『みりんの飲み方 総集編』。今年の頭あたりに、フォロワーさんがみりんを飲んでいたのを見て、<a href="https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1604/17/news007.html">みりんと炭酸水でコーラの味に? 17種のみりんを飲み比べたレビュー本で新たな扉が開けそう:司書メイドの同人誌レビューノート</a>を読んでみて、自分でも「三州三河みりん」を飲んでみたりしていたのですが、今や紹介されているみりんは倍の34種類。レシピやみりんを使ったお菓子の紹介もあれば、碧南みりん旅(みりん蔵訪問レポート)もあり読み応えに期待。またみりんが飲みたくなってきましたがほどほどにしないと。</p>
<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEj0dcR3zOD2tSWwM8-Ler-pqdDGBxBR367LaTxHA-Ey3kPurdjRRMaYTUCxooWOCKcOfwTnt4Ho7XdS_75LEpEXrPQHtrI-R7w90aaJo9vOFeohL1mve0EzIKORkEH5zWQz3R4O-U_uvmZ6Ywp6jouuX1ZtcIQRCcYB2KccME_TyaoiKd420sjz7L1a" style="display: block; text-align: center; "><img alt="" border="0" data-original-height="1080" data-original-width="1080" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEj0dcR3zOD2tSWwM8-Ler-pqdDGBxBR367LaTxHA-Ey3kPurdjRRMaYTUCxooWOCKcOfwTnt4Ho7XdS_75LEpEXrPQHtrI-R7w90aaJo9vOFeohL1mve0EzIKORkEH5zWQz3R4O-U_uvmZ6Ywp6jouuX1ZtcIQRCcYB2KccME_TyaoiKd420sjz7L1a" width="600" height="600"/></a></div>
<p>最後に紹介するのは<a href="https://twitter.com/ringoame0918">砂肝ラフロイグ/林檎飴</a>様の『推し飯道』。コンセプトは「推しの腹を満たすレシピ」。雑草鍋ばかり食べている発育不良系女子ついなちゃんに、発育いい女子のためのワカメチーご飯+ピリ辛レバー鍋をごちそうしたい。もちろんレバーは鬼の肝で。という妄想もはかどりますが、単品のレシピではなくメニューとして紹介されているのが実用的でよいです。調理時間や難易度も記載されているので料理初心者にも安心。マグロカツの山葵マヨがとてもおいしそう。</p>
<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEigaFQC2QOsT9ObljSZFH5kium9vNhxGIcUVB3KZPTgLd-fQf4NeUumKmuCGyyug7-_QRXu6KBA3TSKqJrAI8xJnPe4jGGBywkxtJABgjZ73a9yy9t7NWxxCvOZ5Ny3eupCNhtBbGBvP9FMwF3xBIZov7rlpJr-vk9BZjvmHLhFp6nXpUwqCg-Hvh4p" style="display: block; text-align: center; "><img alt="" border="0" data-original-height="1080" data-original-width="1080" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/a/AVvXsEigaFQC2QOsT9ObljSZFH5kium9vNhxGIcUVB3KZPTgLd-fQf4NeUumKmuCGyyug7-_QRXu6KBA3TSKqJrAI8xJnPe4jGGBywkxtJABgjZ73a9yy9t7NWxxCvOZ5Ny3eupCNhtBbGBvP9FMwF3xBIZov7rlpJr-vk9BZjvmHLhFp6nXpUwqCg-Hvh4p" width="600" height="600"/></a></div>
<p>というわけで、おもしろ同人誌バザール大崎の戦利品紹介でした。それにしても飲食関係ばっかりだな!!</p>
鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-18600364519354043252021-11-23T23:44:00.002+09:002021-11-23T23:44:17.069+09:00『Everyday Life:わたしはうまれなおしている』の感想<p>東京都美術館で<a href="https://www.tobikan.jp/exhibition/2021_uenoartistproject.html">『Everyday Life:わたしはうまれなおしている』</a>を見てきました。見に行ったというよりふっと惹かれて入った、という方が近いかもしれません(ダメもとで事前予約なしで『ゴッホ展』に向かったら、ダメでした)。</p>
<p>展示されていたのは6人の女性作家による作品。作品形態は、絵画、写真、ガラス作品、織物とさまざま。制作年代も戦前・戦後に活躍されてもう亡くなってしまった方の作品もあれば現役の方が今年製作された作品もありと幅広。女性作家に対する視線、女性で作家であることの在り方に思いを馳せなくもないです。環境・バックグラウンド、製作のきっかけ、作品。自分がこれらのつながりを考えるようになったのはごく最近のように思います。</p>
<p>それはそれとして、貴田洋子さんという方の、津軽こぎん刺しによる作品がもうとても印象的で。人手により作られたパターンライクなテクスチャーに弱いので、近くで遠くでずっと眺めていられます。このツイートで紹介されている《津軽・歓びの春》では、水面に映る空と桜が曲線とグラデーションで表現されているのがおもしろいです。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">「Everyday Life : わたしは生まれなおしている」展<br>作家紹介② <br>【<a href="https://twitter.com/hashtag/%E8%B2%B4%E7%94%B0%E6%B4%8B%E5%AD%90?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#貴田洋子</a>】1949-<br>青森・大鰐町に生まれ、独学で身につけた津軽こぎん刺しの伝統模様や運針規則を厳格に守りながらも、独自の手法で表現のあらたな可能性を追い求めています。<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#東京都美術館</a><a href="https://t.co/1m0wJPMsJR">https://t.co/1m0wJPMsJR</a> <a href="https://t.co/yHuvZXG1Rd">pic.twitter.com/yHuvZXG1Rd</a></p>— 東京都美術館 (@tobikan_jp) <a href="https://twitter.com/tobikan_jp/status/1451378178719551490?ref_src=twsrc%5Etfw">October 22, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<p>解説で伝統模様や刺し方(奇数律)を守りながら制作されていることを知り、ドット絵あるいはドット絵のステッチやアイロンビーズでの再現を連想しました。このあたりに自分の好きな作品の共通項があるのかもしない、そんなことを思いつつ。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="und" dir="ltr"><a href="https://t.co/Pm6d1uU0Xy">pic.twitter.com/Pm6d1uU0Xy</a></p>— 鏡双司 (@SO_C) <a href="https://twitter.com/SO_C/status/1463080191950209024?ref_src=twsrc%5Etfw">November 23, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<p>(自分が撮った写真を見ても、幾何学的な構成を好んでいることが伺えるよなあ)</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-29743183028161998372021-02-20T11:23:00.004+09:002021-02-20T11:23:43.128+09:00『阿・吽』 一~十二巻を読んだ感想ついなちゃんに薦められて、マンガ『阿・吽』の一~十二巻を一気読み。天台宗開祖の最澄と真言宗開祖の空海を描く歴史ロマン、でいいのかな。
<blockquote>そーいえば最近、おかざき真里先生の『阿・吽』読んでるんやけど、これも面白いね……💓ξ😊ξ<br />
<br />
ウチ、お坊さんの中では最澄はんが一番好きなんやけど、ウチのイメージ通りの最澄はんやった………❣
<cite>出典: @Tuina_chan_PJ 午後7:56 · 2021年2月16日
<a href="https://twitter.com/Tuina_chan_PJ/status/1361630645735149570"></a></cite>
</blockquote>
<p>マンガワンで2月19日までの限定公開だと知ったのが2月17日。そこからチケット購入も駆使して3日で読み切りました。急く気持ちや疲労に流されて読み飛ばしたりはしたくない。終始そういう気持ちがあったので、1ページ1ページをいつめくるか決断の連続でした。もしかしたら渡唐して経典を読み耽る最澄もこんな気持ちだったのかもしれません(恐れ多い)。</p>
<p>その最澄ですが、坂上田村麻呂から「貴殿に欠けはないのか?」と問われ「“欠け”があるので仏の道におります。」と答えます。若き空海(そのときの名は真魚)は三論宗の僧・勤操へと赴き「我を満たせ!」と叫びました。“欠け”が満ちるとはどういうことか? “欠け”に嵌らないものが幾らあろうと満ちることはありません。一方で嵌る“欠け”を知っているということは、“満ちた”形を知っていることで、それは最早“満たされている”ということでは? などと抽象的なことを思ったりします。</p>
<p>具体的には、十三集をいつどうやって読もうか? ここから買い始めるのも気持ち悪いし。もうこれで読み終わっているということにしてはいいのではないか? というしょうもない悩みなのですが。</p>
<p>2021/02/25 22:00までなら<a href="https://amzn.to/3ui3txa">(一)</a>、<a href="https://amzn.to/2ZAS79z">(二)</a>、<a href="https://amzn.to/3ds1tws">(三)</a>がKindle無料お試し版で読めるのでぜひ。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-66554642574565156332021-02-04T20:17:00.001+09:002021-02-04T20:17:27.579+09:00『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』の感想『裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル』を読んだので簡単に感想を。<div><br /></div><div>2021年1月から始まったアニメも見ていると、どちらもより楽しめる1冊でした。</div><div><br /></div><div>短篇5つの構成のうち、表題にもなっている「八尺様リバイバル」が象徴的。これがシリーズ第2話「八尺様サバイバル」の続きの話だし、他の話も空魚が二人の関係だったり自分を見直したりしていて、全体として新しい関係ができていく流れで、百合成分増量巻。</div><div><br /></div><div>ホラーテイストがお気に入りの一篇は「ファイル18 マヨイガにふたりきり」。日常が裏世界に侵食してくる話はこれまでなんどもあったけれど、まさかこういうケースもあるとは。</div><div><br /></div><div><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08QCY6C74?_encoding=UTF8&btkr=1&linkCode=li3&tag=monoblog03-22&linkId=3805591472aee94b2ed8c5f1c882621e&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_il" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B08QCY6C74&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li3&o=9&a=B08QCY6C74" style="border: none; margin: 0px;" width="1" /></div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-22833937651192302102021-01-12T21:25:00.003+09:002021-01-12T21:25:34.868+09:00『言語学講義――その起源と未来』の感想<P>『言語学講義――その起源と未来』を読みました
<blockquote>一見ランダムなやり方でとり上げることで、「言語学の今」を浮かび上がらせてみたいと考えている。</blockquote>
とあるけれど、言語学の予備知識がほぼゼロなのでその試みがうまくいっているかどうか、なんもわからん。</p>
<p>でも、楽しめました。例外は最後の第5章。著者の専門領域の話らしくさっぱり。ソシュールの『一般言語学講義』成立の経緯はおもしろかった。本人が書いたのではなく、生徒が講義を復元したらしい。あと、ジャック・デリダの『グラマトロジーについて』の中でのソシュールを批判したとあったところで、内容が気になったくらい。</p>
以下、枝葉ばかりだけれど感想を。
<h4>「包括形」と「除外形」</h4>
<p>2人称を含めるのが「包括形」。含めないのが「除外形」。日本語では区別なく「私たち」と表記される。「私たちは人間としてみな平等だ」というのは包括形で、「私たちは君たちを助けたい」は除外形。ここが気になったのは、ニコ生で「私たちはそう考えますが、みなさんはどうですか?」というような言葉を聞いたばかりだったので。おかげでこの言葉に違和感があった理由がわかった。ニコ生で「私たち」と言われたら、自分は包括形を想定するらしい。対称ではないけれどテレビより双方向性があるからだろう。</p>
<h4>言葉の「正しさ」</h4>
<p>国語教育の一部として指針が必要だとは思うけれど、想定する受け手に伝わればいいとも思っているので、外野から正誤を押しつけるのに意味はない。と頭では思うのだけれど、つい指摘したくなる気持ちが湧くこともある。そこで一拍おいて飲み込めるようにしたい。反射的に言ってしまうこともあるのだけれど、〈物語〉シリーズの阿良々暦が言っていたことを思い出す。言いたいことと言うべきことは違う、みたいな。思い出すというには曖昧過ぎるか。</p>
<h4>[m], [n], [ŋ]</h4>
<p>「ん」の話。[m], [n]の区別はつくけれど、[ŋ]はだいぶ怪しい。ま行の音が続くときの口を閉じる「ん」が[m]で、口を開けたまま言える「ん」が[n]。「感激」などが行に続くときの音、らしい。らしいというのも衰退していて、おそらく自分も普段使っていなくて自信が持てないから。どれくらい衰退しているかというと、1940年時点で都区部の15歳の学生を対象に調べたら、鼻濁音があったのは約半分だったらしい。東北方言だと「烏賊」は[iga]で「毬(いが)」は[iŋa]のように残っていると読んでやっと音をイメージできたくらい。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-70942800640741949232021-01-11T18:21:00.006+09:002021-01-11T19:17:50.306+09:00『言語の起源』の感想<p>『言語の起源』を読んだ。</p>
<p>原始的なコミュニケーションはイントネーションとジェスチャーを通して行われており、そこから構造化されていって言語が生まれたという話。言葉が通じない相手とコミュニケーションするために、イントネーション・ジェスチャー・絵、使えるものはなんだって使うだろうから、原始的なコミュニケーションには構造がなかったという主張には納得させられる。</p>
<p>もうひとつ繰り返される主張は、言語を使えるようなったのは、コミュニケーションできた方が生存に有利だったためそのように進化していったということ。突然変異で言語を扱えるようになったという仮説や脳に言語を司る部位があるという仮説に、しつこいくらい反論している。以前の自分はそういう仮説に惹かれていたかもしれないけれど、今の自分はこの主張に違和感を覚えないし、もっと言えば起源単体への関心が薄くなっていることを改めて実感。現在の言語がどう発展してきたのか、遡る方向の本も探して読んでみようかな。</p>
<p>ところで、個人的な関心は記号の進化過程にあったのだけれど、こちらはあまり掘り下げられていなかったのが残念。まずインデックス(物理的につながりのあるものを示す。例は足跡)、それからアイコン(物理的ににているものを示す。例は肖像画)、シンボル(ほとんど恣意的)と徐々に抽象化されたのではないか、というくらいの話はあった。いずれにせよ「起源」を考えると、声と身振りより先にあったとは思えないので、これは「言語」で真っ先に「書かれたもの」を思い浮かべた自分の方がズレていた。</p>
<p><a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B08R87KD4W/ref=as_li_ss_il?_encoding=UTF8&btkr=1&linkCode=li2&tag=monoblog03-22&linkId=216a87774a2bf1b434edcf8451ff2541&language=ja_JP" target="_blank"><img border="0" src="//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&ASIN=B08R87KD4W&Format=_SL160_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=monoblog03-22&language=ja_JP" /></a><img alt="" border="0" height="1" src="https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=monoblog03-22&language=ja_JP&l=li2&o=9&a=B08R87KD4W" style="border: none; margin: 0px;" width="1" /></p>
<p>メモ:チョムスキーの「生得文法」があり、その反証として著者の『ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観』があり、その延長として本書があるみたい。チョムスキー、計算機科学における形式文法の発案者として知ったのでそのイメージが抜けない。</p>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-27861450610142460462020-12-27T14:04:00.009+09:002020-12-27T14:08:57.884+09:002020年に繰り返し聴いたアルバム<a href="https://twitter.com/hashtag/AOTY2020?f=live">#AOTY2020</a>、<a href="https://twitter.com/hashtag/2020%E5%B9%B4%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0?f=live">#2020年ベストアルバム</a>、<a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A02020?f=live">#ベストアルバム2020</a>。この手のハッシュタグから知らないアルバムを聴くのが年末・年始の楽しみの一つ。<br>
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自分もできればいいのですが、ベストアルバムを選出できるほど数を聴いていないし、それに耳がいいわけでもない。<br>
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でも、繰り返し聴くアルバムなら迷いなく選べる。というわけで、今年リリースされたアルバムから何回も聴いているアルバムをピックアップしてみた。<br>
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<a href="https://open.spotify.com/album/4otkd9As6YaxxEkIjXPiZ6?si=YkMnGU6ASfWcn6_nsU1tFA">Music To Be Mudered By / EMINEM</a>
<iframe src="https://open.spotify.com/embed/album/4otkd9As6YaxxEkIjXPiZ6" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe>
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<a href="https://open.spotify.com/album/3MKvhQoFSrR2PrxXXBHe9B?si=1BSQZIz2RiWeo2FyWv7eWQ">Music To Be Mudered By Side-B / EMINEM</a><br>
<iframe src="https://open.spotify.com/embed/album/3MKvhQoFSrR2PrxXXBHe9B" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe><br>
先頭を飾るのはエミネムさん。Music To Be Mudered Byがシリアス。Side-Bは戯けた印象。Side-B (Delux Edition) のDisc 2がSide AなのでA→Bと地味に聞きづらい。<br>
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<a href="https://open.spotify.com/album/5bfpRtBW7RNRdsm3tRyl3R?si=qPKiVPb0TzqIagSJzcEePg">Dreamland / Glass Animals</a><br>
<iframe src="https://open.spotify.com/embed/album/5bfpRtBW7RNRdsm3tRyl3R" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe><br>
次は今年初めて知ったGlass Animalsというアーティストの"Dreamland"。タイトルどおりフワフワとドリーミーな気分になれるので、延々と聴き続けられてしまう。<br>
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<a href="https://open.spotify.com/album/2fenSS68JI1h4Fo296JfGr?si=082bcpvtTMyocyRO1d_5ww">folklore / Talyor Swift</a><br>
<iframe src="https://open.spotify.com/embed/album/2fenSS68JI1h4Fo296JfGr" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe><br>
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<a href="https://open.spotify.com/album/2fenSS68JI1h4Fo296JfGr?si=082bcpvtTMyocyRO1d_5ww">everymore / Talyor Swift</a><br>
<iframe src="https://open.spotify.com/embed/album/40zKHK0aGM4PITqPy5vfQh" width="300" height="380" frameborder="0" allowtransparency="true" allow="encrypted-media"></iframe><br>
最後はテイラー・スウィフト。穏やかな音と美しいメロディーが心地良いです。7月末の"folklore"がらわずか4ヶ月で"everymore"が出たのには驚かされました。おかげで"forklore"を去年のアルバムと勘違いして上げそびれるところだった。ちなみにNetflixで見られるドキュメンタリー『ミス・アメリカーナ』もオススメ。<br>
鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-10738292564581212142020-11-21T19:10:00.002+09:002020-11-21T19:10:35.959+09:00石元泰博写真展/138億光年 宇宙の旅 at 東京都写真美術館東京都写真美術館に行って<a href="https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3836.html">『石元泰博写真展』</a>と<a href="https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3928.html">『138億光年 宇宙の旅』</a>を見てきた。<div><br /></div><div>『石元泰博写真展』のフライヤーに惹かれて行ってみたらちょうど『138億光年 宇宙の旅』が始まったところだったのでついうっかり。
<h4>『石元泰博写真展』</h4>
フライヤーに採用されているような幾何学的な構成の写真が多数見られて満足。とくに〈桂離宮〉がエレガント。2010年に写真集『石元泰博 桂離宮』が刊行されているのだけれど、まだ流通しているのかな?</div><div><br /></div><div>純粋に静物だけで構成されるとグラフィックデザインとの差が消えていくけれど、偶然ぴったり収った瞬間を捉えた写真は見ていてとても気持ちいい。中でも<a href="https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3836.html">〈シカゴ 街〉1958-61年</a>(リンク先中程)がお気に入り。吹き飛ばされる新聞だかチラシだかはきっと左奥に向かっているんだろう、と感じられる(事実はともかく)。</div><div><br /></div><div>展示後半の造形写真シリーズまでいくと、写真でそんなことしなくてもと思ってしまうけれど、それは今の技術を知っているがゆえの後知恵かもしれないとも思う。コラージュのように写真を素材とした作品ではなく、写真作品として見なされるギリギリまで加工を突き詰めていっているのは現代の方だろうし。</div><div><br /></div><div>そうそう団地写真(タイトル控え忘れ)もあって、<a href="https://twitter.com/sohsai?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor">(1) 大山顕 さん (@sohsai)</a>を思い出したり。
<h4>『138億光年 宇宙の旅』</h4>
CMDR (ゲーム"Elite: Dangerous", 通称エリデン) にオススメ。特大サイズでプリントされたNASAや国立天文台が撮影した画像が目の前に広がるのは圧巻。キャプションの地球からの距離(光年単位)を見てジャンプ数換算するのはCMDRの嗜み。
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<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi8d3PW8neaS7FsXA3PWKjM6ShHaddLgCk2m1_0zv0lP1uQLItVzmPBjFTP4EtLMd_iiHfg2Ni-Lweura4KFpuo_StMIb420rmvpcg875bpVP7ZHtR529KuZjh3LMNjQvcAWQO7N2ronGA/s2048/P_20201121_112630.jpg" style="display: block; padding: 1em 0px; text-align: center;"><img alt="" border="0" data-original-height="1536" data-original-width="2048" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi8d3PW8neaS7FsXA3PWKjM6ShHaddLgCk2m1_0zv0lP1uQLItVzmPBjFTP4EtLMd_iiHfg2Ni-Lweura4KFpuo_StMIb420rmvpcg875bpVP7ZHtR529KuZjh3LMNjQvcAWQO7N2ronGA/s400/P_20201121_112630.jpg" width="408" /></a></div>
こちらは写真撮影OK。記念に撮っていたのだけれど結局図録まで買ってしまった。
ご無沙汰しているのだけれど、エリデン熱が高まってきた。Beagle Point(Solからもっとも遠い星系)目指さないと。</div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-14636275851224807182020-11-09T19:00:00.080+09:002020-11-09T19:00:05.088+09:00『その裁きは死』の感想<p>ミステリィ小説『その裁きは死』を読みました。『メインテーマは殺人』に続くホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ第2作。読み始めたら止まらなくなって、半日かけて一気読み。</p>
<p>今まで見えていた(と思っていた)全体像が、矢継ぎ早に伏線が回収されてドミノ倒しのようにガラリと変わるときの感覚がたまりません。</p>
<p>ホーソーンとホロヴィッツの関係がどうなっていくかも気になるところ。こちらはシリーズ(全10巻の予定)を通して語られるだろうから、ゆっくり追いかけていこうと思います。個人的には最後の最後まで牽制しあっていて欲しいところ。</p>
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<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="//rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=000000&IS2=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=monoblog03-22&language=ja_JP&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=as_ss_li_til&asins=B08FQSL6XP&linkId=34c1d480f293b609fb7fbf9cb574efdc"></iframe></div<鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.comtag:blogger.com,1999:blog-2308873382856335027.post-90904568795124084512020-11-06T19:14:00.000+09:002020-11-06T19:14:15.809+09:00写真とか絵画とか趣味の創作の話<p>ついなちゃんの喋ったむずかしいこと[1]が趣味で本を読んでいるトピックと重なっていたので、プラスアルファの情報や違う角度からの情報を補ってみます。別に写真に詳しくない人間が偏った知識で書いているので、学術的な裏付けなどは特にないです。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">16~7世紀の画家カラヴァッジョみたいにそれを応用したとされる画家もおったし、19世紀のユトリロみたいに写真をモロパクr……ゲフンゲフン、大いに参考にした芸術家はんもいた……<br><br>そうした写真芸術との相克の結果として、後の印象派だったりキュビズムだったり、抽象絵画だったりに繋がっていく(続</p>— 【ついなちゃん】プロジェクト🗻公式(CV:門脇舞以)11/1は #ボイロついな誕2020 ❣ (@Tuina_chan_PJ) <a href="https://twitter.com/Tuina_chan_PJ/status/1324591386314772480?ref_src=twsrc%5Etfw">November 6, 2020</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<p>有名所だとフェルメールもカメラ・オブスキュラを使っていたと言われています[2]。その後、「写真のような」絵画がなくなったかというともちろんそんなことはなく、コロナウィルスの影響がなければ<a href="https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_choshajitsu.html">超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵</a>が渋谷Bunkamuraで開催されていたはずでした。</p>
<p>一方、写真は写真で芸術として認められていないという悩みを抱えていました。それを覆すため、19世紀後半に絵画のような写真を作ろうという動き〈ピクトリアリズム〉がありました[3]。ピクトリアリズムでは撮影後の加工も行われましたが、RAW現像やレタッチで仕上げられる現代のデジカメと重なるところがありおもしろいです。</p>
<p>写真芸術と言えば2011年にアンドレアス・グルスキーの作品が写真作品として過去最高額の430万ドルの値が付けられたというニュースを思い出します。これは加工が重ねられた写真らしくない(映り込みが取り除かれレンズの歪みがない)作品で、評価軸としての「らしさ」と「あえて」の違いについて考えたくなります(考えていない)。</p>
<p>それはそれとして、わざわざ美術館に足を運んで観賞するとなると人を動かすのは絵画の方で、フェルメール展が2018年10月5日~2019年2月3日の4ヶ月で68万の人を動かした[4]のに対して、2017年度の東京都写真美術館の年間来場者数が38万人でした[5]。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">日本の浮世絵が当時のパリ芸術界でおおいに持てはやされたというのは…<br>いわば新古典主義的リアルなデッサン力が珍重されていた当時の画壇が、よりすごい写真技術に挑戦されて、そのアイデンティティが揺らいでいた時に、リアルでないのに高みに至っている芸術表現として、完成度の高い美術体系が(続</p>— 【ついなちゃん】プロジェクト🗻公式(CV:門脇舞以)11/1は #ボイロついな誕2020 ❣ (@Tuina_chan_PJ) <a href="https://twitter.com/Tuina_chan_PJ/status/1324593388939694081?ref_src=twsrc%5Etfw">November 6, 2020</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
<p>で、抽象絵画の走りがロシアのマレーヴィチ。どうも『黒の正方形』が有名なようです[6]。抽象絵画ってなんやねんという話ですが、この人は「何か」を描く限り絵画はそれに従属してしまうので、それを避けるために意味を排した絵画のための絵画を描いたみたいな話でした(わからん)。</p>
<p>芸術論とかそのあたりは最近「分析美学」という分野を知ってたまに本を読んだりなどしています。『ビデオゲームの美学』なんかおもしろかったです。あとWebで読めるところだと<a href="http://ecrito.fever.jp/20200901220007">バーチャルYouTuberエンゲージメントの美学――配信のシステムとデザイン</a>も。分析美学は哲学的な文脈でいうと「分析哲学」の一つで、これは大陸系哲学(カントとかはこっち)と対比的に語られ、イギリスやアメリカではこちらが強いみたいです[7]。</p>
<p>最後に趣味の創作の話をすると、絵にせよ何にせよ、自分としては過程が楽しいとか、とにかく吐きだしたい(早口になるあれの言葉じゃないバージョン)とか、そんな感じなのでまあ気楽なものです。ボトルレターを流している感覚に近いのかも知れません(流したことないけど)。</p>
<div class="footnote">
[1] <a href="https://twitter.com/Tuina_chan_PJ/status/1324606990744645632">【ついなちゃん】プロジェクト🗻公式(CV:門脇舞以)11/1は #ボイロついな誕2020 ❣さんはTwitterを使っています 「むずかしいこと喋って、知恵熱出てきたから、エスプレッソ淹れて、電書ちゃんからもらった豆を食べる💕 ぽりぽり……☕︎ξ🦫ξ」 / Twitter</a><br>
[2] <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4788512076">フェルメールのカメラ―光と空間の謎を解く</a><br>
[3] <a href="https://topmuseum.jp/contents/exhibition/topic-824.html">東京都写真美術館 学芸員コラム</a><br>
[4] <a href="https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21112">2019年展覧会入場者数TOP10。1位はフェルメール展の68万人|美術手帖</a><br>
[5] <a href="https://topmuseum.jp/contents/images/info/repo/17_18repo001.pdf">東京都写真美術館年報 2017-2018</a><br>
[6] <a href="https://www.amazon.co.jp/dp/4801000762">ロトチェンコとソヴィエト文化の建設</a><br>
[7] <a href="https://academist-cf.com/journal/?p=10930">「分析哲学」の使命は"論理の明晰化"にあり – 『フィルカル』編集長・長田怜氏 | academist Journal</a>
</div>鏡双司http://www.blogger.com/profile/05814842690125860322noreply@blogger.com